どんなに人気の飲食店であっても、スタッフの身だしなみが乱れているとお客様に不潔な印象を与えてしまい、再来店につながらない可能性があります。飲食店において顧客が再来店したいと思うために、スタッフはどのような身だしなみを心掛けたらよいのでしょうか。今回は、飲食店における身だしなみの重要性や注意点について解説します。

飲食店スタッフの身だしなみが重要である理由

さまざまな業種があるなかで、飲食店においてのスタッフの身だしなみは特に注意を払う必要があります。ここでは、飲食店スタッフの身だしなみが重要とされる理由について、3つの点を解説します。

身だしなみは清潔感に直結する

飲食店は、お客様に対して安全で快適な食事を提供する必要があります。そのため、どんなに美味しいと評判のお店であっても、スタッフの服装や髪型などの身だしなみが乱れていては、お客様がスタッフにだけでなく料理に対しても不快感を抱いてしまいかねません。身だしなみというのは、おしゃれではなく、相手に不快感を与えないための心がけであり、清潔感に直結するものだということを念頭に置く必要があるでしょう。

顧客満足度にも影響する可能性が高い

飲食店において、店舗の内装・外装や、料理へのこだわりというのは大切なポイントではありますが、そのなかでもスタッフに不潔な印象や不快感があれば、顧客満足度は大きく下がってしまう恐れもあります。料理をテーブルに運ぶという、お客様と直接関わる仕事をするのがスタッフであるため、エプロンなどについた汚れをそのままにせず、常に清潔を保って、顧客満足度を低下させない気遣いが必要です。

身だしなみが衛生管理に影響するケースもある

先にも説明しているように、飲食店は安全で快適な食事を提供する場所です。しかし、例えば長い髪の毛を束ねないままでいれば、髪の毛が提供する料理のなかに混入してしまう恐れがあり、厨房内などで不必要な会話をすることで唾が料理にかかる可能性もあります。そのため、身だしなみや態度が整っていないということは、見た目の印象だけでなく、異物の混入や細菌の発生といった衛生管理に悪影響を及ぼすことも考えられるでしょう。

飲食店スタッフの身だしなみで注意すべきポイント

料理を提供するホールスタッフだけでなく、調理スタッフやレジスタッフ、マネジメントスタッフなど全てのスタッフが、身だしなみには常に配慮する必要があります。最後に、飲食店スタッフの身だしなみで注意すべきポイントについて、9つ解説します。

頭髪・髪型・髪色

先の項目でも解説しているように、飲食店スタッフは髪の毛は特に常に整えていなければなりません。長い髪の毛を束ねずにいると、配膳や調理中など、どの場面でも料理に混入する恐れがあります。さらに髪の毛に過度な整髪料が使われていれば、料理を提供された際にお客様はそのニオイで食欲を失うかもしれません。髪型は飲食店のコンセプトや雰囲気にあわせるだけでなく、お客様に不快感を与えず、食中毒を起こさないための配慮が重要です。

ひげ

ひげもおしゃれのひとつとされていますが、整えておらずただ生やしているだけの無精ひげは、だらしない印象を与えてしまいます。ひげを生やすのであれば毎日整えるか、不要であれば出勤前に剃るようにして清潔感を保ちましょう。

メイク

清潔感が重要な飲食店である以上、メイクはシンプルかつナチュラルであるのが適切でしょう。ファンデーションを使用する際には肌色に近いものを選び、口紅はグロスを使いすぎないようにしましょう。アイメイクについては、つけまつげやボリュームのあるマスカラ、ラメの強いアイシャドウなどはいつの間にか手に付着してしまうことも考えられます。おしゃれを優先するのではなく、料理を安全に提供することへの意識が重要です。

飲食店スタッフとして従事する以上は、爪の長さは特に注意が必要です。おしゃれを意識した長い爪は細菌が繁殖しやすく、異物混入や食中毒にもつながる恐れがあります。手のひら側から見て爪が見えないくらいの長さを保ち、マニキュアやつけ爪は避けましょう。

アクセサリー

料理を提供するスタッフとしては、指輪は指との間に細菌が繁殖しやすいことから、必ず外しましょう。腕時計も同様です。ピアスやイヤリング、ネックレスについても、外れた場合の異物混入の観点からは外すほうがおすすめです。

服装

調理など汚れが目立ちやすい場合には着替えを用意しておき、袖口など汚れが目立ちやすい箇所や靴下なども常にチェックしておくことが重要です。油汚れなどは落ちにくいものもあるため、家庭の洗濯で落ちない場合はクリーニング店に出すことも検討しましょう。また、制服がある場合でも穴あきやタイツの伝線などには注意が必要です。

靴は外部からの汚れや細菌も店内に運んできてしまい、食中毒にもつながるものであるため、ホールや調理場など店内に入る場合には、店内用の靴に履き替えることが重要です。また、ホール担当の場合は、座敷での脱ぎ履きする機会もあるため、履きものは脱ぎやすいものを探すとよいでしょう。

体臭・匂い

料理の香りを楽しむなかで、違和感や不快感につながる匂いとしては、整髪料、化粧品、タバコ、香水、洗剤といった人工的な匂いと、汗などの体臭が主にあげられます。タバコや香水、整髪料や洗剤など普段から使い慣れているものは、自分では匂いの強さに気づきづらいもののため、飲食店で従事する際には控えめにするなどの配慮をしましょう。また、汗などの体臭は清潔を保つ以外にも、同じ制服を着続けないこと、勤務前に汗や匂いを抑える制汗剤を使うなどの対策をしましょう。

タトゥー

ファッションなどで取り入れられているタトゥーですが、日本国内ではさまざまな見方があります。料理を提供したり調理をしたりするスタッフにタトゥーがあることで、不快感を抱くお客様をいることが考えられるため、長袖を着たり、タトゥーを隠すテープを貼ったりするなどで配慮するとよいでしょう。

まとめ

今回は、飲食店における身だしなみの重要性や注意すべきポイントについて解説しました。顧客が直接口にする料理を提供する以上は、お店の雰囲気にかかわらず、スタッフは清潔感を保つことが重要です。服装以外にも、髪の毛やメイク、靴や匂いなど、提供する料理に付着しただけで食中毒にもつながる恐れがあるポイントを注意して、常に清潔感のある身だしなみを心掛けましょう。

飲食店の職種については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

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