ポップアップストアは現在キャラクターグッズ、アパレル、家電、化粧品、食料品、サービス体験などさまざまな業界で活用されています。臨時的に短期間開催されているため、商業施設やレンタルスペースなどでポップアップストアを見かける方、利用される方も多いのではないでしょうか。

今回はポップアップストアは常設店とはどう違うのか、特徴や出店する目的やメリット、出店した際の場所と費用感について解説していきます。

ポップアップストアとは

ポップアップストアとは常設店舗とは異なる短い期間で開催される期間限定の店舗です。ポップアップストアの特徴や常設店との違いを解説します。

ポップアップストアの特徴

「ポップアップストア」とは、数日から数週間程度の短期間限定で開催される店舗形態を指します。「ポップアップ(pop up)」とは英語の動詞として「現れる」「飛び出す」という意味を持ち、「ポップアップストア(pop up Store)」には「今までお店がなかったところに、突如現れるお店」といった意味合いがあります。

このことから臨時的に短期開催される店舗を「ポップアップストア」と呼ぶようになりました。元々はアメリカなど海外で使われていたPR方法で、現在は日本でもキャラクターグッズ、アパレル、家電、化粧品、食料品、サービス体験などさまざまな業界でポップアップストアが活用されています。

常設店舗との違い

ポップアップストアと常設店舗の大きな違いは出店期間です。常設店は期間の指定はありませんがポップアップストアには期間の指定があり、多くが短期間での出店となります。短期間での運営のため、常設の実店舗を経営するよりも出店をする際のリスクが低く、場所や期間、運営の方法など状況に応じて柔軟に対応できる点が特徴です。

また、企業側の目的や目標、店舗設計なども常設店舗とは異なります。常設店舗が商品を販売することによって収益を生み出す目的で運営をしているのに対し、ポップアップストアでは、マーケティング、ブランディング、生活者調査などが目的となります。

接客に関しては、常設店舗と同様にポップアップストアでも販売を目的に行います。加えて企業ブランドの理解を促進させることも目的となりコミュニケーションを重視した接客が多くなります。

ポップストアを出店する目的

ポップアップストアは目的をもって出店することが大切です。ポップアップストアを出店する目的について3つご紹介します。

ポップストアを出店する目的
  • 商品やブランドの認知の拡大
  • 新商品のテストマーケティング
  • 売り上げの向上

商品やブランドの認知の拡大

ポップアップストアでは、今まで関わりのなかったターゲット層にブランドや商品を知ってもらい、認知度の拡大が期待できます。ブランドや商品を知ってもらうためにも商品に合ったブランドの世界感を作りこむことが重要になります。

また商品を販売するだけでなく、SNS、ECサイトへのアクセスを促すなど誘導することで、その場限りでは終わらない長期的な関係を築くきっかけづくりにも期待ができます。

新商品のテストマーケティング

テストマーケティングとして、短期間のポップアップストアを利用できる点も目的の一つです。販売前の商品の試食や体験会、先行販売などは特に効果的です。販売した際のお客様の反応や感想、売れ行きなどをその場で確認できるため、常設店舗で販売する前にデータを集めることができます。

テストマーケティングをするには明確な目標設定が大切です。誰をターゲットにするのかなど、購入側の求める商品を考慮したコンセプトを設計しましょう。

売り上げの向上

基本的なことになりますが出店することで売り上げの向上が期待できます。売り上げを上げるためにも売り上げが見込める場所へ出店するなど事前の情報収集が大切です。

ポップアップストアの特徴である「期間限定」を打ち出すことで常設店で販売をしたときよりも効果が見込めるでしょう。

ポップストアを出店するメリット

ポップアップストアを出店するとどういったメリットがあるのでしょうか。常設店との比較も加えご紹介します。

常設店舗を出店するよりもハードルが低い

ポップアップストアは短期間での出店のため、テナントにかかる費用が手ごろで済む傾向にあり、内装工事なども不要なため、費用やリスク面などの理由から出店のハードルが低い点が大きなメリットになります。ECサイトのみでの運営や常設展を持っていない店舗でも簡易的に店舗を出店することができます。

また短期間での出店のため、常設展のような長期契約によるリスクを減らすことができます。このように費用やリスク面から低いハードルで出店できる点がポップアップストアの魅力になります。

効果測定がしやすい

出店することによりデータを収集しやすい点もポップアップストアのメリットです。来客数や売り上げ、インターネットでの検索数の推移、SNSでの反響など、さまざまなデータを収集することができます。

販売前の新商品などはポップアップストアで先行販売をすることで、お客様の反応や効果を確認しながら販売を継続するか決めることができます。

ポップアップストアを出店するデメリット

メリットに対してデメリットもあります。場所を用意する経費や店内に設置する機材、人件費など出店するにあたりどうしても費用がかかります。常設店舗よりも費用面は手ごろで済ませられる傾向にあり、出店方法によっては売り上げの3~4割を出店料として徴収される場合があります。

ポップアップストアを出店するには商品の認知度の向上や新規顧客の獲得などを第一に考え目標を立てることが大切です。

ポップアップストアを出店する場所の例

ポップアップストアを出店する場所の例として商業内のスペース、レンタルスペース、店舗の一部スペースの3つをご紹介します。

ポップアップストアを出店する場所の例
  • 商業施設内のスペース
  • レンタルスペース
  • 店舗の一部スペース

商業施設内のスペース

商業施設にあるスペースでポップアップストアを出店することができます。

百貨店やモール、デパートなど購買意欲の高い顧客が多いため、商品のアピールやプロモーションの目的で出店をする際におすすめの場所です。また商業施設には人通りや客層が多いため幅広い顧客への販売をすることができます。

レンタルスペース

場所を貸し出しているレンタルスペースでの出店は手続きが比較的簡単にできる点が特徴です。内装なども手が加えやすく、ブランドや商品の世界観を演出することができます。

出店する場所によっては販売する商品とレンタルスペース周辺の客層が合わず、効果が見られないこともあります。レンタルスペースの位置をよく確認し出店をしましょう。

店舗の一部スペース

常設店舗の一部を借りてレンタルすることができます。レジ対応など人員や店内の装飾などコストが安く済むことが利点です。

一部スペースを借りての出店となるので販売スペースは狭くなってしまいますが、費用や手間などコスト面から見れば手軽に出店することができます。サイズが小さな商品や商品の数が少ない場合におすすめです。

ポップアップストアの出店にかかる費用の目安

費用はレンタルする場所によって大きく変わります。場所の環境やスペース、商品を販売するうえでどの場所が適しているか、予算なども考え適した場所に出店をしましょう。

路面の空き店舗で2~3日開催した場合、15〜20万程度の費用が目安になります。詳しい内訳は以下の表をご参考ください。

費用の種類 費用の相場
レンタルスペース一日 10,000~50,000円
チラシや​ショップカード印刷費用 3,000~10,000円
運賃​(荷物の​配送料)、​駐車場代など 10,000~20,000円
その他消耗品​(袋・テープなどの​消耗品) ​5,000~10,000円
レンタル什器​(2~3種類) 10,000~20,000円

まとめ

今回はポップアップストアについて特徴や出店した際の目的やメリット、費用などを解説しました。短期間で開催する期間限定のポップアップストアは商品やブランドの認知拡大など特徴を生かしさまざまな利点があります。

近年ではインターネットの普及により店舗を持たないECサイトのみでの運営も増えました。ポップアップストアも商品やブランド拡大のひとつとして注目してみてはいかがでしょうか。

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