消費者が魅力を感じるチラシを作成する方法のひとつに「アプリの利用」があります。
しかし、チラシデザインに対応したアプリはたくさんあるため、「どのアプリを選べばよいか分からない」「アプリごとの特長が分かりづらい」と思う人も多いのではないでしょうか?
チラシアプリによって、選べるデザインやテンプレートの種類、料金設定や印刷対応の有無などに違いがあるため、理想的なチラシを作るためにはアプリごとの特長を比較したうえで利用開始することが大切です。
そこで今回は、チラシ作成アプリの概要や選び方について説明するとともに、チラシアプリごとの特長を紹介します。
目次
チラシづくりの手順
集客や売上につながるチラシを作るには、チラシづくりの基本的な手順を理解しておかなければなりません。
チラシづくりの基本手順は「企画」→「準備」→「作成」→「印刷」の4ステップです。
「企画」では、どのようなターゲットに対してどのようなチラシを作るかを決めます。
たとえば、「シニア層に向けて高齢者向けマンションの新築情報を知らせる」「カラフルなデザインにしてほかのチラシよりも注目度を高める」といったことが考えられます。「クーポンを添付して飲食店への来店を促す」のような企画もよいでしょう。
「準備」の段階では、チラシに掲載する商品やサービスの選別、金額や説明文といった内容、レイアウトや画像などを選定します。
求人情報を掲載するチラシであれば、キャッチコピーや事業内容、募集職種や条件、募集期間や応募方法といった内容を決めます。飲食店のオープンを知らせるチラシであれば、店舗名や開店日、店舗の説明文やアクセス方法、サービス内容やクーポン情報、店内風景や料理の画像などを決めます。
「作成」の段階では、実際にチラシのデザインをしていきます。
作成方法には「Adobe Illustrator」のような専門的なソフトや「Microsoft Word」「Microsoft Power Point」などの一般的なソフトを活用する方法があります。しかし、最近はアプリで手軽にチラシを作成できるため、「難しいソフトウェアを使いこなせるか不安」という人でも簡単にチラシを作成することが可能です。なお、今回の記事では、後ほど具体的にチラシ作成ができるアプリの紹介や選び方をご紹介します。
最後の「印刷」の段階では、完成したデザインデータをプリントアウトします。
数枚程度であれば家庭用プリンターを使ってもよいですが、枚数が多かったり高い印刷品質を求めたりする場合は、オフィスプリンターでの印刷や印刷会社に発注を検討したほうがよいでしょう。
これらのチラシ作成の手順について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
チラシ作成アプリとは?
チラシ作成アプリとは、主にスマートフォンやパソコンでチラシを作成できるアプリやツールのことを指します。デバイスに直接インストールして使うものもあれば、WEB上で使えるツールもあります。
費用はさまざまですが、無料で利用できるサービスもあるので、「チラシ作成に割ける費用が限られている」「プロに依頼する前に自分でやってみたい」という人でもチラシ作りに挑戦しやすいでしょう。
また、チラシデザインのテンプレートが用意されているサービスが多いことも、チラシ作成アプリのメリットです。ゼロからデザインを考えるのは大変ですが、アプリによっては豊富なテンプレートが含まれているので、手間を抑えてチラシをつくれます。
たくさんのデザインから独自の組み合わせで作成すれば、他社とかぶりにくいオリジナリティあるチラシに仕上げられるでしょう。
魅力的なデザインが作れるチラシ作成アプリを紹介
チラシ作成アプリにはたくさんの種類があります。無料プランの有無や写真を入れられるかどうか、印刷に対応しているか、機能の差や初心者でも使いやすいものかなど、アプリごとの特長を把握したうえで目的にあったものを選びましょう。以下では、おすすめのチラシ作成アプリとそれぞれの特長を紹介します。
(2025年1月時点)
Canva
項目 | 詳細 |
利用料金 | 無料~ |
テンプレート | あり(100万以上) |
日本語対応 | あり |
印刷対応 | あり |
Canvaは、豊富なデザインテンプレートが用意されているチラシ作成アプリです。チラシはもちろんのこと、POPやポスター、メニュー表やアニメーションなど、ユーザーの目的に応じてさまざまな素材が利用できるため、オリジナリティのある魅力的なチラシをつくれるでしょう。サイズを指定してチラシのデザインを作成することもできます。
また、手間がかかりがちな「背景画像の切り取り」といった作業を1クリックでできます。無料版が用意されているので、個人利用やお試しで操作感を把握したい場合におすすめです。フォントや素材も豊富に用意されているので、初心者でも使いやすいアプリになっています。
Adobe Express
項目 | 詳細 |
利用料金 | 無料~ |
テンプレート | あり(10万以上) |
日本語対応 | あり |
印刷対応 | ダウンロードして印刷可能 |
「Adobe Express」は、PhotoshopやillustratorでおなじみのAdobe社が提供するチラシ作成アプリです。以前はiOS用のアプリでしたが、現在はアンドロイドでも利用できるようになっています。
このアプリの特長は、紙媒体のチラシ作成だけでなくWEB広告やSNS広告といったWEBチラシやアイキャッチ画像、動画広告の作成もできるところです。プロのデザイナーが用意した数千ものテンプレートから好みのデザインも選べるため、画像の差し替えやフォントの変更などをスマートフォン1つでおこなえます。スマホとパソコンを連動させることができるので隙間時間で少しずつデザインを編集したい場合におすすめです。また、Adobe社が運営している「Adobe Stock」のロイヤリティフリーの画像や素材を使用することができます。
POP KIT
項目 | 詳細 |
利用料金 | フリープラン(無料)、エンジョイプラン(月額500円)、プレミアムプラン(法人専用3,278円/1アカウント)の3種類。 |
テンプレート | あり(5千点以上) |
日本語対応 | あり |
印刷対応 | あり |
POP KITは、8万点を超える豊富な素材を使えるのが特長で、デザイン性の高いチラシをつくれるのが特長です。店舗のPOP作成をメインにしたアプリですが、チラシ作成にも活用できます。
また、日本製のアプリなので海外製のアプリに比べて日本人が使いやすくなっています。「うまく使いこなせるか不安」という人でも数ある素材の中から選び手軽にチラシをつくれるので、個人利用や初心者にもおすすめです。法人専用向けのプランもあるので本格的にデザインを作成したいプロの利用も可能です。Wi-Fiでプリンターと連動させれば、コードレスでチラシを印刷することもできます。
Pages
項目 | 詳細 |
利用料金 | 無料~ |
テンプレート | あり(90以上) |
日本語対応 | あり |
印刷対応 | なし(PDFにファイル変換可能) |
Pagesは、Apple社が提供するチラシ作成アプリです。iPhoneやMacのパソコンであればあらかじめインストールされていることが多いので、人によってはアプリストアを探す手間を抑えられます。
また、iCloudを利用すれば、クラウド上でほかのユーザーと一緒にチラシ製作を進められるのもメリットです。変更をトラッキングしたりチームのメンバーとスレッドで会話ができるため、わざわざオフィスに集まって担当者と作業を進めなくてもよいので、効率的にチラシをつくれます。
FotoJetポスターメーカー
項目 | 詳細 |
利用料金 | 無料~ |
テンプレート | あり |
日本語対応 | あり |
印刷対応 | あり |
FotoJetポスターメーカーは、会員登録やアプリのダウンロードなどをせずにWEB上で使えるチラシ作成サービスです。デザインを作るだけなら登録などの手続きが不要で、ボタン1つですぐに使い始められる素早さが魅力です。ポスターやチラシに特化したクオリティの高いテンプレートも多数用意されており、テンプレートを編集して簡単にチラシのデザインが作成できます。
デザイン作成後にデータの保存や印刷、共有を行うには登録が必要になりますが、まずは自分でデザインが作れるかを試してみたい方や、デザインのイメージをつかみたい方にとっては、「ひとまずすぐに使ってみる」ことができる点でおすすめです。
チラシ作成アプリを選ぶ際のポイント
先述したように、チラシ作成アプリにはたくさんの種類があります。チラシ作成アプリを選ぶ際は、次のポイントを意識することが大切です。
- デザインテンプレートが豊富なものを選ぶ
- 利用料金を確認する
- 操作方法が分かりやすいものを選ぶ
- 日本語に対応しているかどうかチェックする
- 印刷まで対応しているかを確認する
以下では、これらのポイントについて詳しく説明します。
デザインテンプレートが豊富なものを選ぶ
チラシは、店舗のコンセプトが伝わるとともに、注目してもらいやすいデザインにすることが大切です。そのため、チラシ作成アプリを選ぶときは豊富なテンプレートが用意されているアプリを選びましょう。
また、デザインテンプレートが豊富なアプリを選ぶと、スマートフォンやタブレットを使ってチラシを作成する際に細かい作業をする必要がなくなります。テンプレートに沿って説明文や画像を入力すればよいので、手間を抑えて魅力的なチラシをつくれます。
利用料金を確認する
チラシアプリを選ぶ際は、アプリごとの利用料金を確認することも大切です。
アプリによっては有料のものもありますが、無料で機能の充実したものもあるので、初めてチラシ作成アプリを利用するのであれば無料のものから試すとよいでしょう。
ただし、無料のチラシ作成アプリは、利用できる機能や選べるテンプレートが限られているものが多いので「より充実したテンプレートがほしい」「よりカスタマイズ性の優れたアプリを使いたい」と感じる場合は、有料のチラシ作成アプリを検討したほうがよいかもしれません。
有料のアプリを利用する際は、「無料トライアル期間」のように料金を支払わずに利用できるものを選ぶと、費用を抑えて選ぶべきアプリを決められます。
操作方法が分かりやすいものを選ぶ
高度な機能が設けられたチラシ作成アプリでは自由度の高いデザインができますが、その反面うまく利用できずに使い勝手が悪く感じる可能性があります。特に、チラシデザイン初心者やITツールの利用に慣れていない人は、操作方法が分かりやすいアプリを選ぶのがおすすめです。
しかし、アプリの使いやすさは実際に使用してみなければ分かりません。
「文字や画像を自由に配置できるか」「サイズやレイアウトの調整をスムーズにおこなえるか」といった観点で、無料のチラシ作成アプリを複数利用して、「使いやすい」と感じたものを選ぶと、スムーズに作業を進められます。
日本語に対応しているかどうかチェックする
チラシ作成アプリを提供しているのは、日本の企業だけではありません。
アプリによっては海外の製作者がつくったものもあるため、日本語に対応していないケースがあります。
英語など、アプリが対応している言語で使い続けられるのであれば問題ありませんが、「日本語でなければ使いづらい」という人も多いでしょう。アプリを使う際は、日本語に対応しているかどうかを確認することも大切です。
印刷まで対応しているかを確認する
チラシ作成アプリによっては、無料でデザインできても印刷するために費用が発生するものもあります。中には店舗が所有しているプリンターに対応していないものもあるため、アプリを利用する際は事前に印刷に対応しているかどうかを確認しましょう。
また、デザイン画面を送信することで、指定した品質と枚数のチラシを郵送してくれるアプリもあります。手間がかかりがちな印刷をアプリから発注できれば、チラシ作成にかかる作業負担を大幅に軽減できるでしょう。
チラシアプリを使う際の注意点とは?
ここまでは、おすすめのチラシ作成アプリを紹介しました。
チラシ作成アプリを選ぶ際は、料金設定や日本語対応、印刷対応を確認することが大切ですが、「パソコンとスマートフォンを連携させられるか」を把握する必要もあります。
たとえば、スマートフォンでしか利用できないチラシ作成アプリをインストールした場合、「画面が小さすぎて細かいデザインができない」と感じるかもしれません。
さきほど紹介した「Canva」のように、スマートフォンでの作成データをパソコンと連携できれば、細かいデザインやフォントの調整を大きな画面でおこなえます。
ほかにも、使用するテンプレートが商用利用可能であるかを確認しておくことも大切です。せっかく魅力的なチラシを作成したにも関わらず、商用利用が認められていなければ消費者に配布できなくなってしまいます。多くのチラシ作成アプリは商用利用が認められていますが、利用する際は念のために規約を確認しましょう。
まとめ
今回は、チラシ作成の手順やチラシ作成アプリの概要、アプリごとの特長や選ぶ際の注意点について説明しました。チラシ作成用のアプリやサービスとして紹介してきましたが、いずれもポスターやフライヤーなど利用できる用途は多岐にわたるので、幅広く使えるデザインのツールです。
ここで説明した内容を参考にして、目的にあったチラシ作成アプリを活用して、集客や売上アップにつながるチラシをつくりましょう。
なお、チラシのデザインを作成する時のコツや、チラシを1から作る時の考え方などについては以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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