企業が開発・販売する商品やサービスの魅力を顧客に伝える方法として「セミナー」があります。セミナーを開催すれば、顧客に直接、商品やサービスの概要を説明できるので、企業の意図が伝わるだけでなく購買意欲も高められます。
しかし、「セミナーを開催しても顧客がなかなか集まらない」「どうすればたくさんの顧客がセミナーに来てくれるのだろう」と思う人も多いのではないでしょうか。
今回は、セミナーの具体的な集客方法をはじめ、集客数を増やすコツやセミナー実施後の効果測定方法について詳しく説明します。
目次
オンラインでセミナー集客する方法5選
セミナーの集客方法はオンライン・オフラインともにたくさんあります。内容やターゲットにあわせて適切な手法を選ぶことで、より効果が期待できるでしょう。
ここではまず、オンラインでセミナー集客をする方法について5つを紹介します。
- 自社ホームページ・WEBサイト・オウンドメディア
- メルマガ
- SNS
- インターネット広告・WEB広告
- セミナーポータルサイト
自社ホームページ・WEBサイト・オウンドメディア
オンラインの集客方法としてまず挙げられるのが、自社のホームページ・WEBサイトでセミナーやイベント用のページを用意することです。ユーザーがたどり着くページという意味でLP(ランディングページ)などとも呼ばれます。
セミナーは、いかに情報を発信してターゲットユーザーにセミナーの開催を告知できるかが重要になります。自社のサイトであれば掲載内容や形式も自由にアレンジできるため、必要な情報をなるべく盛り込んだページを作りましょう。掲載する情報としては、セミナータイトルや開催日時、セミナーの内容、参加方法、対象者や参加条件、参加するメリットなどが挙げられます。参加するための応募フォームや問い合わせ先の設置もあわせて行いましょう。
セミナー紹介サイトなどに掲載料や手数料を払って掲載してもらう方法もありますが、自社サイトであればそのコストを抑えられるうえに自由度が高いため、使い勝手の良い集客方法といえます。
また、社内でオウンドメディアをすでに運営しているのであれば、掲載している記事の文章中に自然な形でセミナーを紹介し、セミナー紹介ページや応募フォームに誘導することも効果的です。
なお、自社のホームページやオウンドメディアを見てもらうためには、ユーザーが検索した際にちゃんと上位に表示されるように対策しておくことが大切です。このような検索対策のことを「SEO対策」と呼びます。ページを用意する際は、SEO対策を意識しましょう。
集客ができるホームページ作りについてコツやポイントを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
メルマガ
メルマガは、登録者・購読者に対して直接セミナー情報を発信できるのが特長です。基本的に事前に登録して購読する仕組みのメルマガの場合、ユーザーは既に顧客であったり、その企業や団体などに対して興味を持っている人である可能性が高いです。そのような見込みのあるユーザーにセミナーを告知するメール配信を行うことで、確度の高い集客が行える可能性があります。
リアルタイムでユーザーに通知できることや、配信までの準備が比較的短期間で済むことなどがメルマガの強みで、セミナーの企画から開催までの期間が短くても効率的に活用することができます。
また、「商品やサービスの案内→セミナーの概要説明→セミナー申し込み方法の説明」のように、何通かに分けて送付することで段階的に興味や関心を高められるのも、メルマガのよいところです。自然な流れでセミナー開催情報をアピールできるので、顧客の不快感や違和感を抑えて告知できます。
なお、メールは配信するだけでなくユーザーに開封して内容をしっかり見てもらうことが大切になるので、誰に対して何をアピールしたいのかがはっきりと分かるように、件名や本文も分かりやすくすることを心がけましょう。
メルマガの開封率をあげるタイトル作りのコツはこちらの記事で紹介しています。
また、メルマガはセミナー参加予定者に開催情報のリマインドを送ったり、開催終了後に参加者へアンケートを取ったりなど、告知以外にも活用できます。
SNS
インターネットやスマートフォンが普及した現代は、SNSを利用して情報発信や情報収集する人も多いため、ターゲット層によってはより広くセミナー情報をアピールできます。
「BtoB向けの商材のセミナーのため、ビジネス目的で利用する人も多いFacebookで宣伝しよう」「不特定多数の人に広く情報発信したいからX(旧Twitter)を使おう」といったように、SNSごとの特長を活かした情報発信をすれば、より多くのターゲットにセミナー情報が伝わります。
また、セミナー参加者がやっているSNSがあれば、感想や意見が投稿されている可能性があります。セミナー名などで検索して参加者の生の声を見つけることができれば、次の開催時の参考にしたり、公式アカウントを作ってそれらの投稿を拡散することで口コミを拡散したりといった活用もできます。SNSは投稿が多くの人の目に触れやすい仕組みがあるため、うまく利用できれば公式アカウントや参加者の投稿をきっかけにより多くのユーザーに認知を広げるきっかけにもなり得ます。
SNSごとの特徴や集客に活用するための運用のコツが知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
インターネット広告・WEB広告
インターネット広告は、検索エンジン上で特定のキーワードが入力されたときに広告を表示させる「検索連動型」や、ユーザーの年齢や性別、居住エリアといった属性にあわせて広告を表示させる「ディスプレイ広告」などがあります。
特定の属性を持つ顧客に対してダイレクトにセミナー情報をアピールできるため、参加する可能性が高い人のみに効率的に集客ができます。
不特定多数の人に広告宣伝するテレビCMや新聞広告といった媒体よりも費用対効果を高めやすいため、コストを抑えてターゲット層にアピールすることが可能です。また、現在はSNS広告やインフルエンサー広告なども広く活用されるようになっているため、セミナーのターゲット層にあわせてより効果が見込める広告手法を選びましょう。
以下の記事では、19種類の広告についてそれぞれの特徴や効果などをまとめています。
セミナーポータルサイト
セミナーポータルサイトは、セミナー情報が集約されたサイトです。「セミナーに参加したい」と前向きに考える顧客がアクセスするので、ほかの媒体でアピールするよりも集客効果を高めやすいのが特長です。
また、セミナーポータルサイトには、「ビジネス系のセミナーが充実している」「マネー系のセミナーが充実している」のように違いがあります。より多くのターゲット層に興味を持ってもらうには、サイトごとの特長を把握して適切な媒体にセミナー情報を掲載する必要があります。
オフラインでセミナー集客する方法5選
ここまでは、オンラインでセミナー集客をする方法について説明しました。
セミナーへの集客数を増やすには、オンラインだけでなくオフラインの集客方法を実践することも大切です。以下では、オフラインでセミナー集客する方法について詳しく説明します。
- DM(ダイレクトメール)
- チラシ
- テレアポ
- 口頭で知り合いに案内をする
- 近しいテーマのオフラインセミナーに参加する
DM(ダイレクトメール)
DMは、顧客のもとに郵送でセミナー情報を配布する方法です。オンラインの集客方法とは違い、封筒やハガキのデザインを工夫したり「引換券」のような特典を添付したりできるのが特長です。
また、必要に応じて手書きのメッセージやイラストを載せられるので、受け取った人に温かみのある印象を与えることもできます。SNSとは違って文字数や掲載内容に制限がないので、自由度の高いアピールができます。
DMを発送する際は、ターゲットの絞り込みを意識しましょう。「特定のページを閲覧した人」「セミナー関連の資料をダウンロードした人」など顧客の状況にあわせてターゲットを絞ることで、コスト削減や反響の増加につながります。
DMの作り方のコツについてはこちらの記事で紹介しています。
チラシ
セミナー開催情報が記載されたチラシを作成し、集客する方法もあります。具体的な配布方法として、新聞折込チラシで配布する方法や従業員が直接配布する方法、業者に委託して配布する方法などがあります。
チラシに目を通してもらうには、デザイン性の高さを重視してほかのチラシと差別化を図ることが大切です。「100名様限定の特別セミナー開催」のように、キャッチコピーを設定すると、より興味や関心を高められます。
チラシを作成する方法やコツについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
テレアポ
もし顧客の電話番号を知っているのであれば、顧客に直接電話をかける「テレアポ」もセミナー集客に活用できます。1件1件直接電話をするので手間はかかりますが、直接コミュニケーションを取りながらセミナーの案内ができます。なるべく成約につなげられるように、電話番号の情報を持っている顧客の中でも、セミナーのページや資料に興味を示している人や過去の展示会に来場したことがある人など、より確度の高いユーザーをリスト化しましょう。
また、突然電話をかけて「セミナーの案内をしたいと思います」と伝えると不快感を与えてしまうかもしれません。そのため、名目としては「顧客の近況を伺う」というスタンスで連絡し、話の流れでセミナー情報を伝えると不快感を与えにくくなるでしょう。
テレアポ営業における話し方や事前準備など、成功させるためのコツを知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
口頭で知り合いに案内をする
これまで伝えた方法は、成果が出るまでにある程度の時間や費用がかかるものでした。しかし、知り合いに会ったときに口頭でセミナーの案内をすれば、費用をかけずにセミナーの集客数を増やせる可能性があります。
ただし、知り合いといってもセミナーに興味を持つか、実際に参加してくれるかどうかは相手の属性や自分との関係性によっても変わるため、そのセミナーでターゲットとしているような客層の知り合いや企業の担当者などに案内するようにしましょう。
なお、口頭でセミナー情報をアピールするためには、「エレベータートーク」を準備しておくのがおすすめです。エレベータートークとは、アメリカのシリコンバレーで発祥した言葉で、「エレベーターに乗り合わせた間のような短時間で、自分の言いたいことを端的に伝える会話術」のことです。
立ち話の中で長々とセミナーについて話をすると不快に思われかねないので、エレベータートークで端的にセミナーの魅力を感じてもらえるようにしておきましょう。
近しいテーマのオフラインセミナーに参加する
テーマの近い他のセミナーに参加することも、自社のセミナーを集客する方法になり得ます。特にオフラインのセミナーであれば他の参加者と直接交流をする機会が作れるため、すでに近いテーマに興味を持っている参加者に直接自社のセミナーをアピールすることができます。
また、他のセミナー参加者は、その時点ですでに「セミナーに参加してみよう」という意思決定をしているため、今参加しているセミナー以外も調べたり応募したりといった行動を起こしやすい状態である可能性があります。よって、自分のセミナーの集客にもつなげやすい見込みユーザーになります。
ただし、あからさまな集客活動をすると、直接話をしている参加者や他の参加者、セミナーの主催者に嫌がられる場合があるので注意が必要です。先ほどの口頭で案内する手法を参考にして、短時間でセミナーの魅力を伝えると自然にアピールできます。
セミナーの集客数を増やすコツとは?
セミナー集客を行ううえでまず大事なのが、そのセミナーが「誰に」向けたものかをはっきりと提示することです。ターゲットの年齢や性別、業種、業界、地域などをなるべく正確に設定し、どのような参加者に向けて行うのかを明確にしましょう。告知を見た人が自分事であると気付けるようにすることが大切です。
また、そのセミナーによって何を得られるのか、参加するメリットは何かを伝えることも重要です。セミナーによって参加者の悩みや課題にどうアプローチできるのか、講師はどのような実績がある人物なのか、参加特典がもらえるのか、などなるべく具体的に参加したいと思えるようなアピールをしましょう。過去に何度か実施しているセミナーであれば、過去の参加者の声や成功事例などを見せることも、セミナーや講師への信頼を獲得する要素になります。
他にも、そのセミナーの限定性やニッチ性をアピールするのも効果的です。「先着名50名限定」「残席5名」など、今応募しなければ参加できないかもしれないと思わせるような見せ方を考えてみましょう。セミナーの内容自体をニッチな領域に設定して、他のセミナーでは聞けない話や得られない体験ができることをアピールして差別化を図る方法もあります。
セミナー実施後の効果測定で次回開催に活かす
よりセミナーの集客力を高めるには、セミナー実施後の効果測定も大切です。
以下では、セミナー実施後の効果測定方法について詳しく説明します。
- 目標の達成度を評価する
- 分析ツールを活用する
- 投資対効果を測定する
目標の達成度を評価する
セミナーを開催する前に目標を決めておくと、その達成度に応じて集客効果を評価できます。
目標の具体例として、「自社ブースへの来場者数を〇人にする」「セミナー中の受注件数を前年より〇%アップさせる」「アンケート回収率を〇%にする」などが挙げられます。
数値で評価できる目標を設定すれば、達成度を評価しやすくなるとともに改善策を立案しやすくなります。
分析ツールを活用する
来場者数の測定やアンケート回収といった方法は、手間がかかるだけでなく精度が低くなる場合がありますが、分析ツールを活用すれば、精度の高いデータを手軽に入手できます。
データを収集する際は、顧客の獲得から育成を自動化する「マーケティング・オートメーションツール(MAツール)」を活用するのもおすすめです。
ツールにもさまざまな種類がありますが、セミナー管理機能のついたMAツールを利用すれば、出席者のリスト自動作成や、どのような属性を持った層が参加率が高いのかを分析することが可能です。
また、SNSの分析ツールやGoogleアナリティクスのような無料分析ツールを利用すれば、インターネットで行ったSNS広告や検索連動型広告などの集客効果を、低コストで簡単に分析できます。
投資対効果を測定する
セミナーを開催するにはある程度の費用がかかりますが、それに見合った効果を得られているかを分析するには、「投資対効果」を測定することが大切です。
投資対効果は、次の計算式で求めます。
- 投資対効果=利益÷マーケティング投資額×100
利益には、セミナー経由で得られた収益から、開催にかかった費用、当日の人件費などを差し引いた金額が入ります。
投資対効果が高いほど、費用をかけてセミナーを開催するメリットが大きくなります。
この数値はほかのマーケティング施策を実施したときに比較できるので、企業に適した戦略を考えやすくなります。
まとめ
今回は、オンライン・オフラインのセミナー集客方法をはじめ、集客数を増やすコツやセミナー実施後の効果測定方法について説明しました。
業種やセミナーの内容、規模などによって適した集客方法が異なるので、複数の手法を試してそれぞれの効果を検証することが大切です。ここで説明した内容を参考にして、セミナーの集客力を高めましょう。
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