飲食店を経営するうえで「集客」に関する施策の実施は重要です。なぜならお客様を集められなければ、売上につながらないからです。
ただし、集客の方法はさまざまに存在するため、必要性を感じながらも取り組めていないという店舗も多いのではないでしょうか。
「何から取り組むべきか分からない」「集客はどこか専門的で難しそう」と感じる方も少なくありません。そこで今回は、飲食店向けの広告手法について一挙紹介します。
本記事を読むことで、自社が取り組むべき広告手法の選択に役立つでしょう。またあわせて集客に関する注意点もご紹介しますのでぜひご参考にしてみてください。
飲食店に適したオンライン広告手法とは?
昨今、インターネットやスマートフォンの普及により、オンラインでの広告に力をいれる飲食店が増えてきました。オンラインによる広告は、ターゲットを明確にし、効果的に訴求できれば大きな効果が期待できます。
それぞれの手法に関する費用感は次のとおりです。
- Instagram広告:クリック課金の場合、約40~100円
- Facebook広告:クリック課金の場合、約100円~200円
- グルメサイトへの掲載:約1~10万円
- Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス):対策業者へ依頼する場合、約1,000円〜2万円
※ただし基本的には無料で利用可能
上記でご紹介したオンライン広告の料金体系には、変動型と固定型の2つがあります。変動型の特徴は、1回のページ閲覧(クリックやタップ)ごとに料金が発生することです。広告のクリック単価や視聴単価が数十円からというものもあるため、広告費の予算に合わせて出稿することができます。また、ターゲットとなる顧客を絞って配信がしやすいというメリットもあります。
固定型の特徴は、月額で決まった料金を支払うことでアプリ内の検索結果において、優先的に表示されることやお店の訴求したいポイントが分かりやすく表示されるサービスが受けられることです。主にグルメサイトで用いられることが多い料金体系です。
拡散力が高いSNS広告
まずはSNSを用いた宣伝方法からみていきましょう。SNS広告は他の広告方法に比べて拡散力が高く、より多くの方に訴求できる方法の1つです。
ここでは「X広告(旧Twitter広告)」「Instagram広告」「Facebook広告」の3種類について解説します。
X広告(旧Twitter広告)
X広告(旧Twitter広告)の特徴は、情報の拡散力と即時性です。ユーザーのツイートや検索内容などから「カフェを探している人」や「スイーツが好きな人」といったニーズを予測し、ニーズに合わせた広告を配信可能です。
また、配信した広告に対して「いいね」や「リツイート」がされれば、それに反応するフォロワーにも自然と情報が広がります。「フォロー&RTで一品プレゼント」など、拡散されやすい企画と組み合わせることで、その効果をさらに高めることができるでしょう。
Instagram広告
X(旧Twitter)と比較すれば拡散力は劣るものの、Instagram広告は店舗情報を収集したい人には効果的な広告です。メインのユーザー層となる女性や若い層へのアプローチに有効といえます。
料理や店内の画像や動画をうまく活用することで、視覚的にインパクトを与えられるでしょう。
またInstagramの特徴に高いアクティブ率があります。アクティブ率とは、そのアプリをユーザーがどのくらい日常的に使用するのかを示すものです。
Facebook広告
Facebook広告の特徴はターゲットを詳細に設定できる点です。広告の目的に応じて、性別や年齢、地域などを限定できます。Facebook広告を選ぶ場合は、ターゲット層を明確にし、誰に向けての広告なのかを事前に決めることが効果を上げるポイントです。
また既存顧客とのコミュニケーションに強いという特徴もあり、来店回数やリピート率のアップに適した広告方法といえます。
ユーザーの利便性も高いグルメサイトへの掲載
飲食店を探す方法として「ぐるなび」や「ホットペッパー」といったグルメサイトを利用する方は多いです。このグルメサイトへ掲載することで、顧客を集めやすくなったり、現在でも効果の高い広告の1つといえます。
またユーザー目線でもグルメサイト上でお店の予約が取れたり、問い合わせができたりなど、その利便性の高さも大きな特徴です。サイトごとにクーポンを発行するなど、新規顧客の獲得を目指す際も積極的に活用したい広告手法といえます。
無料で活用できるGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)とは、Google検索やGoogleマップなどへの店舗情報の表示や管理を可能とする無料ツールです。Googleマップで「パン」「ラーメン」「タピオカ」といった内容を検索したユーザーに対して、直接的に訴求できます。
細かい業種を選択できるほか、メニューの写真、営業時間、混雑具合といったユーザーの知りたい情報も掲載可能です。
飲食店に適したオフライン広告とは?
飲食店に適したオフラインによる広告にもさまざまな方法があります。オフラインしかない良さや特徴もあり、目的に合う方法を選ぶ必要があります。それぞれの手法に関する費用感は次のとおりです。
- ポスティングチラシ:A4サイズ 光沢紙 両面印刷 2,000部の場合、約2.5円
- 折り込みチラシ:A4サイズ の場合、約3.3円〜5.6円
- 交通広告:つり革広告 東京モノレール 160個の場合、約100,000円(ただし掲載場所や路線によって料金は異なる)
- フリーペーパー:A5サイズ 8ページ 50冊の場合、約201円
- デジタルサイネージ:大阪モノレール 30秒の場合、約200,000円(ただし掲載場所や路線によって料金は異なる)
- 旗:幅600mm×高さ1,800mmの場合、約1,089円
- 看板:袖看板の場合、約200,000円
直接投函を行うポスティングチラシ
ポスティングチラシとは各家庭にポストに対してチラシなどを直接投函することです。配布する地域に限定する場合に有効な広告といえます。
広告予算に合わせて配布量や地域を選択し、チラシサイズやカラー、紙質などを細かく決める点も特徴です。
アナログな集客方法ですが、正しい方法で行えば十分に集客効果が得られます。工夫できるポイントも多くあり、店舗オープンやイベント実施などのタイミングでは取り入れたい広告方法の1つです。
細かく的を絞れる折り込みチラシ
折込チラシとは、毎日配達される新聞に折り込んだ形の広告です。折り込みチラシは目を通してもらえる確率が高く、地域や日付なども指定できるため、より的を絞ったアプローチができます。
特に店舗のオープンやイベント直前での利用が効果的です。またポスティングに比べると低予算で実施できる点も折り込みチラシの特徴といえるでしょう。
都市圏などに有効な交通広告
交通広告とは電車やバス、新幹線などの公共の交通機関に掲示される広告の総称です。特に公共交通機関の利用者が多い都市圏の飲食店に有効な方法といえます。
移動中に繰り返し目に入る交通広告は人々の記憶に残りやすく、話題にもなりやすいのが特徴です。ただし、広告の効果を測定しにくい点はデメリットとなる恐れがあります。
ターゲットを限定しやすいフリーペーパー
フリーペーパーとは地域や生活に関する情報を掲載する無料の広告物です。オンライン広告の影響を受けながらも、集客力はいまだ根強いものがあります。
多くの人の目にとまりやすく、ターゲットを限定しやすいのが特徴です。特に新規オープンの飲食店などは、短期間で効果が得られやすくメリットを得やすいでしょう。ただしフリーペーパーの種類は多く、媒体によって効果に差が出る点には注意が必要です。
聴覚にも訴えれるデジタルサイネージ
デジタルサイネージとは電子的な表示により情報を発信するメディアの総称です。広告と案内の組み合わせにより、各種案内と商品を同時にPRできます。
ポスターや看板とは異なり、視覚以外の聴覚にも訴えることができ、さらには表示内容の変更が容易である点もデジタルサイネージの特徴です。
通行人の目を引きやすい旗
旗は店舗の存在をお客様に知ってもらうのに有効な広告の1つです。飲食店へ入店するきっかけとして大きな効果をもたらします。また扱うメニューの旗を掲示することで、宣伝効果も同じく高めてくれるでしょう。
旗に入れるメッセージは、通行中でも目にとまるよう「ランチやっています」「テイクアウト」「居酒屋」「飲み放題」といったように、伝えたいメッセージを端的に表すのがおすすめです。
お店の顔である看板
看板はお店の顔そのものであり、お客さんが入店するかどうかを決める重要な要素です。存在感のある看板の設置は、顧客に対して店舗の存在をより強く知らせる効果があります。
集客率や新規顧客の獲得数にも大きな影響を与える看板は、目的と業態に合ったデザインとすることが重要です。
広告を打つ前に押さえておくべきポイント
ここまでオンラインやオフラインの広告方法について解説しました。ただし、やみくもに広告を打ってもその効果を十分に発揮できません。そこで、広告を打つ前に押さえておくべきポイントを3つ紹介します。
- なるべくコストを抑えたいなら口コミの力を活用する
- どのようなデザインにするかイメージしておくのも重要
- 効果の計測についても準備しておく
なるべくコストを抑えたいなら口コミの力を活用する
広告を打つ際はなるべくコストを抑え、口コミの力を活用することがポイントの1つです。口コミやレビューなど、顧客の生の声は信頼性が高く、コストもかかりません。
SNSやGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)などを活用し、口コミやレビューを投稿してもらうことで、より低予算での集客を可能とします。メニューやサービスなどを口コミとして投稿してもらえるようなキャンペーンやイベントの実施で、より効率的に口コミを獲得できるでしょう。
ただし、ポジティブな口コミばかりとは限らず、ネガティブな口コミには丁寧に反応し、サービスの改善へとつなげる必要があります。口コミの集め方は次のページで詳しく解説していますのでご確認ください。
どのようなデザインにするかイメージしておくのも重要
初めて広告を打つ場合、チラシなどのデザインを一から自作するのはおすすめしません。また、デザイン業者や印刷業者にデザインを依頼する場合にも、広告を打つ目的やターゲット、自店のアピールポイントなどをヒアリングされるため、あらかじめデザインをイメージする必要があります。成果につながるデザインの作り方は次のページが参考になるでしょう。
効果の計測についても準備しておく
広告の目的は「効果を得ること」です。費用をかけて広告を打つ場合は、特にその効果の計測が重要となります。
そのためにも、効果を測るための「手段」をあらかじめ決めておき、実施後の振り返りができる準備が必要です。広告にかけた費用に対し、どれくらいの来店数や予約数につながったかを把握しなければ、広告の継続やその後の分析に活かせません。
広告が売上や利益にどう活かされたかを正しく把握し、その後の広告内容は施策の改善へと反映させることが、費用対効果を高める重要なポイントです。
まとめ
ここまで飲食店に適したオンラインやオフラインの広告手法、広告を打つ前に押さえておくべきポイントなどについて解説しました。
ご紹介した広告手法以外にも、多くの手法が存在します。その中から自店が得たい成果や広告を出す目的に合った方法を選ばなければなりません。
そのためには広告の「効果測定」が重要です。費用やかけた時間などに対し、どれくらいの成果が表れたのかを正確に把握し、分析や検証へとつなげることでより効果の高い広告が出せるようになります。
今回ご紹介した内容を参考に、費用対効果の高い広告手法を選び、より多くのお客様へとアピールしていきましょう。