顧客が飲食店を訪れる要因として、「店舗の外観」は重要な要素の一つです。しかし、店舗のコンセプトによって外観の見せ方やデザインは異なります。

まだ飲食店を開業していない方にとっては、店舗の外観の見せ方が分からず、集客のイメージが湧きづらいのではないでしょうか。また、既に飲食店を経営している方であれば、店舗の外観を見直したい場合「具体的にどう改善すればいいのかわからない」という悩みがあるのではないでしょうか。

そこで今回は、飲食店における外観の重要性を説明したうえで、飲食店の外観を魅力的に改善するポイントを解説します。

飲食店における外観の重要性とは?

人の目に多く触れる飲食店の外観は、お店の顔であり広告塔の役割を担っています。外観はお客様がお店を訪れた際、最初に目につく場所のため、外観を工夫することで第一印象で「このお店は入りやすそう」や「どのような料理が出てくるかイメージしやすい」いった効果にも期待ができます。

また、お店を選ぶ際にグルメサイトやSNSで検索してから来店を決める場合も増えてきています。そのため、ネットで掲載されている画像では、雰囲気のいい綺麗な外観でも、実際は清掃が行き届いておらず、汚れが目立つ状態であると集客に悪影響を与える可能性があります。

そのため、店先を通る人だけでなく、グルメサイトやSNSを見ている人も「店舗の顧客」に変えるきっかけになるような、魅力的な外観デザインを目指しましょう。

集客効果の高い外観の特徴

「来店したい」と顧客に思わせる外観の特徴には、どのようなものがあるのでしょうか。集客効果の高い外観の特徴として、次の4つが挙げられます。

集客効果の高い外観の特徴
  • 外観デザインの視覚的なインパクトが強い
  • 外観のデザインを見て店舗のコンセプトが把握できる
  • 外からメニューや価格を把握できる
  • 外や入り口から店内の様子が見える

外観デザインの視覚的なインパクトが強い

外観デザインの視覚的なインパクトが強い店舗

どんなに内装にこだわり、美味しい料理を提供している店舗でも、外観の印象が薄ければ記憶に残らなかったり、そもそもお店の存在に気づきにくくなってしまいます。視覚的なインパクトが強い外観は、見る人の興味を引くだけでなく、記憶にも残りやすくなります。

外観に視覚的なインパクトを持たせるには、「アイキャッチ」となるアイテムを取り入れることがおすすめです。アイキャッチとは、「見る人の注意を引きつける」という意味です。例えば、メニューの名前や写真が入った看板や旗は、アイキャッチとしての役割を果たします。

外観のデザインを見て店舗のコンセプトが把握できる

外観のデザインを見て店舗のコンセプトが把握できる店舗

誰に、どのようなサービスを提供する店舗であるかを外観のデザインや外装に表すなど、お店のコンセプトを明確にすることで競合店との差別化にもつながります。コンセプトを決める際は、周辺店舗とコンセプトが被らないように注意することが必要です。

例えば、女性向けのカフェレストランの場合、コンセプトとして「清潔感」や「可愛らしさ」などが挙げられます。その場合、店舗の外観は白い壁にしたり、入り口に植物を飾るなど工夫することで「清潔感」がありつつ、「可愛らしい」カフェレストランを演出できます。

飲食店におけるコンセプトの考え方やアピール方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

飲食店におけるコンセプトとは?考え方やアピール方法も紹介

外からメニューや価格を把握できる

外からメニューや価格を把握できる店舗

メニューや価格は、来店を決める重要な要素です。そのため、外装デザインの看板に価格だけでなく、そのお店で提供している料理のジャンルや人気メニューを記載するなど、お店の前を通りかかった人が一目見て内容が理解できるように、伝えたい情報を簡潔に記載することを意識しましょう。

また、文字だけでなく、料理の画像を掲載したり、食品サンプルを置いたりすることで、入店前のお客様にどんな料理がどのくらいの量で提供されるのかを直感的に伝えられるため、集客アップの効果にも期待ができます。

外や入り口から店内の様子が見える

外や入り口から店内の様子が見える店舗

店内の様子が分かるように窓の設置や入り口をガラス張りにするなど、外装に工夫を加えることもおすすめです。なぜなら、初めて店舗を訪れる際でも、外から「1人でも入りやすそうな雰囲気」や「どんなスタッフが働いているか」を判断できれば、お客様も来店がしやすくなるからです。

また、内装デザインを暖かみのあるデザインにすることや清潔感を連想させる色と言われている白を基調としたデザインにするなど、お客様がお店を利用するイメージが湧くようなデザインを意識しましょう。

飲食店の外観を魅力的にする方法とは?

飲食店の外観を大幅に改修することが難しい場合、販促物を用いて店舗の魅力をアピールすることもできます。費用は数十万円ほどかかるものから、数千円ほどで直ぐに導入できるものまで様々なので、自分の店舗にあった販促物を取り入れ、外観を魅力的にしましょう。

外観を魅力的にする方法1:袖看板を設置する

袖看板とは「突き出し看板」の別名で、建物の支柱や外壁から道路側に突き出して設置した看板です。看板本体の費用は小型なものであれば3万円ほどで、大型のものになれば10万円以上など様々です。

通行人や車から見ても見つけやすく、目印としても効果を発揮します。ただし、路面からの高さや突き出す幅に規制があるため、設置する際は注意しましょう。

看板のレイアウトについては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

看板のレイアウトのコツ|おしゃれな看板デザインのポイントを紹介

外観を魅力的にする方法2:A型看板を設置する

A型看板とは、側面から見るとアルファベットのAのような形をしている看板です。脚立のように前後に脚を開き、ストッパーなどで脚を固定して設置するものが多いです。費用は種類によって様々ですが、価格帯はおよそ1万円~5万円ほどです。

表示面の両方を使用することで、通行人がどちらから歩いてきても内容を把握することができます。折りたたむことができるため、閉店時は畳んで収納することが可能です。

看板の種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

目立つ看板で飲食店をアピールするコツ|看板の種類ごとの特長も紹介

外観を魅力的にする方法3:デジタルサイネージを活用する

デジタルサイネージ(電子看板)とは、ディスプレイなどの映像を表示する装置と動画や画像などのデジタルコンテンツを用いた情報伝達媒体です。時間の経過で表示するコンテンツを切り替えることも可能なので、一つの画面でおすすめメニューや看板メニューなど複数のコンテンツを見せれることもメリットです。

しかし、ディスプレイの価格は屋内用であれば10~40万円、外で使用するものになれば50万~300万円と、機能の豊富さやサイズによって費用が大きく異なるため、導入を検討する際は注意しましょう。

外観を魅力的にする方法4:タペストリーや旗を作成する

タペストリーとは、生地にフックや紐を通して壁などに設置するディスプレイ装飾のひとつです。メニュー表や看板、壁の装飾として使用されます。タペストリーは、1,000円~3,000円程度で作成でき、A判やB判などさまざまなサイズから選ぶことが可能です。

また、店先に旗を設置することで通行人に商品名や金額、店舗サービスなどの周知を行うことが可能です。オリジナルデザインの旗は、1枚から購入することができ、費用は1枚1000円程度です。既にデザインが完成している既製デザインの旗も販売しているため、自分でデザインしない場合でも、簡単に手に入れることができます。

飲食店の外観を改善するポイント

飲食店の外観を改善するには、いくつかポイントがあります。ここでは、外観を改善する際に特に注意するポイントについてご紹介します。

飲食店の外観を改善するポイント
  • 通行人から見て分かりやすいかチェックする
  • 近隣の店の外観と比較し、独自性を出す
  • 店の外は毎日清掃をする
  • ドアや壁は親近感を与える素材を使う
  • 気軽に入れるようなメッセージを添える

通行人から見て分かりやすいかチェックする

どの方向から人が多く歩いてくるのか、時間帯や環境によって異なります。飲食店の外観を改善する際は、どの方角から人が歩いてくるのか、お店のどの位置に入店口があれば入りやすいかなど、店舗周辺の人の動きを確認しましょう。

近隣の店の外観と比較し、独自性を出す

時間やお金をかけて外観を整えても、周囲の競合店舗と類似していれば、目立たずせっかくの店舗が埋もれてしまいます。そのため、事前に競合店を確認して、コンセプトや想定している外装が似ていないか工事を行う前に把握しておき、場合によっては外観の変更も視野に入れましょう。

また、外観だけでなく、看板や旗などのアイテムを上手く用いて、店舗のオリジナリティを意識することが大切です。

店の外は毎日清掃をする

顧客が店舗を選ぶポイントとして、「清潔感」は大切な要素の一つです。店内だけでなく、出入口や周辺の清掃を定期的に行うよう心がけましょう。また、旗にほつれや汚れがないか、看板は色あせていないかなど、設置した販促物に劣化している箇所がないかもあわせて確認しましょう。

ドアや壁は親近感を与える素材を使う

店舗のコンセプトにもよりますが、暗く冷たい雰囲気より、温かみがあり、明るい雰囲気のお店のほうが入店してもらいやすいと言えます。

例えば、「家族でゆっくり食事を楽しみたい」というターゲットに向けた店舗なら、木材の外壁でぬくもりを出したり、黄色やオレンジなどの暖色系の色を使用することで、親近感や安心感を顧客に与えやすくなります。

気軽に入れるようなメッセージを添える

店頭に設置する旗や看板に「気軽にお入りください」というメッセージを添えることも一つの方法ですが、店舗の外観自体に「メッセージ性」を持たせると、入店しやすくなります。例えば、大きな窓があると店舗内の様子が確認できるだけでなく、開放的な印象を与えることができます。

まとめ

飲食店における外観の重要性や、飲食店の外観を魅力的に改善するポイントを解説しました。どんなに内装のデザインや提供する料理にこだわっても、お店に来店してもらわなければ本末転倒です。自分の店舗にどんな外観が合っているかを考えたうえで、外から見ても魅力的な店舗にしましょう。

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