カフェを開業し経営をしていく上で、「店舗のコンセプトを決めること」は一番初めに取り組んでおきたい重要なポイントです。しかし、「実際にどのようにしてコンセプトを決めればよいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カフェの経営を成功させる上で必要不可欠なコンセプト作りについて、考え方やコツをご紹介していきます。
目次
カフェにとってコンセプトが重要な理由
カフェにおいてコンセプトとは、ターゲットとする客層やお店が目指す方向性などの、店舗経営上の軸となる要素です。
コンセプトが明確であるほど具体的なアイデアも出しやすくなり、お店の内装やスタッフのユニフォームといった細かい要素を決める時や集客施策を考える時など、様々な場面で適切な選択肢を選べるようになるでしょう。また、そうして作り上げた店舗の雰囲気やイメージは、集客や売上、顧客からの評価にも大きく影響し、カフェの経営を成功させる肝となります。
では、実際にどのようにしてコンセプトを考えればよいのでしょうか。下記よりコンセプトを考える上での基本となる手法やコツをご紹介します。
カフェのコンセプトを考える具体的な手法
カフェのコンセプトを決める時は「5W2H」を意識すると考えやすくなります。「5W2H」とは、英単語の「Who」や「How」などの頭文字をとったもので、「なぜ・なにを・だれが・いつ・どこで・いくらで・どのように」という7つのテーマに沿ってコンセプトを考えていく手法です。
下記では、その1つ1つのテーマについて細かく見ていきましょう。
何のためにやるのか(Why)
まずは、カフェを通してどのような価値を提供したいのか、また、顧客にどのような動機でお店を利用してもらいたいのかなど、何のためにあるお店なのかを明確にしておきましょう。
「ちょっとした外食やデートに」「非日常的な気分を味わうため」などのように、一口にカフェといっても店舗によって様々な存在価値があるので、自分が目指したいカフェの在り方を探っていきましょう。
誰に提供するか(Who)
どのようなお客様をターゲットとするかは、店舗の雰囲気やメニューを決めていく上でも特に重要な要素となります。年齢や性別からライフスタイルまで、できるだけ細かく顧客像を絞り込んでおくのがよいでしょう。
特にカフェの場合、利用する顧客の目的次第では、他の飲食店やファストフード店、もしくはネットカフェなども競合になり得るので、自分の店舗でターゲットとする顧客がどのような人物でどのような生活を送っているのかを考えておくことで、より顧客満足度の高いサービスを提供することができるでしょう。
どのようなメニューを提供するか(What)
次に、メインとなるメニューや他のお店にはない独自のメニューなど、カフェで提供するメニューやサービスの方向性を決めていきましょう。これまでに考えた顧客や店舗のスタイルを意識すれば、より適切なアイデアを出すことができるでしょう。
例えば、高校生や大学生など若い人をターゲットにしているカフェであれば「食材の高級さよりも、手頃な価格で視覚的に楽しめる料理」などが考えられます。その他にも、ディナー営業をするのか、デザートと飲物だけを提供するのか、などといった点も考えておくとよいでしょう。
どこでカフェを経営するか(Where)
立地についてもコンセプトの一環として事前に考えておくべき重要なポイントです。ターゲットやお店の方向性がある程度決まっていれば、顧客のライフスタイルに合った地域や環境が明確になり、どのような場所でどのくらいの規模のカフェを経営するのか、イメージがしやすくなるでしょう。
店舗へのアクセスの便利さや、外観がお店だと分かりやすいかどうかといった点も大切ですが、必要に応じて看板や旗などを活用することも視野に入れておけば、より柔軟な条件で店舗にあった立地を探すことができます。
営業時間はどうするか(When)
営業日や営業時間は、ターゲットとなる顧客のニーズや出店するエリアを元に決めるのが良いでしょう。学生向けのカフェであれば平日の夕方や週末が集客の中心になると考えられますし、オフィス街であれば会社員の平日のランチ需要も期待できます。これまでに決めた様々なコンセプトを元に、適切な営業時間を考えていきましょう。
また、早朝や深夜など周辺のカフェが閉店している時間にも営業するなど、営業時間にも工夫をして差別化を図れば、幅広い顧客の獲得もできるかもしれません。
どのようにサービスを提供するか(How)
ここまでの5Wでカフェの方向性が決まったら、具体的にどのように料理を提供するのか、どのような接客やサービスを行うのかなど、お店のスタイルも具体的にしていきましょう。
カフェの場合、お店によっては会計を済ませてそのまま飲物を受け取り席につくパターンや、フロアにスタッフがいて席で注文するスタイルなど様々なので、顧客により快適に過ごしてもらえるように、満足感の高くなるような手段を探っていきましょう。
いくらで提供するか(How much)
最後に、メニューやサービスをどのくらいの価格で提供するのかを考えましょう。
原価がどれくらいかかるのか、家賃はどれくらいか、お店の規模からどの程度の集客が見込めるのか、などなるべく細かい数字を出していくことで、現実的な価格帯を把握することができるでしょう。
さらに、これまでに決めたターゲット顧客や周辺のカフェの相場を意識することで、どのくらいの価格帯にすれば顧客の獲得に成功するのかも分かりやすくなります。
魅力的なコンセプトを考えるコツ
顧客にとって魅力的なカフェを作るためには、コンセプトを決める段階でどれだけ具体的に顧客に提供する価値をイメージできるかどうかが大事です。
5W2Hに加えて、下記で説明するポイントも意識してカフェの方向性をより具体的にしていきましょう。
実際に顧客が利用する場面をイメージする
ターゲットとする顧客に、一度利用して以降も何度も来たいと思ってもらえるようなお店を作るためには、顧客が実際に店舗を利用する所をできるだけ具体的に想像し、お店のコンセプトがニーズとマッチしているかどうかを意識しましょう。
「WiFiやコンセント完備でゆっくり作業ができる」「半個室の席があるから打ち合わせで使いやすい」など、顧客が何にメリットを感じるのかを知っておくことが重要です。
他店との差別化を図る
「他のお店にはない」という要素は、顧客にとってお店を選ぶ大きな理由の1つになります。先述したような、早朝や深夜の営業を行う、半個室の空間を提供している、そのカフェ独自の写真映えするメニューがある、などといった独自性を持っていると、お店の魅力をさらに引き上げることができるでしょう。
周辺のカフェではやっていない差別化されたコンセプトを作り上げて、「このカフェには○○があるから行きたい」と顧客に思ってもらうことが大切です。
まとめ
カフェのコンセプトは、お店を始める際の準備段階だけで必要なものではなく、経営をしていく上でも様々な施策を判断する際の指針となります。
この記事を参考に、できるだけ細かく具体的に店舗のコンセプトを考えて、魅力的なお店作りを目指しましょう。
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