看板広告とは屋外広告の1種で、街中はもちろんのこと駅や路地などで見かけることが多いでしょう。利用される背景はさまざまですが、認知度を効率よく高められる点が特徴の1つです。当記事では看板広告の種類や活用するメリットなどを解説します。
目次
そもそも看板広告とは?
看板広告とはOOH(Out Of Home)とも呼ばれる屋外広告の一種です。長期間の掲載によって、看板広告があるエリアを行き交う不特定多数の人に繰り返し見てもらえるため、訴求力が高いことが特徴です。効果的に認知度を向上させられるため多くの企業が自社の商品・サービスを宣伝・アピールすることを目的として利用しています。
看板広告への掲載には初期費用などのコストがかかるものの、掲載期間を延長する際には広告枠の支払いのみで継続掲載できる場合が多いです。そのため、初期投資さえすれば広告効果を持続できる点も大きな魅力といえるでしょう。
看板広告の種類を知っておこう
看板広告にはさまざまな種類があり予算もピンキリです。それぞれの利用用途にあった適切なものを選ばなければなりません。ここでは、看板広告の種類やそれぞれの特徴、また掲載にかかるコストの目安について解説していきます。
屋上看板
屋上看板は、ビルなどの屋上に広告塔や広告板を利用して設置される看板広告です。看板が大きいため遠くからでも見やすく、企業やブランドイメージの認知、商品やサービス内容の紹介などに利用されることが多いです。
駅や高速道路沿いのビルなどに設置されるケースが多く、よく目立つため高い広告効果が期待できます。設置費用は約50万円~となっています。
壁面看板
壁面看板とは、ビルをはじめとした建物の壁面に貼り付けて設置する看板です。設置スペースがない場合でも壁を有効活用できることがメリットです。屋上看板の設置の場合には欠かせない支柱も壁面看板であれば不要なため、初期コストを抑えることもできます。
外照式と内照式の2タイプがあり、費用は外照式が約1万5,000円~、内照式が約10万円~となっています。
突き出し看板
突き出し看板は袖看板とも呼ばれる看板広告で、建物から突き出して設置するタイプの広告です。飲み屋街の看板といえばピンと来る人も多いでしょう。
ビルの高い部分に設置できるうえに、ビルに面した道を通行している人にも視認されやすく、高い集客力を誇ります。ただし表示には規制があり、設置前には規制にかからないかを確認しておかなければなりません。費用相場は20万円ほどです。
電柱広告
文字通り電柱に設置できる看板広告です。電柱広告には突き出したタイプと巻きつけて設置するタイプの2種類があります。電柱広告の対象は地元住民であることから、近隣エリアの企業やお店が道案内などに利用するケースが多いでしょう。
費用相場は1~2万円程度と設置コストが他の看板よりも安いです。地域によっては費用が1万円を切る場合もあり、事前に見積もりを取得して確認するとよいでしょう。
野立て看板(建植看板)
野立て看板は、歩行者や運転中のドライバーを対象にしており、路地などに設置される看板広告です。道のりを記載して店舗まで案内するなどとして利用されますが、競合との差別化を図りたい企業がPRの手段として活用するケースもあります。
形状や設置方法にもさまざまなタイプがあり、必要に応じて柔軟に対応できます。費用は1畳サイズのシンプルなデザインのもので8~15万円程度、2畳サイズのライト付きのもので20~35万円程度です。
駅看板
駅看板は駅構内や線路前など駅に掲示されている看板で、駅周辺の施設案内や商品告知など幅広く利用されています。長期的に掲載できるため、電車や駅を利用する人に効果的にPRできるでしょう。
費用は設置する駅や看板タイプによって大きく異なり、1番安いタイプで1,600円程度、高いタイプだと350万円ほどと幅広いです。予算や目的、ターゲットを明確にして適切なタイプを選ぶようにしましょう。
スタンド看板
スタンド看板とは、自立式で地面に置いて設置する看板です。建物や地面に固定せず必要な時だけ設置できるので、通行人に向けた店舗の看板として入り口付近によく設置されます。お店の名前やロゴを載せたシンプルなものから、商品やサービスを紹介しているものまで、デザインも幅広く存在します。飲食店であればメニューの一覧を載せているケースもよくあります。
スタンド看板は、種類やサイズ、材質も豊富で店舗のイメージや予算にあったものを選ぶことができます。ここで紹介しているほかの看板に比べても、安価で手に入りやすく導入しやすいことがメリットです。
看板広告を活用するメリット
看板広告を活用すれば「低いコストで広告を出せる」「効果的な宣伝が行える」などさまざまなメリットを得られるでしょう。ここでは看板広告を活用する代表的なメリットとして3つを紹介します。
不特定多数の顧客にアピールできる
前述のとおり、看板広告は街に看板を掲載することで企業やサービスの認知が行えます。
通行量が多い交差点などに設置できれば不特定多数の目に無条件で触れるため、非常に高い広告効果が期待できるでしょう。また長期掲載をすれば一種の景観として刷り込みも行えます。
エリアを限定して宣伝できる
看板広告は掲載をやめない限り移動することはありません。そのためエリアを絞って効果的な宣伝が行えます。
しかし、通行量が多いからという理由で闇雲に掲載しても大きな効果は期待できません。通行人の属性やエリアの特徴を把握した上で、自社のターゲットが多く集まるエリアに掲載するなどの戦略を練ることが大切です。
費用を抑えて広告を出せる
看板広告はコストパフォーマンスが高い広告媒体といわれています。テレビCMで宣伝する場合、その費用は数百万円単位かかる場合が多いです。しかし看板広告であれば大きく費用を抑えて宣伝することが可能です。
ターゲットや目的、予算にあわせて看板広告の種類を選べますし、掲載期間も自由に決められます。費用を抑えて効果的に宣伝したいという場合にはピッタリの広告媒体です。
看板を設置する流れ
看板広告を設置していく流れは次のとおりです。
- 企画立案
- 業者の選定や事前相談、見積もり
- 各種申請(工作物確認申請・道路占用許可申請・広告物許可申請)
- 申請の許可
- 看板の設置作業
- 設置の完了報告
企画立案では設置する目的やターゲットなどを明確にします。明確になったら看板のデザインや種類、設置場所などを考えていきましょう。
企画が固まった段階で自治体に事前相談を行い、設置する看板の規制や申請有無などを確認します。自治体以外にもテナントやビルのオーナー、近隣の企業や店舗などの許可が必要な場合もあるので注意してください。
必要な申請を行い許可が下りたら看板設置を行い、完了報告を行って終了です。以上が看板を設置する一連の流れとなります。
看板広告を出す際のデメリットや注意点
看板広告を出す場合、デザインをはじめ経年劣化や設置後の安全面など、さまざまな点を考慮しておかなければなりません。広告効果の低下や設置後のトラブルを回避するためにも、看板広告を出す際の注意点を理解しておきましょう。
情報を詰め込みすぎない
広告スペースが大きく取れる屋上看板ですが、遠くから視認することを考慮すると、思いのほか情報を記載できません。だからといって無理に情報を詰め込みすぎると伝えたい情報をダイレクトに伝えられなくなります。
デザインが煩雑になってしまわないように情報に優先度をつけ、1番伝えたい内容をシンプルに記載するようにしましょう。
劣化することを想定して作成する
看板広告は屋外に設置しているため、掲載期間が長いほど劣化します。そのため、いずれ劣化するということをあらかじめ想定して看板を作成しなければなりません。
例えば、清潔感を売りにしている広告であるにも関わらず、経年劣化によって塗料の薄まりやサビが目立ち、古びた看板になってしまうと説得力に欠け、よいイメージは与えられないでしょう。定期的に新しい看板へ入れ替えるなど、看板が劣化した際の対策についても意識しておきましょう。
法令に則って看板広告を出す
都市づくりの一環で、景観を損なわない条例や通行人の安全を確保するための法令など、看板広告の設置にはさまざまな決まり事があります。決められたルールを守れていないと、あらゆるトラブルの原因になってしまう可能性があります。そのため、法令に則って看板広告の作成・設置を行わなければなりません。関連する法令は次のとおりです。
- 屋外広告物許可申請
- 道路占用許可申請
- 広告物許可申請
- 色彩規制
- 景観条例など
設置後にトラブルにならないよう、事前相談の段階でしっかりと確認しておきましょう。
効果を計測する仕組みも作っておく
看板を設置した後は効果計測をするための仕組みも作成しておくと、看板の効果を可視化しやすいです。計測方法は次のようなものがあります。
- 看板経由で来店した人への割引・特典の注文数で測定
- QRコード経由でのWebサイトへのアクセス数で測定
- 屋外広告のみの専用電話番号を設けてその電話番号への問い合わせ件数で測定
- 割引券付きのチラシを設置してチラシ減少数で測定
自社にあった仕組みを利用して、効率的に計測していきましょう。
まとめ
看板広告は、ものによって設置費用が大きく異なるため、利用目的や対象ターゲット、予算にあわせて適切な種類や設置エリアを選ぶことが大切です。適したエリアや種類を選べば効率的に認知度を高められ、企業やサービスのアピールを効果的に行えます。
しかし、設置するにあたっては屋外広告物許可申請や道路占用許可申請などの法令に則って行わなければなりません。好き勝手に設置できない点には注意も必要です。
訴求力の高い看板広告を適切なルールのもとで活用し、より多くの集客へとつなげていきましょう。
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