メール配信システムとは、HPの運営サイドからメルマガ登録者に向けて継続的にメルマガを配信するためのシステムで、メルマガスタンドとも呼ばれています。
メルマガに設置したリンクからの流入(WEBサイトにアクセスされた数)や、メルマガ経由での商品購入など、CV(WEBサイトにおける最終的な成果)の獲得の他に、企業やサイト自体のファン作りにもポイントとなるマーケティング手法です。
ここでは、メルマガ配信システムを利用するメリットから、導入する際のポイント、メルマガ配信システムの種類について紹介します。
目次
メール配信システムを利用するメリット・デメリット
メール配信システムを利用することに伴い、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。ここでは、メール配信システムを利用するメリットとデメリットを解説します。
メール配信システムを利用するメリット
メール配信システムを利用するメリットとして、下記の3点が挙げられます。
- メール配信の時間短縮・効率化
- 配信リストを一元管理できる
- ABテストなどの効果測定ができる
メール配信システムを使用することで、基本的なメール作成はもちろん、短時間でのメールの大量配信が可能となり、配信の時間短縮や効率化がメリットとして挙げられます。また一度に何千通・何万通の大量のメールを送信する場合、メール配信システムを使用することで迷惑メールとほとんど判定されず、ユーザのもとへメールが届く到着率向上に期待が持てます。そして、セールの告知や重要度が高いお知らせも素早く配信することができます。
メールを配信した後には、ユーザーのメールへの反応を調べることが重要です。ユーザーの反応を判断する指標としてクリック数や開封率があり、メール配信システムを使用することで詳細なデータから分析を行うことができます。分析を行うことでユーザーの興味を持つ内容やキーワード、配信時間はいつくらいの時間がいいかなどの判断にも活用可能です。
メール配信システムを利用するデメリット
メール配信システムを利用することのメリットを紹介してきましたが、利用するデメリットも主に3つあります。
- 利用に費用が発生する
- 機能を使いこなす必要がある
- 誤配信に注意する必要がある
メール配信システムは基本的にサービス利用に料金が発生します。そのため、配信件数が少ない場合には数千・数万件のメールを同時送信できるというメリットを感じづらく、費用対効果を得られない可能性があります。そのため、配信を始めた最初のうちは料金が安価のサービスを検討するのもよいでしょう。
メール配信システムの機能面に関しても、最初のうちは最低限の配信サービスが利用できるプランを選択し、顧客のニーズをより深く分析したといった場合に、機能が多いプランを検討することで費用も最低限に抑えることができます。
また、メール配信システムを使用することで、同時に数千・数万の人にメールの送信ができるため、誤送信には充分注意する必要があります。一度に配信できる人数が多いからこそ、別の作業者でも送信前に内容の確認を行うなどをして誤送信には充分に注意するようにしましょう。
メール配信システムの主な機能
メール配信システムには主に下記のような機能があります。料金プランに応じて利用できる機能が異なるため、自社がメール配信システムを利用する目的に合わせてどの機能が必要か検討しましょう。
目的 | 機能 | 機能説明 |
メール配信先管理
|
セグメント配信 | ユーザーを絞って配信することができる |
配信エラーメールの管理 | 配信にエラーがあった場合に原因を解析することができる | |
メール配信機能
|
ステップメール配信 | 特定の行動をしたユーザーに対して、あらかじめ設定スケジュールに沿って自動配信される |
配信時刻設定機能 | 事前に設定した時間に配信することができる | |
送信ドメイン認証 | 正規のサーバーから送られたメールかどうかを識別することができる | |
メール作成機能
|
HTMLメールエディタ | ノウハウがなくても簡単にHTMLメールを作成することができる |
差し込み機能 | 顧客1人ひとりの会社名や氏名などの情報をメールに自動で差し込める | |
レスポンシブデザイン対応 | 閲覧するデバイスの画面サイズに依存しないでメールを見ることができる | |
効果測定
|
開封率測定 | 配信したメールがどのくらいの割合で開封されたかを測定する機能 |
クリック測定 | 配信したメールがどのくらいクリックされたかを測定する機能 | |
配信レポートの自動作成 | 配信結果を確認でき、今後の配信に役立てることができる |
適切なメール配信システムを選ぶポイント
適切なメール配信システムを選ぶには、どんなポイントを押さえればいいでしょうか。ここでは、大きく4つの項目に分けてポイントを紹介します。
- メルマガ配信の目的を明確にする
- セキュリティ対策が万全か確認する
- 複数のメール配信システムを比較する
- サポート体制が充実しているか確認する
メルマガ配信の目的を明確にする
目的が明確でない状態で配信システムを導入しても、システムやツールの費用感が自社に合わなかったり、効果を測定するために必要な機能がシステム上導入されていなかったりなどの問題が後々発生する場合があります。そのため、まずは自社が「なぜメルマガを配信するのか」という理由と目的を明確にすることが大切です。考えられる目的には、大量のユーザーにメールを配信したいため、同時に大量の顧客にメールを送信してもメールの到達率が下がらない、サーバーに強みを持っているサービスや、メール配信後の効果測定を詳細に行うためにメールの到着率や反応率などの数値を計測できるサービスなどが挙げられます。
また、初めてメール配信サービスを利用するため無料で始められることや使用できるサービスは少ないが比較的安価で配信できるなど、自社がメルマガを配信する目的に応じてさまざまなサービスから適したものを選ぶことが重要です。
目的を明確にした後は、「この機能は絶対に必要」「こんな機能があれば運用しやすそう」などの案出しを行うことで、自社が選ぶべき配信システムを絞り込むことができます。
セキュリティ対策が万全か確認する
メール配信システムを導入するにあたって、セキュリティ対策が万全であるかもサービスを選ぶうえで重要な要素の1つです。なぜなら、メルマガ配信を行うにあたって、顧客の名前やメールアドレス、企業名などの個人情報を預かっているためです。そのため、万が一の誤送信や人為的ミスによる個人情報の流出を防ぐためにも、送信時にSSL通信によって暗号化されるか、責任者の承認が必要など、個人情報が流出しないような機能や対策がされているという点でサービスを選ぶのもよいでしょう。
複数のメルマガ配信システムを比較する
メール配信システムの導入を決定する前に、候補となる何社かをピックアップしそれぞれの配信システムのメリットとデメリット、費用感を比較しましょう。具体的には、大量のメールを送信するにあたってメールの処理能力が高いかどうかや、配信後の効果測定が行いやすいか、費用感に関しては自社に必要な機能と料金において費用対効果が見込めるかなどが判断の基準として活用できるでしょう。
また、サイト上の情報だけでは判断しづらい場合、資料請求や実際に導入した企業の事例などを参考にしてなるべく多くの比較材料を集めてから決定することが大切です。
サポート体制が充実しているか確認する
配信システムを導入する際、機能面や費用だけでなく、サポート体制も確認しておきましょう。サポート体制があっても、電話での問い合わせに対応していなかったり、英語でのサポートしかない場合はトラブル解決までに時間がかかってしまったりする場合があります。何か困りごとがあった際にすぐ問い合わせができるサポート体制があるかもあらかじめ確認しましょう。
無料で利用できるメール配信システム
無料で利用できるメール配信システムにはどのようなものがあるでしょうか。ここでは、3つのメール配信システムについて紹介します。
まぐまぐ!
株式会社まぐまぐが運営する【まぐまぐ!】は、メールアドレスの代理登録費用を除けば無料で利用することができるメルマガ配信システムです。ステップメールやターゲットを絞って配信するセグメント配信などの機能はありませんが、「限られた予算の中で自社の情報を発信したい」という場合におすすめです。
また、有料プランに申し込むことでメルマガ内に自動広告挿入の停止やカテゴリやキーワードの検索結果の上位に優先して表示される機能もあるため、効率的にユーザー獲得できることに期待ができます。
参考:まぐまぐ! – 読みたいメルマガ、きっと見つかる。 (2024年6月時点)
mailchimp
【mailchimp】は登録しているメールアドレスが500件以内である且つ、配信数が1カ月で最大1,000件、1日あたり500件以内であれば無料で利用できるメルマガ配信システムです。マーケティングオートメーションに強みがあり、顧客の情報の一元管理が可能です。
また、ステップメールの配信機能やエディタを用いたHTMLメールの作成など便利な機能が揃っているため、少ない人員で効率よく業務を行いたい中小企業におすすめです。ただしサイトが英語表記のため慣れるまでに時間がかかる可能性もあるので注意しましょう。
参考:Marketing, Automation & Email Platform | Mailchimp (2024年6月時点)
acmailer
株式会社シーズが運営する【acmailer】は無料で使用することができるメール配信CGIです。CGIは「Common Gateway Interface」の略で、HP上でプログラムを動作させるための仕組みを意味します。自社で使用しているサーバーに直接設置するため、より自由度の高いメール配信を行うことができます。加えて、著作権表示義務を解除する場合は有料となってしまいますが、インストールとサーバーの設置と設定が完了すれば無料で使用できることやターゲット配信、予約配信ができるという強みもあります。
ただし、初期設定を自身で行う必要がある点には注意が必要です。
参考:acmailer│無料で使えるメール配信CGI「エーシーメーラー」CGI (2024年6月時点)
中小企業におすすめのメール配信システム
中小企業におすすめなメルマガ配信システムには、どのようなものがあるでしょうか。ここでは、4つの配信システムを紹介します。
める配くん
株式会社ディライトフルが運営する【める配くん】は無料・有料プランの2パターンから選択することができます。無料プランは登録できるアドレス数と月々に配信できる数に制限がありますが、使用できるメールの作成機能自体に限りがないことが魅力のメルマガ配信システムです。
参考:メール配信システム『める配くん』 (2024年6月時点)
ワイメール
株式会社イグレックスが運営する【ワイメール】は定額制の料金プランで、メルマガ登録者数や配信数に応じて別途課金が発生しないことが魅力のメルマガ配信システムです。IPアドレスを契約者専用のものを使用することができるため、迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう現象を減らすことにも期待が持てます。
また、システムの申し込みから導入するまで、最短で申し込みした当日から利用できるため、「なるべく早く導入を開始したい」という企業にもおすすめです。加えてクリック率や開封率・到達率の測定もできるため、配信後の効果測定に役立てられます。
参考:メール配信システム導入はワイメール | メール配信数無制限!無料お試しあり (2024年6月時点)
Benchmark Email
株式会社ベンチマークジャパンが運営する【Benchmark Email】は、HTMLエディタ内に画像をカスタマイズできる機能があるため、専用の有料デザインソフトを持っていなくても、画像のリサイズや明るさを調節することができます。デザインテンプレートも500種類以上と多く用意されているので、「よりデザインにこだわったコンテンツを作成したい」という場合におすすめです。
【Benchmark Email】は米国発のメール配信システムですが、各国ごとに現地スタッフが配置されており、カスタマーサービスを受けることが可能です。
参考:HTMLメール配信システム Benchmark Email (ベンチマークイーメール) (2024年6月時点)
ベアメール
株式会社リンクが提供する【ベアメール】は、利用者のシステムやメールサーバーから送信されたメールをベアメールが中継サーバーとして配信を行います。そのため、大量にメールを配信する場合でも迷惑メールと判断されずに送信できる可能性が高く、メールの到達率の高さに強みを持つメール配信システムです。
配信結果は管理画面からすぐに確認可能なため、「メールが届かない」と顧客から問い合わせがあった場合にもエラーが起きていないか、原因は何かを判断することができ、迅速に対応を行えます。
参考:ベアメール | メールを確実に届けることを支援するサービス (2024年6月時点)
大企業におすすめのメール配信システム
大企業の場合、一度に何千、何万のユーザーに向けて配信する場合が多いためより豊富な機能や効果測定機能が必要になってくるでしょう。ここでは、大企業におすすめのメルマガ配信システムを5つ紹介します。
配配メール
株式会社ラクスが運営する【配配メール】は、HTMLの知識がなくてもテンプレートを用いてHTMLメールを作成することができます。加えて、セグメント配信やステップメール、ABテストなどの充実した機能が使えることが特徴のメール配信システムです。
また、配配メールには最上位プランに【配配メール Bridge】があります。配配メール Bridgeはメールマーケティングに特化しており、メール配信に必要な機能だけでなく、「来訪通知」というメール配信をきっかけに指定したページに来訪した時に通知すること機能もあります。検討度合いが高まった顧客に適したタイミングでアプローチすることができるため、メールマーケティングを行いたい場合にはおすすめの機能です。そして、定期的に無料のメールマーケティングセミナーが開催されているので、初めてメールマーケティングを行う方へのサポートも充実しています。
参考:【公式】配配メール – メルマガ配信・一斉メール配信サービス (2024年6月時点)
WillMail
株式会社サパナが運営する【WiLL Mail】はマウス操作で感覚的にHTMLメールを作成できるほか、配信数に応じて料金形態を毎月選択することができます。月々のメルマガ配信費用のコストを抑えたい場合におすすめです。
参考:メール配信システムはクラウドアワード連続受賞のWiLLMail (2024年6月時点)
blastmail
株式会社ラクスライトクラウドが運営する【blastmail】は初期費用が別途発生しますが、配信数が多い企業でも比較的低コストで利用できる配信システムです。また、サポート体制がメール・電話のどちらにも対応しているため、困ったことがあった際には、すぐに問い合わせができる環境が整っていることもあり、「13年連続顧客導入数シェアNo.1」につながっています。
参考:【公式】ブラストメール|契約社数No.1のメール配信システム (2024年6月時点)
Cuenote FC
ユミルリンク株式会社が運営する【Cuenote FC】は独自開発された配信エンジンからメールの配信が行われるため、高速かつ高い到達率でメールを届けることができます。メール作成はドラッグ&ドロップの直感的な操作でメール作成初心者の方でも簡単に使用できる操作性です。
開封率やクリック測定、A/Bテストなど、配信後の効果測定や改善に活用できる機能も備えてます。
参考:メール配信システム・メルマガ配信サービスなら高速・多機能のCuenote FC (キューノートエフシー) (2024年6月時点)
WEBCAS e-mail
株式会社WOW WORLDが運営している【WEBCAS e-mail】は毎時1,000万通以上のメールを高速配信することが可能で大手企業や官公庁を中心に導入されています。顧客の1人ひとりのニーズに合わせた「One to Oneメール配信」や「レコメンドメール配信」、「フォローアップメール配信」も可能です。また、1か月からのスポット利用が可能であることや、低コストのクラウド版から自社環境に導入できるオンプレミス版まで幅広い企業の目的に応じて、プランが選べることも強みの1つです。
参考:メール配信システムWEBCAS e-mail | 大手企業・官公庁にも多数導入 (2024年6月時点)
まとめ
この記事では、メルマガ配信システムを利用するメリットから、具体的にどのようなメルマガ配信システムがあるのかを紹介しました。プランの料金に応じて使用できる機能が異なる点やサービスによって送信速度に強みがあるもの、メールの到達率が高いものなど、さまざまな特徴があるため、自社のメルマガ運用の目的を明確化したうえで適したメルマガ配信システムを導入しましょう。
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