生花を販売する花屋には毎日同じ商品が揃っている訳ではなく、季節やイベントごとに売り出す商品も異なります。そのため保存期間が長いことが特徴の紙媒体では広告展開しにくく、一方で、実店舗での対面販売が主体の花屋ではWeb広告の活用の仕方もわからないという店舗も多いのではないでしょうか。
実は花屋の集客には、毎日情報を更新できるWeb広告がおすすめであり、ふさわしい方法がたくさんあります。今回は、花屋の広告展開に効果を発揮するWeb広告の活用方法を詳しく解説します。
目次
花屋の集客にはWeb広告が相性がいい
花屋の集客にWeb広告が向いているという理由として、対面販売や紙面広告上では実現できない、Web広告ならではの柔軟な情報活用が挙げられます。具体的にどのようなことが相性がいいとされるのか説明していきます。
ターゲットにあわせた情報発信が可能
日常的に利用されるLINEやFacebookなどのSNSには、Web広告の「ターゲティング機能」というものがあります。ターゲティング機能とは、SNSのユーザーアカウントの中に含まれる居住地域や年齢、性別などといった情報をもとに、ターゲットを限定して広告配信ができるという機能です。
さらにユーザーの趣味や関心、行動などにあわせてターゲット設定することができるので、花屋に関心のありそうなユーザーだけに向けた情報発信など、費用対効果が高い広告展開が可能です。
顧客リストを活用できる
購入時にスタンプを押す紙製のスタンプカードは、氏名や住所の記入は任意という店舗もあります。また、せっかく顧客情報を持っていても手書きのノートなどで管理を行っているとすれば、情報の更新などに手間がかかるものです。
一方、Web広告を活用しながら生花の販売もWeb上で行っている店舗の場合、注文用のフォームに入力された顧客情報をそのままデータとして保管することができます。
さらにその顧客情報を用いてメルマガ配信やポスティングのエリア設定にも活用できるため、幅広い広告展開が可能です。情報更新などの管理もスムーズで時間の短縮にもつながるため、Web上を通じて顧客情報を得ることは非常に有効な活用法と言えるでしょう。
自店のWebサイトがあればコンテンツが資産になる
Web広告の展開だけに力を入れるのではなく、自店のWebサイトを運営し続けることも自店の資産を築くという観点では大きな意味があります。
広告の出稿では掲載期間が限られているので、そのまま残るということはありません。しかし、自店のWebサイトを持ち、ブログやコラム記事を掲載し続けるのであれば、Webサイトが残っている限りそれらのコンテンツはWeb上に残り続けます。コツコツと情報発信した積み重ねがそのまま自店の資産となるのです。
さらに、SNSやWebサービスから発信するだけではなく、独自ドメインを取得したWebサイトを長く運営することで評価が高まる上に、Webサイトそのものが店舗が所有する資産となります。自店のWebサイトの運営は、SNSやWeb広告にはない大きなメリットと言えるでしょう。
花屋の広告を作成する際のポイント
- ターゲットを絞る
- 自店のこだわりや強みを明確にする
花屋で広告を作成する際には、ターゲットを絞り、自店のこだわりや他店に負けない強みを明確にして顧客にアピールすることが大切です。具体的にどのようなことを指しているのか説明していきます。
ターゲットを絞る
ターゲットを絞ると聞くと、ターゲットの人数が減って非効率ではないかという印象もあります。ところが、ターゲットを絞ったほうが、発信側である店舗は情報を伝えやすくなり、受信側の顧客もニーズにあった情報を受けられるというメリットがあるのです。
例えば、年齢や性別などでターゲットを絞って商品設定をすれば、特定の種類の商品だけを充実させることが可能になります。そして特定の種類の商品に絞るということは、焦点を定めて情報提供することができるので、顧客側も「詳しい情報を発信しているお店だ」という印象を持つでしょう。
このように、ターゲットを絞ることで、顧客のニーズに適した情報をアピールすることができるのです。
自店のこだわりや強みを明確にする
花屋は他の業種と比較して、自店の掲げる理想やセンスを店内や商品展開に反映させやすいという特性があります。しかし、Web上という広い市場においては競合となる店舗が多く、顧客の心をつかむことは一朝一夕でできるものではありません。
ターゲットとした顧客から自店を選んでもらうには、「ここだけは他店に負けない」というこだわりや強みを明確に言語化してアピールすることが必要です。
競合店や市場でも勝機のある、自店だけの強みは何かを徹底的に考えて、顧客が「このお店なら自分の希望を叶えてくれるはずだ」と強く印象に残るような強みを言語化してみましょう。言語化した言葉は広告のキャッチコピーとしても反映できるなど、お店の売りとして幅広く活用できます。
花屋の集客や情報発信に使えるSNS・プラットフォーム
花屋が集客のためにWeb広告を使うには、どのような手段があるのでしょうか。花屋の集客や情報発信に有効なSNSをはじめとするプラットフォーム(Webサービス)を紹介します。
2019年3月時点の日本国内のアクティブアカウント数が3300万を突破したことを発表したInstagramは、年齢や性別問わず幅広く活用される代表的なSNSの一つです。最近では動画の投稿も可能になり、Instagramはビジュアルセンスを存分に発揮できるSNSといえます。
Instagramは1つの投稿につき10枚まで掲載することが可能です。季節やイベントにあわせたイチオシの花の紹介やフラワーアレンジメントの特集など、流行語にもなった「映える」画像とともにお店のセンスを自由自在にアピールしてみるとよいでしょう。
参考:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破(2021年7月時点での掲載内容を参照)
YouTube
2020年9月の日本における月間利用者数が6,500万人を超えたというYouTubeも、集客や情報発信に適したプラットフォームです。
実際に花屋が発信しているYouTube動画もさまざまあり、花の紹介以外にも、植物の育て方などの実用的な情報や自店の宣伝として発信しているYouTube動画も多く見られます。
オンラインショップや公式サイトなどのURLを掲載して誘導することも可能で、コメント欄にはユーザーが要望や感想などを記載できるので、掲載した動画に関する反響をダイレクトに知ることができます。
参考:月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態──テレビでの利用も 2 倍に
(2021年7月時点での掲載内容を参照)
個人だけでなく、さまざまな企業や団体が活用するコミュニティ型のWebサイトの代表格といえるのがFacebookです。実名登録制という点がFacebookの大きな特徴の一つで、年齢や性別、居住地域や勤務先など細かなプロフィールが登録されているので、ターゲットの精度を高く設定できます。
さらにFacebookページと呼ばれる、企業や団体のビジネス用のアカウントでは、集客や販促を行える仕組みもあります。Facebookページがあれば、新たに自社のWebサイトを持つ必要がなく、Facebook広告の併用で細かく設定したターゲットに対して、コストをあまりかけずに情報発信することが可能です。
X(旧Twitter)
世界中で話題となっているあらゆる情報をリアルタイムに知ることができるX(旧Twitter)も、自店の情報発信ツールとして大いに活用できるSNSの一つです。
実名登録制のFacebookとは異なり、匿名性の高いのがX(旧Twitter)の特徴ですが、X広告(旧Twitter広告)と呼ばれる広告サービスでは、ユーザーの興味・関心や、検索キーワードなどをもとにしたターゲット設定ができます。
また、リツイートでの二次拡散として情報が広まれば、二次拡散以上はX広告(旧Twitter広告)の課金対象にはならないという特性があるため、費用を抑えた広告展開も可能です。
LINE公式アカウント
2021年3月時点で月間8,800万人が利用するとされるLINEを活用してのWeb集客も可能です。毎日LINEを使うユーザーの割合は86%とされており、情報を素早く幅広い層へ届けたい場合には非常に有効な手段といえます。
ユーザーの年齢層や性別でのターゲット設定ができ、自店の最新情報をメッセージで伝える以外にも、LINEチャットで顧客からの問い合わせに応じることも可能です。ポイントカードやクーポンを発行できるため、顧客分析や反響調査などさまざまな活用法が揃っています。
参考:LINE広告とは(2021年7月時点での掲載内容を参照)
ホームページ
自店独自のホームページを持つということは、ホームページそのものが一つの売り場となり、信用度も高まります。さらに実店舗を持たずにホームページのみでの運営を考える場合には、実店舗で必要な什器や人件費も必要ないので、初期費用をだいぶ低く抑えることが可能です。
ホームページを作成する際は、花屋のホームページだとひと目でわかるような華やかなデザインを心がけ、自店のコンセプトや、競合に負けない自店の強み、花に寄り添う想いなどを具体的な文章で伝えていくことがポイントとなります。
花を贈りものとして購入するユーザーも多いため、ネットショップを併設する際にはどのようなデザインの花をどのような値段で選べるのか、自店で購入することでどのようなメリットがあるのかをアピールするとよいでしょう。
まとめ
今回は、花屋の集客に効果的なWeb広告の活用法を紹介しました。生花を販売する花屋だからこそ、リアルタイムで情報発信できるWeb広告は販促手段として効果的です。
また、ネットショップを持っていなくても、自店の強みや花への想いをSNSでアピールしたり、その日入荷したおすすめの花をきれいな画像とともに知らせたりするだけでも、自店の情報発信としては充分といえます。
最初から盛大な情報発信を始めるのではなく、少しずつ検討を重ねながら、予算内で長く続けられるような自店にあったWeb広告手段を探してみてはいかがでしょうか。
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