買取業者は「集客」によって、いかに多くのお客様に来店していただくかがカギです。どんなに買取査定の知識や経験があったとしても、集客できなければ、安定した経営は望めません。
そこで本記事では、買取業者が集客できる広告を出すために、媒体ごとの種類や作成時のポイントについて紹介します。また、あわせて広告を作成する際の注意点を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
買取業者の広告の種類
- 紙媒体を使用したオフライン広告
- Web媒体を使用したオンライン広告
- その他の広告
買取業者が取り組める広告には、多くの種類が存在します。ただし、いずれも特徴や注意点があり、それらを正しく理解せずに行っても、結果には結びつきにくいでしょう。ここでは、オフラインとオンラインを分けて、各媒体ごとの広告種類について詳しく解説します。
紙媒体を使用したオフライン広告
現代はインターネットによる集客がメインになってきています。しかし、いまだに紙媒体の広告の集客率も衰えません。新聞の折り込みチラシや街頭配布、ポスティングなど、オフラインでの集客方法について、みていきましょう。
折込チラシ
折込チラシとは、新聞に折り込む形式の紙を媒体とした広告を指します。配布地域や日付、世帯などを細かく指定でき、ターゲットに対して直接アプローチできる点が折り込みチラシの特徴です。
買取額アップのイベント開催前や店舗の新規オープンの際に、折込チラシは効果的な集客を期待できます。また直接ポストに投函する形式のポスティングに比べ、低コストで実施できる点も折込チラシが選ばれる理由の1つです。
ただし、新聞を取っていない人が多い若年層には、ポスティングのほうが有効であるなど、ターゲットによる使い分けが重要となるでしょう。
タウン情報誌やフリーペーパー
コンビニや駅などで配布されているタウン情報誌やフリーペーパーも、買取業者の集客方法として有効です。フリーペーパーとは無料配布される冊子や新聞など、紙を媒体としたメディアの総称です。エリアは限定的ながらも、多くの人に情報を届けられる点がフリーペーパーの特徴といえます。
店舗のオープン時や買取強化月間など、短い期間で早く効果を得たい場合におすすめです。ただし、媒体ごとに特徴があり、さらには効果の差が大きいことから、媒体選びは慎重に進めましょう。
いずれも広告掲載料は必要になるものの、大量のチラシを発注しないで済みます。配布エリアや配布部数などを事前に確認し、その効果を引き出しましょう。
Web媒体を使用したオンライン広告
インターネットやスマホが普及した昨今、買取業者の集客において欠かせないのがWeb媒体を使用した「オンライン広告」です。紙媒体に比べて安価に出稿できるケースが多く、その手軽さも特徴といえます。ここでは、買取業者でよく利用されるオンライン広告の種類についてみていきましょう。
ブログ
ブログは買取業者が効果的に集客するためのツールの1つといえます。ブログとは、日記のような「記事」を、誰でも簡単に書けるようにしたサービスであり、ホームページよりも安価かつ気軽に取り組める点が特徴です。
「お店が得意とする買取アイテム」や「買取価格をアップさせるコツ」などを記事にして、ブログ内で発信します。ブログは継続的な更新が重要であり、上手く活用できれば「買取価格+地域」「買取業者+地域」といったキーワードでユーザーが検索した際に、上位に表示させることも可能です。
ただし、ブログで検索上位を狙うには、SEO対策が必要となります。SEO対策とは、特定のキーワードで検索した結果、自社サイトを上位に表示させるための対策です。
このSEO対策には時間と労力が必要なので、まずは買取に関するニーズのありそうな記事によって、ブログ内容の充実を図ることから始めましょう。
Facebook広告
Facebook広告とは、Facebook内で表示される広告のことで、その特徴はターゲットを詳細に設定できる点です。広告を出す目的に応じて、性別や年齢、地域などを指定できます。
Facebook広告には「インプレッション課金(CPM配信)」と「クリック課金(CPC配信)」の2種類があり、それぞれ広告費用は自由に設定可能です。
インプレッション課金(CPM配信)は、広告が「1,000回」表示されるごとに費用が生じます。たとえば1,000回の表示を500円で設定し、10,000回広告が表示されれば「500円×10,000回=50,000円」が必要です。
一方、クリック課金(CPC配信)は、広告がクリックされて、始めて費用が生じます。たとえば、1クリック50円で1,000回クリックされれば「50円×1,000回=50,000円」が必要ということです。クリック単価は入札形式で決まり、競合よりも入札金額が高いほど、広告表示の回数が多くなります。
Facebook広告は既存顧客とのコミュニケーションに強いという特徴もあり、来店回数やリピート率のアップを目指す場合に適した広告方法といえます。
X広告(旧Twitter広告)
X広告(旧Twitter広告)の特徴は、情報の「拡散力」と「即時性」にあります。ユーザーのツイートや検索内容などから「靴を高く売りたい」や「指輪を今日売りたい」といったニーズに合わせた広告配信が可能です。
X広告(旧Twitter広告)メニューは「プロモツイート」「プロモアカウント」「プロモトレンド」の3つで、Facebook広告同様に、自身で金額を自由に設定できます。”費用目安としてはプロモツイートで1件あたり「40~80円」、プロモアカウントはフォロワー獲得ごとに「40~100円」、プロモトレンドは1日あたり数百万円程度と認識しておきましょう。
また、配信した広告に対して「いいね」や「リツイート」がされれば、それに反応するフォロワーによって自然と情報が拡散されます。「フォロー&RTで買取価格10%アップ」とった企画との組み合わせで、さらに拡散力を高めることも可能です。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は企業や店舗の住所や営業時間、電話番号、写真などをGoogle検索やGoogleマップ上に表示できるツールのことです。利用コストも不要であり、店舗ビジネスで運営する買取業者は、ぜひ取り入れておきたい集客ツールといえます。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の利用で、Google検索やGoogleマップのユーザーに対して、自店舗の存在を知らせることができます。初めて買取店を利用するお客様の多くは、インターネットで自宅周辺の買取店を探す傾向にあり、集客力のアップを目指せるでしょう。
また、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の本格的な対策や、継続的な更新や管理によって、他社との差別化も図れます。
ホームぺージ
ホームページは、ブランディングしやすいのが特徴です。ブランディングとは、企業や商品、サービスに対する認知度を高め、良い印象を抱いてもらうための取り組みを指します。
買取業者をインターネットで探している場合、ホームページがあるお店とないお店では信頼感に差が生まれ、その結果として売上にも影響します。買取業者の場合、得意とする買取アイテムや過去の買取履歴、買取できるアイテムの種類などをホームページに記載することで、新規顧客に興味を持ってもらえる可能性があるのです。
その他の広告
買取業者に適した広告として「旗や看板」「電話帳広告」といったオフラインの広告もありますが、どこか古いイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、オフラインにしかないメリットや特徴もあり、それらを知らずにいるのと、せっかくの集客機会を失いかねません。ここでは、買取業者におすすめする2つのオフライン広告を紹介します。
旗や看板
実店舗を構える買取業者の場合は、地元の人に店舗があることをアピールする必要があります。また、Web広告を見ながら来たユーザーが、店舗を見つけやすくするためにも、旗や看板を立てるのが有効です。
その方法はアナログながらも、店舗の雰囲気や特徴を表現することができるため、高い集客効果を期待できます。看板や旗の設置場所、デザインなどを工夫し、効果の高い掲示方法を模索してみましょう。
ただし、地域によっては設置できないケースもあります。また地域ごとに条例などの規制も異なるため、看板や旗の設置前には、ルールを事前に確認しましょう。
電話帳広告
電話帳広告も、主にネットを利用しない層にアプローチできる方法としては有効です。特に、高齢者世帯ではまだ固定電話を設置している家庭も多く、不用品などの出張買取においては有力なターゲットである高齢者層には、高い効果が見込めます。
電話帳に掲載する広告は「1/8以上」の大きいサイズとし、店舗名や営業時間、店舗週への地図などが目立つように記載しましょう。
買取業者が広告を作成するポイント
- ターゲットにマッチした広告の種類を選ぶ
- 誰が見てもわかりやすいデザインにする
- 広告のテーマに合わせて配色する
買取業者のみならず、どの業種においても、必ず集客できるという方法はありません。しかし、効果のある広告にはいくつかの共通点があり、それを押さえた広告は、集客につながりやすいです。
買取業者が広告を作成する際の6つのポイントについて紹介します。
[ポイント1]ターゲットにマッチした広告の種類を選ぶ
広告を作成する際は、まず「ターゲット」を明確にしなければなりません。ターゲットが明確であるほど、利用する広告の種類や内容、デザインなどが決めやすくなります。
買取するお客様の性別や世代、地域などの状況を鮮明に想定し、最終的にどのような行動を取ってほしいのかを明らかにしたうえで、広告作成をスタートしましょう。
[ポイント2]誰が見てもわかりやすいデザインにする
ターゲットが明確になれば、対象となる誰が見てもわかりやすいデザインにする必要があります。具体的には「数字」「レイアウト」「情報整理」の3つの観点で、いずれもわかりやすさが求められます。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
具体的な数字を記載する
買取業者が作る広告のデザインにおいて、買取実績や買取単価、買取客数などの具体的な数字の記載は、お客様の疑問や不安の解消につながります。サービスや商品の「特徴」や「違い」を付帯的な数字で表現することで、目にも留まりやすく、説得力が増すのです。
たとえば「多くの買取実績が多数あります」よりも「当店の買取実績は年間50,
000件です」としたほうが、言葉に凄みが生まれます。商品やサービスを数字で表現できる部分は、積極的に記載してみてください。
レイアウトを整える
広告には、ただ情報を羅列するのではなく、見やすいレイアウトへの意識が重要です。広告におけるレイアウトは、読まれるかどうかの基準といっても過言ではありません。文章や図の端を揃えたり、余白を取ったりといった細かなレイアウトへの配慮が、広告の効果を高めます。
ただし、多くの情報を伝えようと、あまりにも情報を詰め込み過ぎると、返って内容が薄くなり、伝えたい内容がわからない広告となりかねません。本当に伝えたい内容が一番目立つようなレイアウトを心がけてみてください。
情報を整理して記載する
広告に記載する情報は、関連性のあるものをまとめて配置すると見やすくなります。文章や画像の情報は、関連性のあるもの同士をまとることで、全体を見た際にその内容が伝わりやすくなります。
また、読み手の目の動きにも注意が必要です。横書きの場合、人間の目は「Z」の形に沿って動きます。情報をまとめる際も、Zの形を意識して配置すると、より効果的です。
情報の階層も分けて記載すると、理解やイメージのしやすい広告となります。情報のフレームは「タイトル」、基本情報は「文章・画像」、その他の情報は「詳細」といった形で、全体の階層が分かれた広告は良い印象を与えます。
[ポイント3]広告のテーマに合わせて配色する
配色も広告の効果に対して大きく影響します。まずはメインとなるテーマ色を決定し、その色と相性が良い配色にすることで統一感が生まれ、インパクトのある広告へと近づくのです。
また、テーマ色は買取業者の店舗やブランドのイメージに合わせた色を使うのが一般的ですが、特別なキャンペーンなどを行う際は、イレギュラーな配色のほうが効く場合もあります。「査定額アップ」「来店キャンペーン」といった内容の広告であれば、赤や黄色のように注意を促す配色が効果的です。
色を上手く活用し、お客様のイメージをコントロールしましょう。
買取業者が広告を作成する際の注意点
買取業者が広告を作成するうえで「景品表示法の違反」と「広告だけでは集客には繋がりにくい」という2点については十分に注意する必要があります。
いずれも経営に直結する重要なポイントなので、まずは正しく理解できるように、詳しく解説します。
誇張表現は景品表示法違反になる可能性がある
買取業者の広告で注意すべきは「地域一番」「No1.」といった最大級表現や誇大表現です。これらの表現は、条件次第では景品表示法違反になる可能性があります。
その条件とは「販売活動の有無」です。買取業者でも「買取専門」の場合は、この景品表示法を適用されません。一方で、買取だけでなく「中古品や新古品の販売」を行う買取業者の場合は、景品表示法が適用され、「地域一番」「No1.」などを広告に含めると違反になる可能性があります。
違反と判断されれば、消費者庁や都道府県知事から排除するよう命令されます。それに従わない場合、事業者の代表者等は2年以下の懲役または300万円以下の罰金、当該事業者は3億円以下の罰金が科せられるのです。
参考:景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか? | 消費者庁
広告だけでは継続的な集客には繋がりにくい
買取業者が集客を成功させるには、広告費をかけて効率的に集客を行うことは重要です。ただし、広告だけでリピーターを増やすのは難しく、広告以外の接客の質などが本質的には重要といえます。広告でいくら集客をしても、悪い口コミが広がれば意味がないからです。
「査定時の待ち時間を短くする」「個人情報の管理が徹底されている」「他店よりも高価買い取りをしてくれる」といった工夫が自店舗のファンづくりにつながります。そして、そのファンがリピート客となり、安定的な売上をもたらすのです。
まとめ
買取業者として安定的な経営を行うには、集客が欠かせません。今回ご紹介した各媒体の広告方法を用いて、新規顧客と既存顧客のいずれにも訴求してみましょう。
しかし、広告は費用をかければその分だけ集客できるとは限りません。数ある広告方法の中から、自店舗がターゲットとする層に効果のある方法を見つける必要があります。
まずは費用のかからない広告から試すなど、積極的にチャレンジしてみましょう。
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