ポスティング広告は、ターゲットに対して直接情報を届けられ、さらに比較的コストも抑えて実施できる集客方法の1つです。一方で、チラシに記載する内容やデザイン次第では思い通りの効果が得られないケースもあります。
そこで本記事では、ポスティング広告の効果を高めるためにも、そのメリットや効果を得やすいケース、効果の高め方などについて詳しく解説します。
目次
ポスティング広告の効果とメリット
- ターゲットや配布エリアを絞って宣伝できる
- 直接ポストに入れるため目にとまりやすい
- 集客コストが抑えられる
- 商品サンプルなどチラシ以外のものも配布できる
ポスティングは、自社の商品やサービスをチラシなどを通じて周知するための広告手法の1つです。そこで、ポスティングの効果とメリットについて詳しく解説します。
ターゲットや配布エリアを絞って宣伝できる
ポスティングは、配布するターゲットを細かく設定できる点が大きな特徴の1つです。新聞の折込チラシとは異なり「エリア別」「物件別」といった細かな指定もできます。
地域に密着した飲食店や美容院、クリニックなどは、全国へ向けてではなく、店舗の周辺地域に特化して宣伝する必要があり、ポスティングではそれを実現可能です。また、無駄な配布によるコスト増も防ぐことができ、効率の良い集客が見込めます。
直接ポストにチラシなどを投函するポスティングは、確実に情報を届けられる点も特徴です。
直接ポストに入れるため目にとまりやすい
街中のビラ配りは、受け取ったものの、そのまま捨てられるケースも多いです。しかし、ポスティングは一度は目にとまる機会があるため、ニーズを感じた方には読んでもらえる可能性が高いでしょう。チラシは保管しやすいのも特徴で、配布後から期間を空けて反応があるという場合もあります。
また、紙媒体の施策としては新聞折込チラシもありますが、こちらもターゲットが新聞の購読者に限られることがデメリットになり得ます。ポスティングであれば、ポストに投函できるという条件さえクリアしていれば、より多くの幅広いターゲットに情報を届けることができます。ターゲット層が広がることで潜在顧客へのアプローチもしやすくなり、反応率の向上も期待できます。
即効性の高さもポスティングの特徴で、目にとまった内容がユーザーにとってすぐにでも得たいものであれば、配布開始当日に反応があるケースも珍しくありません。
集客コストが抑えられる
ポスティングの費用対効果の高さは見逃せません。費用対効果とは、その名のとおり「 かけた費用に対する効果 」を意味します。
ポスティングにかかる費用は基本的に、チラシの印刷代と配布のための人件費のみです。人件費に関しては自分で配布すれば、業者に依頼をせずに済むために費用を抑えることもできるでしょう。
ポスティングを外注する場合は、配布方法やエリアによっても異なりますが、東京都の場合で、1枚あたりおおよそ4~6円です。エリアや物件を絞れば、1枚あたりの金額は高くなったとしても、無駄な配布を抑えれるため、結果としてコスト削減につながるでしょう。
ポスティングにかかる費用については、こちらの記事を参考にしてみてください。
商品サンプルなどチラシ以外のものも配布できる
ポスティングでは、チラシ以外の商品サンプルや配布物をセットで配布できます。チラシ以外でポスティング可能な配布物の例は、次のとおりです。
- 試供品
- ポケットティッシュ
- 冊子
- パンフレット
- うちわ
- マグネットなど
ポスティングで重要なことは「すぐに破棄されないための工夫」です。ただチラシを配布するよりも、日常利用できるアイテムのほうが、破棄される確率が下がります。ただし、いずれもポストに入るサイズであることが条件となるので注意しましょう。
ポスティングの効果を得やすいケース
前述のとおり、全国展開する企業よりも、地域密着型の企業の方がポスティングの効果を得やすいです。インターネット広告などの不特定多数に訴求する形式とは異なり、エリアや条件を限定するポスティングは、以下のような地域密着型の業種と相性がよいでしょう。
- 飲食店
- デリバリー
- 美容室
- ネイルサロン
- マッサージ
- 不動産
- 習い事
- 塾
- 引越
- 人材派遣など
初めてのポスティングを検討している方は、効果的に集客ができるよう特定のエリアに向けて配布ができるというメリットを活かせるかどうかで、実施を判断してみてください。
ポスティングの効果が得にくいケース
届けたいエリアに必要な分だけを配布するポスティングは、全国規模のサービスには適していません。なぜなら、数十万、数百万といった大きな単位でのポスティングは、かける時間とコストが見合わず、現実的ではないからです。
具体的には、大型のショッピングモールやテーマパークなど、広い範囲を商圏とする業種や、希少性や独自性の強い商品やサービスには向きません。
また、ポスティングするエリアに、そもそも商品やサービスに対する需要がない場合も効果を得にくいでしょう。たとえば、高齢者の多いエリアに対して、若年層向けのチラシを配布しても、求める人がいなければ反応は得られません。この場合は、リサーチが不足している可能性があるので、チラシの内容や配布エリアなどを再検討する必要があります。
なお、ポスティングはそもそも、1度実施しただけで期待する集客効果を確実に得られるわけではありません。デザインや内容、配布エリア、配布時期など、チラシのどの要素がどのように反響に繋がっているかを見極め、改善を重ねていく必要があります。そのためにも、後述する「反響率の計算方法」など、効果測定の手法や必要性も理解しておきましょう。
ポスティングの効果を高める方法
- チラシを配布するターゲットとエリアを絞る
- チラシのデザインや掲載内容を工夫する
- 投函するチラシの向きや折り方にこだわる
ポスティングを実施したものの、思ったような反応が得られなかったというケースも多くあります。しかし、ポスティングによる効果は、工夫次第で大きく変化することも多々あります。
より効果の高いポスティングが実施できるよう、ここでは3つの方法をご紹介します。
チラシを配布するターゲットとエリアを絞る
訴求する商品やサービスと、ターゲットやエリアの設定にミスマッチが起こると、思った集客効果を得られない可能性が高いです。年齢や性別、環境など、チラシを手に取る方の要素はすべて異なり、まったく同じということはありえません。
よって、総合的な内容よりも、ピンポイントかつ具体的な内容のほうが特定のユーザに刺さりやすくなります。例えば、トレーニングジムのチラシを配布する際、「筋力をつけたい人」だけでなく、「3ヶ月以内に筋肉をつけたい人」や「夜にトレーニングしたい人」といったような限定の仕方です。条件を限定すればするほど、濃いニーズを持つユーザーに訴求できます。
エリアについても同様です。店舗周辺にやみくもにポスティングするのではなく、商品やサービスの価格や家族構成、世帯年収などの条件を決めることで、よりターゲットに近い家庭のみに配布できます。
また、ポスティングの目標を明確にしておくことも、ターゲットとエリアの選定において重要です。どのような顧客にどのような情報を届けたいのか、何を紹介したいのか、チラシによって何を得たいのかを事前に詰めておきましょう。
チラシのデザインや掲載内容を工夫する
チラシの掲載内容の工夫も、ポスティングの効果を高めるには欠かせません。キャッチコピーや説明文は、文字数や大きさ、文体、色などを意識し、読みやすく、見やすい文章にする必要があります。
また、イラストや写真なども、親しみやすくイメージしやすいものにするなど、ターゲットの興味や関心を惹くような工夫が求められます。特に問い合わせ先はできるだけわかりやすく、目立つように記載するようにしましょう。
チラシの作り方やデザインのコツについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
投函するチラシの向きや折り方にこだわる
前述のとおり、ポスティングでは捨てられないための工夫が重要で、その1つに投函する際のチラシの向きや折り方があります。つまり、受け取った時に情報がすぐ目に入らなければ、そのまま捨てられる可能性があるということです。
ポスティングを自身で行う場合は、チラシの投函時に見て欲しい面を上向きにし、ポストの奥まできっちりと入れるようにしましょう。また、ポストが小さい場合や他のチラシが多く残っており、チラシを折らないと入らない場合も、見てもらいたい情報が表面となるように折ってみてください。
ポスティングは効果測定や改善が大切
不特定多数に向けて情報を発信するテレビなどのマスメディアで広告を出す場合は、その効果測定が難しいと言われています。一方、ポスティングはかかる費用や関連する情報もシンプルなので、効果を容易に計測可能です。
「ポスティングのたびに問い合わせ数を集計」「内容の異なるチラシを配布し、効果の差を比較」といった具体的な施策を取ることで、効果と売上の関係性が見えてくるでしょう。ここでは2つの観点から効果測定に関する内容をお伝えします。
ポスティング広告の反響率を計算する方法
ポスティングの効果を測るには、分析方法について正しく理解する必要があります。その1つの指標となるのが「反響率(反応率)」で、計測方法は次のとおりです。
- 反響率:反応があった数÷配布したチラシの数×100
50,000枚のポスティングを実施し、150回の問い合わせにつながったとしましょう。この場合の反響率は0.3%です。ポスティングによる反響率は、業種によって違いがあるものの、おおよそ「0.1%〜0.3%」とされています。
また、ポスティングの効果を測るもう1つの指標が「ROI」です。ROIは投資によってどれだけ回収(利益)したかの指標で、計算方法は次のとおりです。
- ROI:(成約数×平均利益単価-チラシ料金)÷チラシ料金×100
たとえば、チラシの作成を含むポスティング費用として20万円かかったとします。平均利益単価が30,000円、売れた商品数が10個であれば、ROIは50%です。ROIの値がプラスであれば「効果が高い」として判断し、値がマイナスであれば、費用が利益を上回るため「効果が低い」状態です。
ポスティング実施後には「反応率」「ROI」を参考に、実施継続の可否や改善策の検討を行い、より効果を高めていく必要があります。
ポスティングの反響率をあげる方法についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
タイミングを見て再度チラシを配布する
ポスティングは1度だけでは効果が表れず、複数回行うことで初めて効果が表れるケースがあります。よって、1回目の時点で前述の「反応率」「ROI」による効果検証を行っても、それが正しい数字であるとは言い切れない可能性があります。
1回目では反応が無かったとしても、複数回の配布で潜在顧客に情報が届き、問い合わせにつながるケースもあるのです。ただし、複数回にわたって配布する場合は、その頻度には注意が必要です。サービスや商品によって「効果的な頻度」があります。
- スーパー:毎週
- 美容院:2~3ヶ月に1回(髪を切るサイクルに合わせる)
- 学習塾:年に数回(新学期や長期休暇などのサイクルに合わせる)
- 一度契約したら終了の商品(通信回線など):年に1度
- オープンしたばかりの店舗:毎週(認知度を高めるため)
あまりにも頻繁に配布し過ぎると、かえって迷惑に感じられてしまうケースもあります。初回配布で効果が薄いと感じた場合は、再配布の前にチラシの掲載内容やデザインについても見直してみましょう。
まとめ
ポスティングは手軽かつ効果性の高い広告手法の1つです。しかし、その効果を引き出せるかどうかは、工夫次第であるのも事実といえます。
狙うターゲット層や求める結果に合わせ、今回ご紹介したチラシの効果を高める方法や効果測定方法を活用しながら、効果的なポスティング戦略を描きましょう。
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