自店のメールマガジン(以下、メルマガ)を作成するにあたって、インパクトのあるタイトルが思い浮かばず、タイトル作りが苦手という人も多いのではないでしょうか。

短い言葉で読み手の心をとらえるタイトル作りは難しいものですが、コツをつかめばスムーズに考えられるようになります。さらにタイトルはメルマガの開封率を左右する重要な要素なので、ぜひ覚えておきたいものです。今回はインパクトのあるタイトル作りのコツを説明します。

メルマガのタイトルは開封率に大きく影響する

メルマガを作る際、本文の内容には時間をかけるものの、タイトルは吟味しないということはないでしょうか。実はメルマガは、タイトルが開封率を大きく左右する重要な役割を持っています。

受信ボックスの多くのメールの中から、ユーザーにメールを開いて読むという行動をとらせるには、目についた瞬間にユーザーの気をひくようなタイトルでなければなりません。

商品の広告を見た時、キャッチコピーがパッと目について「これが欲しい、これが食べたい」などと好奇心をそそられることがあります。メルマガのタイトルも同様で、ひと目見て「この情報は有益だ」と思うようなタイトルであることが開封率を高める一因となるのです。

開封されやすいメルマガのタイトルをつけるコツ

キャッチコピーや文章作成が苦手だという人でも、インパクトのあるメルマガのタイトルを作る方法はあるのでしょうか。次に説明するポイントを理解して、ユーザーの心を掴むタイトル作りを目指してみましょう。

4Uの原則を意識する

「4Uの原則」とは、世界的に有名な起業家であるマイケル・マスターソン氏が提唱する、メルマガや記事タイトル作成に効果的とされる手法です。魅力のあるコピーを作成するTipsとして、以下の4つの「U」を挙げています。

1.Useful(有益性)

メルマガタイトルにおける有益性は、ユーザーに価値のあるメルマガの内容を訴求することです。ユーザーがメルマガタイトルを目にした時に、どんなに個性的なタイトルであったとしても、この記事は有益であると思えなければ記事をクリックして読むことはありません。

ユーザーが記事を読むことで何らかの恩恵を得られたり、問題解決につながったりするなどの価値があるとわかるようなタイトルであることが重要です。

2.Urgent(緊急性)

「今読まなければならない」という緊急性を与えるタイトルであることもポイントです。具体的に言えば「○月○日限定」「今だけ」「○人まで」など、今すぐ行動を起こす必要があると思わせることで、ユーザーは詳細を知ろうとクリックしてメルマガを読み始めます。日にちや数量、人数など具体的な制限を加えて緊急性をより具体的にするとよいでしょう。

3.Ultra specific(超具体性)

メルマガの内容がひと目で伝わるように具体的に表現することも重要です。例えば「多くの人から好評の理由とは」よりも「購入者の98%がリピーターになった理由とは」のように、あいまいではなく数字などの具体性を持った内容のほうがより現実性が感じられ、ユーザーの関心を得られます。

4.Unique(魅力・独自性)

メルマガのタイトルがいかにユーザーの注意を引くような、独自性や意外性、驚きを感じられるタイトルであるかを考えます。「自分がタイトルを目にした時に続きを読んでみたくなるかどうか」とユーザー目線に立って、どのようなタイトルが惹きつけられるかを考えてみるとよいでしょう。

文字数は15~20文字以内にする

メルマガのユーザーには大画面のパソコンユーザーに限らず、スマートフォンを使っているユーザーも大勢います。スマートフォンの画面上のメール受信ボックスのタイトル表示は全角20文字前後とされています。そのため、アピールしたい言葉を文頭に持ってくることで、タイトルの途中で隠れないように作成することが重要です。

タイトルの中にある言葉の中で、優先して伝えたい言葉を冒頭に持ってきましょう。その際は全角20文字を一つの文章にするのではなく、短文に区切ることでどれを優先とするべきかが明確になります。

記号を使った装飾デザインにする

「【】、◆、■、★」といった記号は、黒の部分が多いこともあり視覚的に目につきやすいものです。アピールしたい単語の両脇に「【先着○名】」「★本日最終日★」とつけるだけで派手な印象の目立つタイトルになります。

サイト名や会社名を入れない

メルマガのタイトルの中にサイト名や会社名を入れてしまうと、文字数に制限のあるタイトルのなかで文字数を多く割いてしまいます。また、タイトルの中にサイト名や会社名があることでユーザーが「これは宣伝ではないか」という印象を受けてしまい、開封率が下がってしまうデメリットが生じる可能性も考えられます。

サイト名や社名はタイトルに入れずにメルマガの差出人名の欄に記載し、タイトルではユーザーに有益な情報や伝えたい事柄のアピールでまとめるとよいでしょう。

具体的なメリットを入れる

「4Uの原則」の解説にあるように、読者がメルマガタイトルを目にしたときに、「これは有益な情報のメルマガである」と伝わることが重要です。そのためには、具体的な数値や情報を加えて、そのメルマガを読むことで読者がメリットを享受できる内容であることが伝わるようにしましょう。

たとえば「96%のユーザーが実感した○○」といったような数字や「今すぐ役立つスキルが身につく」などの有益性を情報として加えることで、読者は具体的なイメージをつけやすくなることが見込めます。

限定感や特別感を演出する

「限定感」とは、「先着10名様限定で!」「このメルマガが届いた方限定!」というように、特別なメルマガであることを示唆することを指します。さらに感嘆符を入れて「98%のユーザーが実感!」などと表現することで、読者に興味・関心を引かせることも見込めるでしょう。

また、特別に”あなた”に送っているという「特別感」を伝えるためには、メルマガのタイトルに「○○様におすすめの」、「○○様へ特別に」など、受信者の苗字を加えて、直接問いかけるようなタイトルにすることも重要です。

すぐに使えるメルマガタイトルのサンプル20選

読者の興味・関心を引き、開封率アップが期待できるようなアピール性のあるタイトルとは、どのようなものがあるでしょうか。ここでは、読者が「今すぐ読んでみたい」と思えるような、すぐに使えるメルマガタイトルのサンプルを20タイトル紹介します。

キャンペーンなどメリットを主張したメルマガタイトル

メリットや有益性をアピールしたメルマガタイトルは以下の通りです。主張したい事柄には【】で囲んで有益性を表記することもポイントとなります。

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緊急性が伝わるメルマガタイトル

緊急性をアピールして読者の行動を促すメルマガタイトルには、下記のようなものがあります。この場合にも【】で囲むことで視認性の向上が期待できます。

【まもなく締切】アンケート回答でポイント進呈!
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具体的な数字などを使ったメルマガタイトル

緊急性や具体性のある数字を使ったタイトルの場合、数字のインパクトによって、読者はメルマガの内容をよりイメージしやすくなります。

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特定の読者に送るメルマガタイトル

「自分という存在に対して知らせてくれている」、「自分に有効な情報とわかって発信してくれている」というように、読者本人に問いかけていると意識させるようなメルマガタイトルにすると、アクションをとってもらいやすくなることが見込めます。

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メルマガのタイトルのNG例


メルマガのタイトルにも、アピールが逆効果になったり、明らかに開封率につながらなかったりするものがあります。具体的なNG例を紹介します。

空白または煽り表現の多用

目立つことや個性をアピールしたいあまりに、わざとタイトルを空欄のままにしてみようかと考える人がいたら、それは逆効果なので避けましょう。受信者が迷惑だと受け取るだけでなく、迷惑メールとみなされる可能性もあります。タイトルをつけ忘れて空白で送ってしまうことも同様ですので、送信する際は最終確認を欠かさず行いましょう。

また、「絶対稼げる」「誰でも一日で儲かる」といった煽り言葉を使うのも、同様に迷惑メールとしてフィルタリングされたり、相談センターに報告されたりすることもあります。ユーザーの迷惑になりそうなタイトルにならないような配慮を心がけましょう。

ベネフィットが伝わらないタイトル

メルマガのタイトルは、ユーザーが目にした時にベネフィット(恩恵や利益)が期待できる言葉を使うことが大切です。毎回同じタイトルだったり、「○○通信○月○日号」といった定型文だったりしたのではユーザーの関心を得られません。

また、「【○月限定】」とせっかく目立つような表示にしても、限定する期間が長すぎたのでは緊急性を感じられません。メルマガを読むことで何らかの変化や利益がすぐに得られるような言葉を選びましょう。

メルマガのタイトルを作成する手順

メルマガのタイトルを作成するにあたって、具体的にはどのようなことに注意をしていけばよいのでしょうか。ここでは、メルマガのタイトルを作成する手順について解説していきます。

メルマガのタイトルを作成する手順
  1. ターゲットに合わせて訴求内容を決める
  2. 不要な内容の削除・入れ替え・言い換えをする
  3. メルマガの内容と照らし合わせてタイトルを調整する

ターゲットに合わせて訴求内容を決める

メルマガ読者の趣味嗜好や年齢、性別、あるいは無料会員であるか、有料会員であるかなどといった、属性や立場によってそれぞれニーズは異なります。読者のなかには、読者の持つ課題の解決を必要としているかもしれません。ターゲットにあわせて訴求内容を決めることにより、ターゲットごとの開封率やクリック率を把握するができ、ターゲットに対する正確な訴求内容を設定することができます。

不要な内容の削除・入れ替え・言い換えをする

ターゲットごとに訴求内容を明確にしたら、タイトルの構成をより効率的なものになるように見直しましょう。伝えたい内容の語句をターゲットごとに言い換えたり、無駄な表現を削除したり、その語句がなくても伝わるかどうかを吟味したりするなどで、適当な長さになるように整理しましょう。

メルマガの内容と照らし合わせてタイトルを調整する

文章の中にはさまざまな情報が網羅されていますが、それらをまとめてタイトルにした際に、ターゲットにどの文言をアピールしたいのか、どの情報は必要ないのか、言い換え可能な言葉で短くできないのか、ということを吟味して、読者により伝わりやすいようにタイトルを調整しましょう。ターゲットにアピールしたい情報はタイトルの先頭に持ってくるなどといった言葉の入れ替えの工夫もポイントです。

まとめ

今回は、メルマガの開封率をアップさせるタイトル作りのコツをお伝えしました。

せっかくユーザーに有益な本文を作成したにもかかわらず、ユーザーが最初に目につくタイトルが魅力的でなければ、ユーザーはタイトルをクリックすることはありません。メルマガ配信の目的は会員登録や商品・サービスの購入が主ですが、メルマガが開かれなければ目的到達することは難しいでしょう。

メルマガのタイトル作りのコツには、緊急性や有益性が伝わる言葉選びや文字数の決め方、文字の配置などさまざまな要素が考えられます。開封率を知るためのテストを定期的に行いながら、より精度の高いメルマガのタイトルを目指してみてはいかがでしょうか。

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