コンビニやチェーン店などで豊富な種類のパンを手軽に購入できる中で、個人経営のパン屋を安定して運営していくのは容易ではありません。大量生産ができないためコスト削減も難しく、効果的な宣伝方法を自ら見つけて集客アップを図ることが重要となります。

そこで今回は、パン屋で効果的な集客を得るにはどのような宣伝方法が適しているのか、広告デザインのコツも含めて紹介していきます。

パン屋の集客に効果的な宣伝方法は？

個人経営のパン屋では、大量生産ができないためコスト削減が難しい上に、単価の低い商品が多いことから、費用のかかる広告宣伝を行うということは簡単ではありません。

そのため、効率よく手間のかからない宣伝方法を見つけることが重要となります。手軽に始められる宣伝方法として考えられるのは「チラシを配る」「ホームページを作る」「SNSで情報発信をする」の3つが挙げられます。

チラシを配る

商圏がそれほど広くないパン屋の場合、店舗に近い住民をターゲットとしたチラシ配布は効果的な方法の一つです。チラシ配布はエリアを特定できるために不要なコストがかからず、新店舗であれば近隣への認知度を高める効果を期待できます。

さらにチラシにクーポンや無料引換券などをつけることで、来店促進の効果も見込めます。クーポンや引換券の戻り率がわかれば、どのくらいの反響が得られたかを測定できるので、数値として効果を知りたい場合におすすめです。

ホームページを作る

意外に思うかもしれませんが、「近所においしいパン屋ができたよ」と人づてで情報を聞いて、実際に店舗に足を運ぶというケースはごくわずかです。さまざまな情報をインターネットから得ることが主流になった今では、どのような店舗なのかを来店前にインターネット検索する人のほうが多いと考えられます。

そのため、シンプルなものでも自店のホームページを作成しておくことも重要なポイントです。どのようなコンセプトの店舗でどのようなパンを売っているか、何が売りであるのかをアピールしておきましょう。訪れやすい雰囲気のお店だとわかれば、来店へとつながる可能性は高まります。

SNSで情報発信をする

さまざまな業種の店舗で、InstagramやX（旧Twitter）といったSNSを活用して情報発信を行うことが増えています。SNSを活用すれば、新作パンの紹介や、パンの焼き上がり時間の告知などをリアルタイムで発信できます。中には、注文キャンセルで急に余剰商品が出たことをSNS上で告知したところ完売できたという菓子店の例もあります。

パン屋の広告デザイン作成のコツ

手軽に広告宣伝できるチラシ配布を検討するにあたって、どのようなチラシづくりを目指せばよいのでしょうか。多くの人の目に止まり、集客へと繋げられる効果的な広告デザインの作成のコツを紹介します。

まずは5W1Hからターゲットと目的を絞る

チラシ作成にあたり最初に検討することとして「5W1H」でターゲットと目的を絞ることが挙げられます。5W1Hとは「Who(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、WHy(なんで)、How(どのように)」の頭文字を表したものです。それぞれの答えを具体的に言葉にしていくことでターゲットや目的が明確になり、チラシの方向性を決めることができます。

キャッチコピーを活用する

チラシを目にした人の注意を引いて、チラシの内容をもっと知りたいと思わせる言葉がキャッチコピーの役割です。キャッチコピーは、パッと見ただけで「これは自分に必要な事柄である」と見た人に思わせることが大切です。見た人の心を掴むような魅力のあるキャッチコピーをいくつも考えてみると良いでしょう。

商品の写真やイラストを活用する

パン屋であれば、どのようなおいしいパンを売っているのかを伝えることは非常に重要なポイントです。「こんがりとした焼きたてパンの香り」や「ふわふわしてきめ細やかな生地」が想像できるような写真やイラストを手配しましょう。おいしくなさそうな色味やピントが合っていないような画像を用いたのではチラシの魅力が半減します。お店の売りであるパンだからこそ、写真やイラストは吟味しましょう。

広告限定の特典をつける

「チラシ持参で○○を進呈」「クーポン持参で○円引」など、チラシを手にした人だけの特典をつけることは、来店を促す手段として効果的です。新店舗であれば、来店させることでお店のイメージを訴求することもでき、好印象であれば再来店にもつながります。

また、チラシ持参での特典をつけることで、どのくらいの反響を得られたかという効果測定をすることもできます。特典を変えてチラシ配布を行うことで、どのような特典が反響が得られやすいかなどという目安にもなります。

イメージしやすいフォントを使う

「フォント」とは、丸文字や角文字、細い文字や太い文字などといった書体の種類のことを指します。カッチリしたイメージなら太いゴシック体や明朝体、家庭向けや子供向けであれば丸ゴシック体など、フォントによってチラシの印象は大幅に変わります。

パン屋であれば、親しみやすさやほんわかしたイメージなど、お店のコンセプトや見た目に直結するようなフォント選びをするのがおすすめです。

店舗への地図を載せる

実店舗のパン屋であれば、新規オープンなどで初めて訪れる人が道に迷わないようにわかりやすい地図を掲載しておきましょう。向かう途中で目印となるような店舗や看板、信号などの特徴が記載されてあればより親切です。

店舗によっては、駐車場の有無や近隣駐車場の情報もあるとよいでしょう。

情報を盛り込みすぎないよう注意

チラシの小さなスペースにたくさんの情報を欲張って載せてしまっては、見る側にとって読みにくくなり、一体何を言いたいのかわからないチラシになってしまいます。

また、情報が多すぎると本当に訴求したい事柄が埋もれてしまい、本来得られるはずの広告効果が充分に発揮できません。

チラシの隅々まで情報を盛り込みたい気持ちを抑え、伝えたい情報を厳選してダイレクトに伝わるようなチラシ作りを心がけましょう。

人気のパン屋が行っているさまざまな集客方法とは？

郊外にあるにもかかわらず常に賑わっているパン屋には、効率的な集客方法の秘策があると考えられます。最後に、人気のパン屋が行っている集客方法にはどのようなものがあるかを3つご紹介します。

パンが焼き上がる時間をお知らせ

パンを購入する人の多くは、できるだけ焼きたてのパンを手に入れたいと考えます。チラシに焼き上がり時間を明記し、パンを焼きたてで購入できるような情報提供を行いましょう。

さらにSNSでは、リアルタイムで情報発信できる利点を活用して、焼き上がり時間だけでなくタイムセールの告知もパン屋の集客方法として主流となっています。

わかりやすいPOPで顧客を惹き付ける

店舗を初めて訪れる人にとって、そのパン屋でどの商品が売れ筋なのかというのは気になるところです。「当店人気No.1」などと順位を記載したPOPを商品棚につけておくことで、「上位3位まで試しに買ってみよう」といった興味を引くことができます。

また、スタッフによるおすすめポイントや素材の特徴など具体的に明記されていることで購入意欲を促す効果も期待できます。

口コミサイトに掲載を依頼する

初めて訪れる店舗の場合、事前に口コミサイトの反響を確認する人も多く見受けられます。口コミサイトの意見は実際にお店を利用した顧客の生の声であるため信頼されやすく、顧客に感想を掲載してもらうことは非常に効果的です。

中でもGoogle マップでは、店名を検索した際に口コミの評価もあわせて表示されるため、来店促進として活用している店舗も多いようです。

まとめ

今回は、パン屋における広告での集客方法について紹介しました。大手に負けずに個人経営のパン屋を持続させていくには、自ら効果的な宣伝方法を探して集客アップを図ることが重要です。

新規店舗の認知度アップであれば近隣にターゲットを絞って特典付きのチラシ配布を行うことが非常に効果的です。また、インターネットでの情報収集が一般化した現在では、自店のホームページやSNSでリアルタイムな情報提供を行うことで幅広い層への訴求が可能となります。

自店の集客アップのためには適切な情報提供が必要です。多くの人から長く愛されるパン屋を目指して、自店にふさわしい集客方法を試してみてはいかがでしょうか。