本屋が新規やリピーターになるお客様を1人でも多く獲得するうえで、「外観」は大きな影響を及ぼします。外観から「この本屋は入りやすい」と感じてもらえるかどうかは、集客につながる重要な要素です。

そこで、本記事では入りやすい本屋の外観にするための方法を、具体例を挙げながらわかりやすく解説します。また、本屋に来られるお客様が入りやすいと感じる外観的特徴や入店の決め手になるポイントもみていきましょう。

本屋に来る人は外観のどこが決め手で店に入る?

本屋が集客力を高めるには、まず本屋に来るお客様が何を決め手として入店するかを理解する必要があります。店舗の業態や扱うジャンルによって一概には言えませんが、いくつかの共通するポイントがあるのです。外観によってお客様を集客するためにも、2つのポイントについて理解していきましょう。

何を取り扱っているかがすぐにわかるか

お客様は店舗の外観から何を取り扱っているお店かを判断しています。具体的には、飲食店なら提供している料理のジャンル、小売店ならば扱っているのは食品か日用品かなどを判別しているのです。

本屋であれば、文学本中心か漫画本中心かなどといった、本のジャンルを見られる可能性が高いでしょう。お客様は外観の第一印象でどのような本を取り扱っているお店かを判断し、入店するか否かを決めているのです。

外観からわかる本屋の雰囲気

外から見える限りでの店内の雰囲気も、入店するかどうかの基準となります。店内が明るいほうが、お客様はお店の雰囲気が良いと認識しやすいでしょう。

ただし、お店のコンセプトにあわせて暗くしている場合はこの限りではありません。コンセプトとは、全体を貫く「基本的な概念」を差します。特定のコンセプトや客層を狙った外観としている場合は、それに合わせた雰囲気を目指すようにしましょう。

入りやすい本屋の外観的特徴

入りやすい本屋の外観的特徴
  • 店内がよく見える
  • 清潔である
  • どんな本屋かすぐわかる

お客様に「入りやすい」と感じてもらえる本屋には人が集まり、客数が増えれば売上もアップします。ここでは、お客様が入りやすいと感じる本屋の外観的特徴を3つ紹介します。

店内がよく見える

お客様が入りやすいと感じる本屋の外観には「店内がよく見える」という特徴があります。お客様側から店内がよく見えることで、安心感を覚えて入店しやすくなるのです。

ウェブサイトの口コミや評判を見てお店へ行ったものの、いざお店の外観を見てみるとどこか「入りづらいな」と感じた経験が誰しも1度はあるのではないでしょうか。店内が見えづらい本屋は、気づかないうちに集客の機会を損失している可能性があります。

「店内が見えないと入りづらい」と感じる理由は、「雰囲気がわからない」「どんな本を扱っているかわからない」「店員の顔が見えない」など、与えられる情報の不足から生じる不安がほとんどです。

本屋の店内はできるだけ見えるようにし、通りががりのお客様や新規来店のお客様に情報を与えて、集客へとつなげていきましょう。

清潔である

外観から「清潔さ」が感じられる本屋のほうが集客率は高くなります。特に、店舗入口の清潔感は重要なポイントになるでしょう。

さまざまな施策によって集客ができたとしても、お客様の目につく部分があきらかに汚れていたり、ゴミが散らかっていたりすれば不衛生な印象を与え、入店につながりません。開店前はもちろんのこと、開店中も時間を決めてこまめに掃除を行い、清潔な状態を保ちましょう。

また、路面店の本屋では店内や入り口以外にも、店舗前の道路の汚れにも気をつけましょう。店舗に直接関係のない場所の清潔さは見落としがちですが、店内同様に顧客の印象に関わる部分であるという意識で扱い、こまめに掃除をしてみてください。

どんな本屋かすぐわかる

店内に入らずとも、外観からどんな店かわかるような工夫も必要です。売っている本のジャンルなどがわかりやすいと、お客様にお店の内容が伝わりやすくなります。

また、「大型書店にはないマニアックな本を取り扱っている」「新刊だけではなく古書も取り扱っている」といったお店独自の取り組みについても、外観から伝えてみましょう。その方法については「外観の工夫例」として後述します。

入りにくい本屋の外観的特徴

入りにくい本屋の外観的特徴
  • 外壁が壊れている
  • 店内が見えない
  • 入口がわかりにくい

お客様が外観を見て「どこか入りにくいな」と感じる本屋には、いくつかの共通する特徴があります。本屋の集客において、入りにくいと感じられてしまうのは、売上にも直結する大きな問題です。そこで、入りにくい本屋の外観的特徴を3つご紹介します。

外壁が壊れている

本屋の外壁に汚れがあったり、壊れていたりするとお客様に悪い印象を与えかねません。例えば、外壁が剥がれたまま放置されていたり、ラクガキがそのままにされていれば「いい加減なお店」として判断されるケースがあるからです。

もちろん店舗の外装の修繕には、ある程度の資金が必要になります。しかし、外壁を修繕することで健全な経営状態をアピールでき、その結果としてお店の前を通る方や周囲に住む方からの信頼獲得にもつながります。

また、外観の修繕によって「内装も新しくなっているかも」「新たなジャンルの本が置かれているかも」といったお客様からの期待や好感度を高めるきっかけになるかもしれません。

店内が見えない

前述のとおり、入りにくいと感じる本屋は、店内がよく見えないケースが多いでしょう。本屋に限らず、店舗における集客には情報開示が大事です。

店の外から店内が見えないお店に対して、お客様は警戒心を抱きやすくなります。もし、防犯上の問題などでどうしても店内を見えないようにる場合は、ホームページに店内写真を載せたり、店の入り口に店内写真を貼ったりといった工夫によって、店内の様子をアピールしてみてください。

入口がわかりにくい

入口がわかりにくいことも、店舗に対してお客様が「入りにくい」と感じる特徴の1つです。どうしても行きたい店であれば、お客様は自ら入口を探してくれるかもしれません。しかし、通りがかりに気になった程度のお客様は、入口がわからないと入店を諦めてしまう可能性が高いでしょう。

これは頻繁にあるケースではないかもしれませんが、せっかくの来店の機会を失うことには変わりありません。店舗の構造上の問題で入り口がわかりにくい場合は、看板や張り紙などによって入り口を強調するなどの工夫が必要です。

集客に繋がる本屋としての外観の工夫例

本屋の集客力には「外観」が大きく影響します。前述のとおり、店舗の外観はお客様が入店するかどうかを決める基準の1つであり、少しの工夫で入店の確立を高められるのです。そこで、集客に繋がる本屋としての外観の工夫例を、4つご紹介します。

本屋だと一目でわかる工夫を

まずは、本屋であることがお客様から一目でわかる外観になるように工夫してみましょう。「ここに本屋があります」とお客様に伝えるには、看板や張り紙などのデザインやビジュアル面で「視覚」に訴える必要があります。

扱っている本のジャンルやお店の雰囲気などは、実際に入店しなければわからないことも多いでしょう。しかし、直感的に本屋だと一目で認知できるような外観を作ることは可能です。

ただし、周辺の環境や景観にあわないような奇抜な外観にすると、近隣住民や店舗に悪い印象を与える可能性もあるので、注意しましょう。

ガラスの窓を活用する

店内を見えやすくするには、大きな「ガラスの窓」を活用してみてください。ガラスによって店内が見えることで、お客様に「ここはなんのお店だろう」と感じてもらえる可能性が高まり、入店のきっかけを作ります。

また、2階以上の空中階でも、ガラス面を上手く活用できれば立地にとらわれない集客が見込めます。さらに、入口のドアにガラスを利用することで、お客様は店内の様子をうかがいやすくなるのです。

看板は見えやすいところに

本屋に設置する看板は、お客様の目線にあわせて見えやすくしてみてください。看板を設置する目的は人の注意を引きつけることにあり、お客様の目に入らなければその効果を発揮できません。

お店の前を行き交う方や地図を見ながらお店を目指している方などにわかりやすくアピールするためにも、看板はお店の目の前に設置すると効果的です。また、駐車場を用意している本屋であれば、駐車場への案内もあわせて掲示しましょう。

看板を正しい場所に設置することでお店の良さや雰囲気を伝えて、適切に案内できるようにしてみてください。

本屋だとすぐわかる看板デザインを

さきほどは、看板は見えやすいところに設置するほうがその効果を高めるとお伝えしました。ただし、看板であればどんなデザインでも良いというわけではありません。

前提として「本屋であることがすぐにわかる」ような看板のデザインにする必要があります。本屋の存在をシンプルに伝えるためにも、次の2点を押さえた看板デザインとしてみましょう。

  • デザインに統一感を持たせる
  • 伝えたい内容をシンプルに書く

店舗に設置する看板を通りがかりのお客様が見るタイミングは、一瞬であるケースが多いです。そのため、看板を目にしただけで本屋の存在を認知し、雰囲気や特徴をすぐに理解できることが大きなポイントとなるのです。

本屋であることがすぐにわかる看板ツールとして旗が挙げられます。旗は、ひと目で通行人の目を引き、販売促進や集客のきっかけづくりに効果があるとされています。

端的な言葉とキャッチコピーによって「本屋の存在」と「一番伝えたいこと」をアピールしてみてください。

まとめ

お客様は店舗側が思っているよりも本屋の外観を意識しており、直感的に入店するか否か判断しています。さまざまな集客施策によってお客様を集められたとしても、外観の問題によって入店を躊躇されてしまえば、結果として売り上げにもつながりません。

「お店の顔」ともいえる外観には、今回ご紹介した集客に繋がる工夫例などを活用し、お客様が「入りやすい」と感じる本屋を目指してみましょう。また、現在の外観が「入りにくい」と感じる外観的特徴に合致していないかも、あわせて確認してみてください。

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