そもそも販促チラシとは?

そもそも販促チラシとは、商品やサービスなどの販売を促進するために利用される紙媒体のことをいいます。紙を撒く様子を表現した「散らし」が語源になっているとされており、駅周辺やスーパーで配布されたり、新聞に折り込まれて住宅のポストに投函されるといった幅広い方法でチラシが消費者の手元に届けられています。

特定のエリアに住んでいる人や通行する人に、紙という実体をもって確実に情報を届けられるのが強み。セール情報を大きく掲載したり、クーポンを付けたりと企業の戦略を柔軟に反映できるのもよいところです。

消費者に配布される場面が想像されがちなチラシですが、実は法人に向けて配布されるものもあり、消費者用のチラシとは違った性質を持っています。契約を結んでもらうために、自社の商品やサービスの特徴を分かりやすく伝えるような目的を持っていることが多いです。チラシのクオリティが企業への信頼感やブランディングに大きく関わるため、デザイン面でもプロに制作を依頼することが多くなります。

魅力的な販促チラシを制作するコツを紹介

それでは成果を出す販促チラシを作るためにはどのようなポイントをおさえればよいのでしょうか。ここでは、魅力的な販促チラシを制作するためのコツを5つ紹介します。

これらのコツを意識しながらチラシを制作すれば、企業のイメージをしっかりと消費者に与えるとともに、集客や売上を効率的にアップできるようになるはずです。ここからは、魅力的な販促チラシを制作するコツについて、一つずつ詳しく説明します。

目的やターゲットを明確にする

1つ目は、目的はターゲットを明確にすること。

制作するチラシが誰に向けられたものであって、最終的にどのような行動を起こしてほしいのかがはっきりしていれば、制作すべき販促チラシを考えやすくなります。たとえば、単身者用のマンションギャラリーをたくさんの人に見てもらいたいと思っている場合、マンションがあるエリア周辺に住む独身の人をターゲットに設定して、「来場者には粗品をプレゼント」といった情報を掲載することで、効率的にターゲット層を集客できるようになるでしょう。

「なるべく多くの人に商品を販売したい」と考えて、チラシを受け取った人全員によい印象を与えるようなデザインや文言を掲載するケースもあるようですが、ターゲットを絞ったアピールができなければ、結局誰の心にも響かず成果につなげることはできません。消費者を購買行動に移せるようなチラシを制作するためには、事前にチラシを配布する目的やターゲット層を明確にしておくことが重要だといえます。

優先順位を考えて掲載内容を決める

2つ目は、優先順位を考えて掲載内容を決めること。

パンフレットとは異なり、チラシはページ数やサイズが限られるので掲載できる内容に制限があります。「消費者にしっかりと情報をアピールしたいから」と多くの情報を詰め込みすぎると、かえってチラシを読む気をなくしてしまいかねないので注意が必要です。

特定の商品の魅力を伝えたいのであれば、項目を3つ程度に絞って紹介するなど、なるべくシンプルでわかりやすい内容にしたほうが消費者に理解してもらいやすくなります。その際、自分たちが伝えたい内容ではなく、消費者が知りたい内容になっているかという点も、あわせてチェックしておきましょう。

もし掲載する内容が他社のチラシとかぶりそうであれば、重複しがちな内容は省いて「他社商品と違う点」に焦点をあててチラシを制作するのも効果的です。

読み手へのメリットが一目で分かるようにする

3つ目は、読み手へのメリットが一目で分かるようにすること。

どれだけ詳細に商品やサービスの特徴を説明しても、それらを購入することでどのようなメリットが生じるかが理解できなければ、購買行動に結びつけられません。

たとえば、有料セミナーを開催する場合、「〇〇大学で講義した経験を持つ有名講師が分かりやすく丁寧に説明します」といった内容よりも、「あなたの能力を最大限に発揮して仕事に活かすコツを伝授します」といった内容のほうが、メリットとして伝わりやすいでしょう。

読み手へのメリットを伝えるためには、設定したターゲットがどのような悩みを持っており、どのような解決策を求めているかをはっきりさせておくのが有効です。

アピールしたい強みを数字で表現する

4つ目は、アピールしたい強みを数字で表現すること。

どれだけ魅力的な商品やサービスを提供していたとしても、「具体的にどれくらい魅力的なのか」が伝わらなければ、集客や売上アップにつなげられません。

たとえば、「年間〇件の注文実績」や「顧客満足度〇%」のように、数字で表現することによって説得力のあるチラシに仕上げることが可能です。他社製品と比較する際も、具体的な数字で比較できると購入を決断しやすくなるので、企業の強みとなる部分は積極的に数字でアピールしましょう。

初見でも読みやすいようにデザインを調整する

5つ目は、初見でも読みやすいようにデザインを調整すること。

数字で内容を表現するだけでなく、チラシがどのようなレイアウトになっているのか、どのようなデザインになっているのかによって、チラシを読み進めてもらえるかが大きく変わります。

たとえば、適度な余白を確保して圧迫感を抑えたチラシにしたり、グリッド線で項目ごとに仕切りを設けてスタイリッシュな印象を与えるといった方法が挙げられます。フォントの種類や文字サイズによっても、消費者に与える印象は変わります。タイトルや見出し、本文や注釈が一目見ただけで区別できるか、また、それらが読みやすい大きさになっているかといった点も確認しましょう。伝えたい内容を強調して視認性を高めることもできるので、適宜太字やマーカーを使用するといったデザインを工夫するのも大切です。

販促チラシを活用する際の注意点とは?

次に、販促チラシを活用する場合に陥りがちな注意点を紹介します。知っておくべき代表的な注意点として、以下の5つが挙げられます。

これらの注意点を意識してチラシ販促をおこなえば、効果的なチラシ販促を実施できるようになるでしょう。ここからは、販促チラシを活用する際の注意点について詳しく説明します。

販促チラシを配布すれば売上が伸びるとは限らない

特に、初めてチラシ販促をする企業の場合、「チラシを配布すればある程度の集客が見込めるだろう」と考えがちです。しかし、チラシを配れば必ず集客や売上につながるとは限らないため、1つの方法だけに頼りすぎないことが大切です。

たとえば、洗剤を販売しようと考えている場合、チラシで写真や文章を掲載して集客や購入を促すよりも、イベントなどを開催して消費者の目の前で洗剤の洗浄力を見せるといった販促方法のほうが効率的に売上を伸ばせる場合もあります。販促方法はたくさんあるため、あくまでチラシ販促は販促手法の一部であると理解しておくことが大切です。

配布エリアや方法を決めておく

魅力的なチラシを制作しても、配布エリアを間違えると期待通りの成果が出せなくなるので注意が必要です。

たとえば、宅配クリーニングサービスの注文数を増やそうとチラシを制作した場合、対象エリアが広い事業にも関わらず店舗周辺にしかチラシを配布していなければ、注文数を伸ばすことはできないでしょう。また、地域密着型のラーメン店のように、店舗周辺エリアの顧客をターゲットに設定しているにも関わらず広範囲にチラシを配布してしまうと、集客の費用対効果が低下しかねません。

このようにチラシの配布エリアは、お客様が来店する可能性がある範囲に合わせて選定する必要があります。配布前に、店舗周辺の人口やターゲットが住んでいるエリア、消費者の移動手段といった情報を徹底的に調査しておくことが重要です。

レイアウトにあわせて情報を考えるのは禁物

デザイン性の高いチラシを制作しようと、先にレイアウトを考えてから掲載する情報を入れようとする人は多いです。しかし、レイアウトにあわせて掲載する情報を考えると、不要な情報が含まれたり、必要な情報が入れられなかったりする危険性があるので注意が必要です。まずはどの情報を入れるべきかを考えるようにしましょう。

ターゲットに設定する消費者がどのような悩みを抱えており、どのような商品やサービスを求めているかをよく考えることで、掲載すべき情報が明確になります。掲載する情報が決まったら、どのようなレイアウトで情報を伝えればチラシを手に取ってもらえるか、チラシを読み進めてもらえるかを考えていきましょう。

競合との差別化ができているかチェックする

チラシ販促をおこなっている企業はたくさんあるため、内容によっては他社とかぶってしまい、消費者に注目されにくいチラシに仕上がる危険性があります。たくさんの情報を盛り込んで魅力をアピールしたい気持ちも分かりますが、企業ならではの強みをしっかりアピールできるように制作することが重要です。制作したチラシを第三者に読んでもらい、客観的な評価を確認してみるのもよいでしょう。

販促チラシの効果を測定する

販促チラシを配布して満足する人も多いですが、より効果的に集客や売上アップにつなげるためには、販促チラシの効果を測定することが大切。単に「先月よりも売上が伸びた」や、「前年と比較して来客数が増えた」といった曖昧な評価では、今後の販促戦略に活かすことはできません。

具体的には、顧客に来店のきっかけをアンケート調査したり、チラシにクーポンを添付することで、クーポン利用者数を計測するといった方法でチラシ販促の効果を測定できます。DMやSNS限定のクーポンも配布して、それらの販促効果と比較するといった方法も、よりよい販促を考えることにつながるでしょう。

販促チラシのデザインを制作する方法とは?

ここまでチラシを制作する際のコツや注意点を紹介してきました。それでは、チラシのデザイン制作はどこに頼めばよいのでしょうか。一般的には以下の3つの方法でチラシのデザインを制作できます。

これらの方法ごとの特徴を理解しておけば、企業の状況に適した手段で販促チラシを用意できるようになるはずです。ここからは、販促チラシを制作する方法について詳しく説明します。

販促チラシの制作業者に依頼する

販促チラシの制作を外部の業者に委託すれば、本来の業務に専念しながら販促チラシを用意できます。実績のある業者であれば、過去の経験をもとに、集客力とデザイン性を兼ね備えたチラシを作ることができるでしょう。

しかし、制作業者に依頼するためにはそれなりのコストがかかります。業者によっては自社のブランドイメージがしっかり伝わらないケースもあるので、入念に打ち合わせする必要があります。

自社でデザインする

企業内にデザインを専門とする部署や担当者がいる場合、制作業者に依頼せずに販促チラシを用意できます。制作業者に依頼するよりも費用を抑えやすく、企業が伝えたいブランドイメージもしっかり反映できるでしょう。

ただし、販促チラシの制作を得意とする人が企業内にいない場合、見映えが悪くアピール力の弱いチラシに仕上がることも…。社内にデザイナーがいない場合は、予算を確保し、外注することをおすすめします。

クラウドソーシングで外注する

販促チラシの制作をクラウドソーシングで依頼すれば、制作業者に依頼するよりもコストを大幅に抑えることが可能。複数のデザインを応募して好みのものを採用できるので、コストパフォーマンスの優れた制作方法だといえます。

しかし、クラウドソーシングに登録しているデザイナーはたくさんいるので、企業に適したデザイナーを見つけるのは簡単ではありません。場合によっては納得いくデザインを納品してもらえないケースもあるので、慎重に利用する必要があります。

まとめ

ここでは、販促チラシがどのようなものか、魅力的な販促チラシを制作するコツや注意点などについて説明しました。

成果につながる販促チラシを制作するためには、消費者目線で掲載内容やデザインを考えることが大切です。ここで説明した内容を参考にして、消費者に魅力を感じてもらえるような販促チラシをつくれるようにしておきましょう。

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