どんなに評判の整骨院・接骨院でも、近隣に競合が増加してくればこれまで通りの集客をキープするのは難しいものです。しかし、整骨院・接骨院には広告規制があるため、大々的な広告展開によって集客を図れないというのが悩みどころです。
今回は、整骨院・接骨院が効果的で適切に集客を図るにはどのようにすればよいのか、競合と差別化を図るための方法をご紹介します。
目次
整骨院・接骨院の集客が難しい理由
厚生労働省の「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、あん摩、マッサージ及び指圧を行う施術所等数の年次推移として、柔道整復の施術所は増加し続けています。令和4年時点での施術所は78,827か所で、令和2年から3,041か所(4.3%)も増加していることになります。これは、過去に柔道整復師養成施設開設の規制が緩和されたことで、さまざまな業態や専門学校が参入し、柔道整復師や整骨院・接骨院の数が急増したことも理由の一つとして考えられています。
そのため、現在は整骨院・接骨院の数が飽和状態となり、競合との明確な差別化の必要性が生じているのです。
参考:令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省
ターゲットを3種類に分けて考える
整骨院・接骨院において集客のアプローチ方法を考える場合、新規患者と既存患者、しばらく来院のない休眠患者の3つのタイプに分けて考える必要があります。それぞれのアプローチ方法にどのような違いがあるのか説明していきます。
新規患者
新規患者の獲得には、まず自院のことを知ってもらい「行ってみたい」と思わせる工夫をすることが必要になります。WEB上での情報収集が主流となっている現代において、新規のサービスを利用する際はWEB上で検索をしたり、口コミで聞いたりして訪れるという方が多くみられます。整骨院・接骨院についても同様で、自院の存在を知らない新規患者には、まずは知ってもらうためのアプローチを行うことが重要です。
WEB上でのアプローチであれば、ホームページの設置やGoogleマップに表示させるようにする方法、またはSNSでの口コミを活用する方法が考えられます。また、近隣の方や通りすがりの方へのアプローチとして、接骨院・整骨院であることが目に留まるような旗の設置や、自院の場所がはっきり伝わるような看板の設置などを行うこともおすすめです。
既存患者
すでに自院を利用したことがある既存患者に対しては、定期的に来院してもらえるようにするためのアフターフォローがポイントとなります。
例えばSNSや口コミなどを活用し、口コミを記載してくれた方には次回分のサービス券を提供したり、「ご紹介キャンペーン」として、新規患者を紹介してくれた場合には割引特典を提供したりするなど、何度も通うことへの特典を用意して、再来院を促すと良いでしょう。
休眠患者
しばらく来院のない休眠患者へのアプローチは、「思い出してもらうこと」がポイントです。
DMやチラシ、SNSを活用して、「その後おかわりありませんか?」といった休眠患者への気遣いと共に、新たなメニューの紹介や割引特典をつけるなどのアプローチが有効です。
オンラインで集客する方法3選
- SNS
- ホームページ
- Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)
整骨院・接骨院の集客方法の一つとしてWEBを活用する方法があります。ここでは、低コストで行えるオンラインの集客方法をご紹介します。
SNS
幅広い年齢層が利用するSNSは、今では個人間の交流以外に、情報収集・発信の手段として主流となっています。SNSは拡散力が強く、即効性もあるため、新規患者への自院の紹介はもちろん、タイムリーなイベントのお知らせに向いています。
中でも主要SNSの一つであるLINEでは、公式アカウントを作成することでさまざまな手段を活用できます。友だち登録をした患者限定でクーポンを進呈したり、キャンペーン情報を配信したりできる他、空き情報を発信することで既存患者や休眠患者へ来院を促すことも可能です。
集客にSNSを活用する方法はこちらの記事でも詳しく解説しています。
ホームページ
新規患者や潜在層など、自院のことを詳しく知らない人々に対してオンライン上でアプローチする場合、ホームページを持っていることは大きな強みになるでしょう。ホームページを持つことで、治療内容や価格、アクセス方法などの基本情報をまとめて伝えることができます。さらにお役立ち情報やスタッフのひとり言などのようなブログを定期的に掲載することで、ホームページそのものが自院の資産となるのです。
集客につながるホームページ作成のコツについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
また、ホームページ運営を行ううえで重要なのがSEO対策をしっかり行うことです。自院の存在をまだ知らないままで整骨院・接骨院の検索を行う際、多くの人は検索エンジンで「整骨院と地名」と調べたり、急な怪我で余裕がない場合は「怪我名と地名」で調べたりします。その際の検索結果の上位にホームページやブログを表示されるように行う対策がSEO対策です。SEO対策を行って自院のサイトが上位に表示されることでユーザーの目に留まる可能性が増えるため、認知度アップや集客効果に大きな影響をもたらします。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)とは、自身のサービスや店舗を周知するのに向いているツールです。Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に登録することで、GoogleマップやGoogle検索といったGoogle内のサービスに自院の名称や電話番号、地図などといった情報を表示させることができます。さらに自院の情報を表示させるだけでなく、口コミを表示させたり、口コミに対する返事を記載したりすることができ、その場で患者とのコミュニケーションを図ることが可能です。
また、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)のサービスとして、自院の検索数や閲覧数などの分析情報を知ることができるので、分析結果にあわせた情報の更新が可能です。
Googleマイビジネスについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
オフラインで集客する方法4選
- チラシ
- 看板・旗
- イベント
- 口コミ
地域を問わずさまざまな層にアプローチするオンラインでの集客方法に加え、近隣住民や通りすがりの人などへのアプローチ方法もあわせて行うことで、確実で手堅い集客を狙うことも大切です。ここでは、オフラインでの集客方法をご紹介します。
チラシ
整骨院・接骨院のターゲット層は、SNSを情報源として使いこなす顧客層や世代だけでなく、新聞や折り込みチラシを主な情報源として購読する顧客層の方も含まれます。よって、新聞折込としてチラシを配布すると、SNSやWEBだけでは獲得できないような顧客層にアプローチできる可能性があります。
また、チラシの配布手段にポスティングがありますが、ターゲット層を問わずに近隣住民への開院告知を行うにはおすすめです。
ただし、整骨院・接骨院が広告を作成する際には、広告表現の規制が法律で定められているので注意が必要です。
看板・旗
整骨院・接骨院の外観は、パッと目を引くような派手なものではなく、目立たずシンプルな外観がほとんどです。そのため、遠くからでも通りすがりの人が自院の存在に目を留め、新規患者が迷わず入室できるように、看板や旗があると便利です。
看板は入り口の上部に設置するタイプだけでなく、路上に置くタイプのものもあります。ビルの一角にある場合はビルの入り口に設置することで何階にあるかがひと目で伝わり、黒板タイプのものであればキャンペーン情報や時間帯別の空き状況を記載するなどさまざまな利用法が考えられます。
一方、旗はひらひらと風になびく動きが通行人の目に留まりやすいので集客には効果的です。安価で作成でき、既製とオリジナルを選べます。
看板も旗も路上に設置するタイプのものは、歩道の狭い場所では通行人の妨げにならないように、状況によってふさわしいものを選ぶと良いでしょう。
イベント
住宅街などにある整骨院・接骨院の場合は、地域で開催しているイベントに参加することで、自院のアピールにつながることがあります。
文化祭や運動会、清掃などの地域貢献活動に積極的に参加して会話をし、自院の存在を知ってもらうだけでも大きなアピールになります。また、ハロウィンやクリスマスなど季節イベントにあわせて外装や内装をアレンジして既存患者の目を楽しませることが満足度につながり、口コミで広まるという効果も期待できます。
口コミ
整骨院・接骨院を選ぶ際には、やはり見た目よりもスキルや満足度といった中身を重要視するため、家族や知人などの口コミを参考にする場合が多いです。通いやすく続けやすいというのも重要なので、既存患者がいかに満足して通院を続けているかというのは口コミにおける大切な要素といえるでしょう。
その反面、自分が通っている整骨院・接骨院の評判が広がりすぎて希望の予約時間が取れなくなってしまうのを避けたいあまり、それほど多くの人に整骨院・接骨院の良さを伝えないという既存患者もいるかもしれません。その気持ちも考慮しつつ、口コミや紹介をしてくれた患者に対しても感謝の気持ちを伝えるという双方への配慮を忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は、整骨院・接骨院の効果的な集客方法について、整骨院・接骨院の現状とあわせて紹介しました。
整骨院・接骨院や柔道整復師の数が増え続ける中で経営を続けていくには、競合との差別化を図る必要があります。差別化を明確にしたうえで患者へ来院をアプローチするには、新規患者、既存患者、休眠患者の状態によって異なりますが、まずは自院を知ってもらう、思い出してもらうということが大切です。
集客を促すアプローチ方法には、ホームページやSNSなどを用いたオンラインでの方法と、チラシや看板、口コミなどのオフラインでの方法があります。ただし、一部内容などにおいて規制もあるため、実施する際には注意が必要です。
いずれにしても、整骨院・接骨院の存在は患者の身体を守るためにあります。患者が通いやすいと感じ、周囲にも整骨院・接骨院の魅力を伝えやすくなるような集客方法を検討してみてはいかがでしょうか。
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