店舗集客に有効な手段として、チラシ配布や旗の設置などさまざまなツールが考えられる中で、最近導入する店舗が増えているのがスマートフォン(以下、スマホ)を活用した「店舗集客ツール(アプリ)」です。
今回は、店舗集客ツールがどのようなものか、導入するメリットやデメリットをはじめ、おすすめのツールも紹介していきます。
目次
店舗集客ツール(アプリ)とは何か
店舗集客ツールとは、店舗集客に効果的なスマホアプリを指します。アプリに搭載されている機能を活用することで、顧客に対するコミュニケーションや情報発信を行うことができます。従来紙ベースで行っていたポイントカードやクーポンもアプリの機能として搭載されています。
顧客側にとっては、これまでお財布がパンパンになる原因だった紙類をアプリ一つにまとめることができ、店舗側にとっては管理が煩雑になることが減る上に情報発信が楽に行えるという、双方にメリットのあるアプリケーションです。
集客ツールが必要な理由
店舗集客ツールが今後必要とされるのはどのような理由があるのでしょうか。
スマホ利用者の増加
総務省による「令和2年版 情報通信白書」によると、2019年における世帯の情報通信機器の保有状況は、世帯のスマートフォンの保有率がモバイル端末全体のうちの83.4%を占め、さらに個人のスマートフォンの保有率は67.6%という結果になりました。
前年の2018年以降と比較をすると、スマートフォンの保有割合が年々上昇傾向にあります。このことからも、スマホアプリを活用しているユーザーが多くなると予想されます。
参考:総務省|令和2年版 情報通信白書|情報通信機器の保有状況
アプリ登録をきっかけに来店を促せる
NTTコムオンラインが2018年に10代から70代の男女1058名を対象に行ったアンケートでは、「店舗アプリのインストールをきっかけに行動に変化があった」と回答した64.1%の回答者のうち、38.9%の回答者が「店舗に来店する頻度が増えた」と答えています。つまり、店舗集客ツールを導入することにより、リピーター獲得の見込みも考えられるといえるでしょう。
参考:店舗アプリはユーザーの行動にどんな変化をもたらすのか:小売店 業種別 公式スマホアプリ調査2018 秋 – スマホアプリ開発 | NTTコム オンライン
集客ツール利用のメリット
店舗集客ツールを導入・活用することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
- プッシュ通知で直接顧客に情報を届けられる
- リピーター獲得につながる
プッシュ通知で直接顧客に情報を届けられる
「プッシュ通知」とは、スマホのロック画面に更新情報やセール情報などのメッセージを表示させる機能のことです。プッシュ通知は表示時刻やターゲットの設定ができるため、メッセージを届けたい顧客だけに直接通知をすることができ、届いたメッセージをタップするだけでアプリを起動できるので顧客のアクションを促しやすいという特徴もあります。
リピーター獲得につながる
店舗集客ツールをダウンロードすることで顧客が特典やサービスを受けられるという流れで顧客を獲得し、さらに利用回数が増えることでポイントやレベルが上がるなどのポイント制度にすれば、リピーターの確保につながります。
店舗集客ツールの導入は、リピーターの獲得と店舗利用の回数を増やすという営業活動を同時に行うことができることが大きなメリットです。
集客ツール利用のデメリット
店舗集客ツールを活用することで生じるデメリットとしてはどのようなものが挙げられるのでしょうか。
- アプリをインストールするハードルが高い
- ツールによってはコストがかかる
アプリをインストールするハードルが高い
新規顧客が店舗集客ツールを利用するには、アプリストアにアクセスしてアプリをダウンロードするという手間を経なければなりません。さらに、自分のスマホにはいろいろなアプリを入れたくないという顧客や、スマホの通信データ量に制限があるという顧客は、新たなツールをインストールするのをためらってしまう場合もあります。
インストールにハードルの高さを感じる顧客に対しては、新規ダウンロードの特典をつけるなど新たなキャンペーンを設けることが有効といえるでしょう。
ツールによってはコストがかかる
店舗集客ツールの中には、もともと無料なものや無料プランを用意しているものなどがあり、それらを活用すればコストをかけずに店舗集客を行うことができます。一方で、店舗独自のデザインや機能を設けたい場合には、アプリ開発の知識を持った人材の確保や外部へ依頼する外注費といった開発コストがかかります。どの程度の独自性をツールに求めるかという考慮が必要でしょう。
集客ツールを活用する前に行うこと
店舗集客ツールを導入するには、最大限に活かすための作戦を練ることが重要です。次に紹介する二つのポイントについて、具体的に検討しておきましょう。
顧客ターゲットを考える
自店の顧客層の中でも、店舗集客ツールを通じて訴求できそうなターゲットを検討してみましょう。例えば新聞を購読するような年齢層である場合には、スマホアプリではなくチラシ配布の方が効果的な場合もあります。一方、デジタルネイティブといえる年齢層であれば、アプリをフルに活用してもらえる可能性が高く、画像や動画での訴求であればSNSも同時に活用する手段も考えられるでしょう。
顧客が求めているものは何かを考える
自店の顧客がアプリをインストールするのは何が目的であるかを把握することも重要です。例えば、店舗のアプリをインストールする理由として考えられるものには「お得なクーポンを獲得するため」や「ポイントを貯めるため」などがあります。さらに、顧客とのコミュニケーションの中で推測してみたり、実際にアンケートをとってみたりするなどで、顧客の求めているものを知ることも有効といえます。顧客にとってそのアプリを使う価値がどれほどあるのか、またそう感じる顧客がどのくらいいるのかを考えてみましょう。
おすすめの集客ツールを比較
自店に適した店舗集客ツールを見つけるのは、初めての導入であればなかなか難しいものです。ここでは、無料で利用できるツールや細かな分析が可能なツールなどおすすめの店舗集客ツールを紹介します。
LINE公式アカウント
日本国内の月間アクティブユーザーが8,900万人以上というコミュニケーションアプリ「LINE」の中で、ユーザーと企業・店舗間のコミュニケーションツールとして提供されている機能が「LINE公式アカウント」です。顧客にお得な情報を直接届けられるだけでなく、顧客の質問に答えられる1対1のチャット機能や、クーポンやショップカードの機能もついており、月額固定費無料のフリープランもあります。
(2022年1月時点)
参考:【公式】LINE公式アカウント|LINE for Business
みせめぐ
「みせめぐ」とは、POSレジメーカーの「ビジコム」が開発した店舗集客ツールです。導入費用も基本機能もランニングも完全無料で、デジタル会員証の発行から、店舗の基本情報やおすすめメニューなど情報満載の店舗ページの作成もできます。さらにビジコムのPOSレジを導入することで顧客・売り上げ管理からポイント管理も細かく運用することが可能になります。
(2022年1月時点)
参考:【完全無料】店舗アプリ「みせめぐ」| みせめぐなら、無料でもここまでできる。
GMOおみせアプリ
GMOデジタルラボ社が提供する「GMOおみせアプリ」は、2,800社・8,000店舗以上の導入実績を持つ店舗集客ツールです。先に紹介したプッシュ通知などの来店促進や、スタンプやポイント制による再来店強化、キャッシュレス機能にも対応できます。初期費用以外は有料ですが、導入時の操作から運用時のサポートまで専門スタッフが対応してくれるので店舗集客ツールを初めて導入する場合にもスムーズに運用できます。
(2022年1月時点)
参考:【GMOおみせアプリ公式】店舗アプリ作成実績8,000店舗突破!
店舗アプリ
「店舗アプリ」は株式会社トランスメディアGPが運営する店舗集客ツールです。初期費用・月額費用とも有料ではあるものの、企画段階からリリースまで全面サポートしてくれる上に、最短で20日間で開通できるスピード感も人気があり、小売店・スーパー・飲食店はもちろん、スクールや自治体などの活用事例があります。ポイントカードや会員証機能だけでなく、ECや注文決済などの機能も充実しています。
(2022年1月時点)
参考:店舗アプリ-【公式】|実績No.1 900社8,000店舗以上!収益を加速するアプリ開発プラットフォーム – 店舗の収益を加速するアプリ/PWA開発
まとめ
今回は、スマホを活用した店舗集客ツールについて、メリット・デメリットやおすすめアプリなどを紹介しました。
店舗集客ツールは、顧客への情報発信だけでなく、これまで紙で行っていたようなポイントカードや会員証発行などもアプリ一つで管理することができます。店舗のホームページを別途作成しなくても画像やメニューを紹介できるような独自のページを作成でき、売り上げ管理や顧客管理などの運用面もサポートしてくれる機能も充実しています。
店舗集客ツールの導入が初めてという場合は、最初は無料で行える範囲だけを活用して、慣れてきたら有料の機能を使ってデータ分析など細かな運用を進めることも可能です。
まずは簡単なところから始めてみて、店舗集客ツールの便利さを体験してみてはいかがでしょうか。
記事のURLとタイトルをコピーする