「電子決済」は、ショッピングサイトだけでなく、実店舗でも利用されるようになっているサービスです。商材を扱う店舗経営者にとっては、電子決済サービスがお客様や店舗側にどのような影響をもたらすかを知りたいという方もいるでしょう。
今回は、電子決済の意味や種類、メリットなどについて詳しくまとめていきます。
目次
電子決済とは?
「電子決済」は、世の中のキャッシュレス化とともに認知されてきている言葉です。まずは「電子決済」という言葉の意味やサービスの種類、支払い方法の違いについて紹介します。
現金を使わずに行う決済方法
電子決済とは、現金ではなく電子的なデータなどの送受信によってとられる決済方法のことです。「キャッシュレス決済」とも呼ばれています。2019年(令和元年)に総務省から「キャッシュレス決済の推進」が掲げられるなど、国からも普及を進めるような働きかけがあるため、今後より一般的な決済手段となっていく可能性があると考えられます。
参考:総務省|令和3年版 情報通信白書|キャッシュレス決済の推進
電子決済サービスにはさまざまな種類がある
現在国内で使われている電子決済サービスの種類は数多くあります。種類ごとにさまざまな企業のサービスが展開されているため、店舗は複数種類の電子決済サービスを導入しているケースが多いです。大きく分けると、下記のような決済サービスが普及しています。
電子決済サービスの種類 | 特徴 | 決済手段 |
---|---|---|
クレジットカード決済 | カードを用いた電子決済方法。カード会社が一時的に料金を立て替える。 | – |
デビットカード決済 | カードを用いた電子決済方法。利用後口座から料金が引き落とされる。 | – |
電子マネー決済 | あらかじめ入金などを行った電子マネーを使う電子決済方法。 | Suica nanaco iD など |
コード決済 | QRコードやバーコードをアプリで読み取る電子決済方法。他の決済方法と紐づけて利用ができる。 | PayPay 楽天Pay LINE Pay など |
モバイル決済 | モバイル端末を、専用端末にかざして使う電子決済方法。モバイル決済サービスなどを利用して、クレジットカードや電子マネーと紐づけられる。 | Apple Pay Google Pay など |
支払い方法による違い
また、電子決済はサービスによって支払い方法が異なるということも押さえておきましょう。電子決済サービスの支払い方法は以下の3種類に分けることができます。
支払い方法 | 特徴 | 決済手段 |
---|---|---|
プリペイド方式 | 先に現金をチャージして使う方式で、「先払い方式」とも呼ばれている。支払いはチャージした分のみ使え、小額の決済におすすめ。 | 電子マネー決済 |
ポストペイ方式 | 決済直後ではなくあとから利用代金が請求される方式で「後払い方式」とも呼ばれている。チャージが不要な点はプリペイド方式に比べて便利だが、利用に審査が必要なケースもある。 | クレジットカード決済 キャリア決済 モバイル決済 |
リアルタイムペイ方式 | 「ジャストペイ」や「即時払い」とも呼ばれ、その名の通り決済処理を行った直後に口座から代金が引き落とされる方式。現金を使うような感覚で使える。 | デビットカード決済 銀行ネット決済 |
ICカードや磁気カード、バーコードなどといった決済に使うための道具を決済インターフェースと呼びます。上記の表のように決済手段が異なれば、インターフェースを読み取る装置も異なるので注意しましょう。端末によっては複数のインターフェースに対応している場合もあります。
キャッシュレス決済の仕組みや支払い方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
https://www.i-nobori.com/media/4826
電子決済サービスを導入する店舗のメリット
それでは、実際に電子決済サービスを導入すると店舗にどのような利点があるのでしょうか。考えられるメリットを挙げていきます。
- 新規顧客の獲得
- 会計の効率化
- 現金管理の負担軽減
新規顧客の獲得
電子決済サービスを導入すると、お客様が利用している決済サービスに対応できる範囲が広がります。予め利用できる電子決済サービスがわかれば、「現金を持ち歩かず電子決済できるお店のみ利用する」といったお客様も店に入りやすいです。電子決済を使う新規顧客のニーズにも応えることができます。
会計の効率化
電子決済は、現金の受け渡しよりも短い時間で決済が完了する傾向があるため、レジの混雑緩和や会計の効率化が期待できます。サインや暗証番号などの必要のない電子決済であれば、より会計のスピードが上がります。
現金管理の負担軽減
現金払いの場合、従業員が直接金額を確認し、レジ入力やお釣りを渡すなどの作業を行いますが、電子決済ではそもそも現金を取り扱う必要がないため、人為的な未回収リスクを軽減する効果が期待できます。決済内容の記録が自動で残せるサービスもあるため、現金管理の負担が減るのもメリットです。
電子決済サービスを導入する店舗のデメリット
反対に、電子決済サービスを取り入れるにあたり、気をつけなければいけないこともあります。以下では電子決済のデメリットとして挙げられるポイントを紹介するので、導入の際は気をつけながら利用しましょう。
- 電子決済サービスごとに契約が必要
- 入金までに時間がかかる
電子決済サービスごとに契約が必要
顧客のニーズに応えるため幅広い電子決済サービスに対応したいものですが、そのためには電子決済のサービスごとに契約する必要があります。決済サービスの導入費用は5万円前後が相場になっていますが、月額費用や決済手数料がかかる場合でも初期費用0円のところもありますので、手続きの手間や費用、時間など、各店舗にあったサービスを見極めて選定するのがおすすめです。場合によっては複数の端末を扱うことになってしまうので、会計時の負担も考えて導入しましょう。
入金までに時間がかかる
電子決済サービスを介して得られたお金は、入金にタイムラグが生じます。入金のタイミングも、サービスを行なっているブランドによって異なるため、月に何回、いつ、どの日の売上が入金されるかなどをしっかり確認し、資金繰りを考えましょう。
電子決済サービスを利用するお客様のメリット
顧客にとって電子決済サービスがどのようなメリットがあるかを知っておくことも大切です。続いては、電子決済サービスがもたらすお客様にとっての利点を解説していきます。
- 現金不要で支払いがスムーズ
- お金の使い道を確認しやすい
- ポイントが利用できる
現金不要で支払いがスムーズ
電子決済が使えれば、かさばる現金を持ち歩いたり、レジでいちいち出し入れしたりする手間かかりません。サービスによっては、端末にインターフェースをワンタッチするなど、比較的スピーディーに決済ができます。支払いがスムーズに行えることが電子決済の魅力です。
お金の使い道を確認しやすい
電子決済は決済履歴の自動記録を確認したり、アプリに連動したりとサービスによって便利な機能が設けられているケースがあります。電子決済サービスとの連携が可能な家計簿アプリを利用することも可能です。お金のやりくりを端末で簡単に確認できるのも電子決済サービスのメリットです。
ポイントが利用できる
電子決済を利用することで、支払いに利用できるポイントが還元されるサービスも少なくありません。チャージをクレジットカードで行うことでポイントが二重でもらえる、といったメリットが用意されているサービスもあります。溜めたポイントを利用して、さらに買いものや特典を得られるのも電子決済の強みといえます。
電子決済サービスを利用するお客様のデメリット
お客様にとって電子決済にデメリットを感じる場面もあります。以下では、電子決済サービスを利用するうえでのデメリットについてまとめています。
- 利用できるまでに手間がかかる
- お店によっては利用できない
利用できるまでに手間がかかる
ポストペイ方式の電子決済は、そもそも利用するために信用調査などの審査が入る場合があります。カードは発行までに時間がかかったり、プリペイド方式の電子決済サービスは事前に利用金額をチャージする必要があったりと、利用できるまでに手間がかかるのが特徴です。
お店によっては利用できない
利用している電子決済サービスを店舗側が導入していない限り利用はできません。広く普及しているサービスであれば利用できる可能性も高いですが、比較的新しい電子決済サービスなどの場合、利用したくても利用できないというケースがあるのが難点です。
電子決済を導入する方法とは?
以下では、実際に電子決済を店舗に導入する方法について紹介します。契約を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
電子決済サービスと直接契約する方法
一つ目は電子決済サービスと直接契約する方法です。各サービスごとに申請が必要でそれぞれ審査があります。審査の内容や運用方法、契約内容などはサービスごとに異なるため、事前にしっかり確認が必要です。個人や法人によって手続きに必要なものなどが異なるケースもあるのでチェックしておきましょう。
決済代行サービスと契約する方法
手続きや審査などは難しいという方は、決済代行サービスを挟んで契約する方法もおすすめです。1つの決済代行サービスと契約するだけで、代行サービスが対応している電子決済サービスを複数利用したり、契約が一元化されて入金などが統一できたりというメリットがあります。
1台の端末でさまざまな決済手段に対応できる「スマレジ・PAYGATE」
さまざまな電子決済を1台の端末で対応したいという方は、クレジットカードや電子マネー、QRコードなど複数種類の決済が行える、マルチ決済端末の「スマレジ・PAYGATE」がおすすめです。決済手段ごとにサービスを契約したり、端末をいくつも用意したりせずに済みます。国内30種類以上の主要決済ブランドが利用できるため、多くの顧客のニーズに応えられるでしょう。
端末は取り扱いやすい小さなタイプでAndroidが搭載されており、スマホのような直感的な操作が可能です。また、プリンター内蔵で周辺機器も必要としないため、テーブルや屋外などに手軽に持ち運んで決済することもできます。
初期費用は0円で、端末代も0円になるキャンペーンなども行っているため、電子決済を導入したいという方はぜひ検討してみてください。
まとめ
現金のやりとりが必要のない電子決済サービスには、決済形式やインターフェースにさまざまな種類があります。普及されていくほど店舗で導入を検討する人も増えていくでしょう。
導入を検討している方は、今回の記事を参考に、店舗に取り入れるメリットやお客様へのニーズを考慮しながら自店に最適な電子決済サービスを選びましょう。
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