展示会は、企業のサービスや商品の魅力を伝えられるチャンスの場です。しかし、ただ出展するだけで成功するわけではなく、準備や集客などさまざまな方面に力をいれる必要があります。今回は、展示会の企業の失敗例や集客のポイントなどをまとめました。自社の展示会を控えている方や考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
展示会集客でのよくある失敗と理由
まずは、展示会でうまく集客ができず失敗に終わってしまう企業のよくあるケースをご紹介します。失敗ごとに原因や対応策もまとめているので同様の問題が起こらないように配慮しましょう。
- 出展することが目的になってしまう
- 事前の集客をおろそかにしてしまう
- ブースのコンセプトがあやふや
- スタッフの対応や雰囲気が悪い
- 見込み客が展示会に来ない
出展することが目的になってしまう
よくある失敗は、展示会の出展自体が目的になってしまい、手段が目的にすり替わってしまうことです。何のために出展するのかだけでなく、誰に何をアピールするのか、売上目標はどのくらいかなどの具体的な目的を明確にしましょう。
事前の集客をおろそかにしてしまう
集客は当日だけではなく、前もって行うことが大事です。既存顧客や、自社業界に興味があると考えられる企業の人など、出展する前からアプローチできる見込み客に展示会への出展を伝えましょう。商談に繋がる見込みがある顧客には、ピンポイントで集客を行うことが大切です。
ブースのコンセプトがあやふや
展示会においてブースののコンセプトがあやふやだと、全体の一貫性が失われやすいです。ブースの設計は顧客への訴求力にも影響するため、「何のブースか」「何に力を入れているのか」がターゲットにわかりやすいデザインにしましょう。
コンセプトは、出展目的やターゲットを明確にすると定めやすいです。ブースに用意するコンテンツもコンセプトに沿って取捨選択しましょう。
スタッフの対応や雰囲気が悪い
いくら魅力的なブースを作り上げても、スタッフの対応や雰囲気が悪いと近寄りがたくなってしまいます。挨拶や声がけ、興味をもっていただいた顧客へのフローなど、来場者の視点に立って、雰囲気の良いブースになるようにオペレーションを工夫してみましょう。
見込み客が展示会に来ない
展示会は、新規顧客獲得にもつながる重要な場です。見込み客が来なければ、新規顧客が得られる可能性もその分だけ減ってしまいます。展示会の種類によっては、購買ではなく情報収集をしにくる来場客が多い場合もあるため、出展する前にどんな人が訪れる展示会なのかをリサーチしておきましょう。
展示会での集客に必要な考え方
続いては、展示会での集客に必要な考え方を解説します。実際に出展を決めたり施策を行う前に押さえておきましょう。
- 何のために出展するのかを明確にする
- 目的の達成度がひと目でわかる指標を設定する
- 展示会に足を運ぶ人のニーズを汲み取る
何のために出展するのかを明確にする
展示会はあらかじめ目的をはっきりさせておくことで、やるべきことが明確になりやすいです。目的が決まれば、具体的な見込み客も見えやすくなります。ターゲットは、年代や性別、職業などなるべく詳細に考えましょう。
ほしい情報がインターネットで簡単に手に入る時代だからこそ、展示会への来場者はそれぞれ明確な目的があったり、会場にしかない価値を求めていたりするケースが多いです。ターゲットである来場者の視点になってブース作りや対策を行えば、成功のビジョンも見えやすくなります。
目的の達成度がひと目でわかる指標を設定する
出展の目的が明確化されていれば、何をもって「成功」と考えるのかも見えてきます。しかし、スタッフの立場や考え方によって「それぞれにとっての成功が違ってしまう」ケースがあるため、販売数や売上、顧客満足度など指標を明らかにして目指すゴールを統一しましょう。
また、指標が明確化されていることで効果測定が容易になり、次回出展時の参考としても役立てられます。
展示会に足を運ぶ人のニーズを汲み取る
展示会に訪れるお客さまの多くは、さまざまなブースを見て回るために来ているため、来場者ごとのニーズを汲み取ることが大切です。展示会のテーマによって、訪れる客層や興味関心の領域は異なるので、出展予定の展示会の主な客層を把握しましょう。お客さまのニーズや心理を適切に把握することで、展示会の集客に効果的な施策が見えてきます。
展示会までの事前準備
事前準備段階での主な集客施策は告知です。具体的にはダイレクトメールやEメールの送付、自社サイトやSNSを通じたインターネットを通じての告知が挙げられます。設定したターゲットに対して効果的にアプローチできるものを選びましょう。
なお、宣伝や告知の対象となるターゲットの中でも、実際に展示会に足を運びそうなユーザーを狙って情報を届けられるかが重要です。会場に近い地域やアクセスが良い場所に住んでいるユーザーや、自社の展示やイベント自体に興味を持っていると思われるユーザーなど、あらゆる視点から考えて来客が見込める層に訴求していきましょう。
展示会当日のアプローチや仕掛け
準備が終わったあとは、いよいよ展示会の当日の内容を詰めていきます。以下では、アプローチの方法や仕掛けの用意などについてまとめています。
ブースの印象を良くする工夫をする
ブースは、近くを通ったお客様が思わず目を止めてしまうようなデザインに仕上げましょう。視認性の高い看板や、照明・音響の配置、お客様の導線を意識したレイアウトなどを考慮しながら、見込み客に対して効率的なアピールを行うことが重要です。
また、どれだけ準備をしていても本番にトラブルはつきものです。展示会が数日にわたる場合は、お客様の生の反応を振り返りながら、翌日以降のレイアウトなどを変更していく柔軟さも大切になります。
見込み客の足を止める仕掛けを用意する
会場内を行き交うお客様の足を止める仕掛けを考えておきましょう。ノベルティの配布やチラシ配り、声がけ、実演などを利用して集客を試みる方法があります。いずれもただ行えば効果が出るという集客方法ではありません。特に、ノベルティを配布する場合は展示内容に興味がないお客さまも呼び寄せてしまう可能性があることを留意しておきましょう。
スタッフのオペレーションの質を高める
スタッフの対応や印象が悪ければ、当然興味をもったお客様も離れていってしまいます。社員であるかに関わらず、会場で集客や接客などに携わる全てのスタッフのオペレーションは明確にしておきましょう。全員が気持ちの良い振る舞いを徹底することで、集客への貢献が期待できることはもちろん、ブース来訪後の企業イメージアップにも繋げられるでしょう。
SNSを活用する
SNSを活用し、インターネットユーザーを集客する方法もあります。年代や性別など、会場に足を運ぶ見込み客の属性によって利用しているSNSの傾向や使用方法なども異なるので、ターゲットを事前に確認しSNSの種類や投稿内容などを考えましょう。
前日に告知をするだけでなく、当日の様子を実況形式で投稿したり、ライブ配信やインフルエンサーを活用する方法などもあります。正確な情報提供と、定期的な投稿が大切です。
展示会が終わった後のフォロー
見込み客の「次のアクションを促す」という意味において、展示会が終わったあとのフォローアップも重要です。フォローのやり方は、ステップメールやメルマガの活用などが例として挙げれます。
連絡先を獲得した見込み客全員に同じ対応を行うのではなく、それぞれに適切なフォローを行うことが重要です。例えば、「購入や契約への決済権がある方か」「興味をどれくらい示していたか」といった、会場での認識ごとに分類してから考えると、適したアフターフォローがやりやすいでしょう。
展示会で効果的な集客を行うためのポイント
- キャッチコピーは「メリット」ではなく「ベネフィット」で
- ブースの導線設計を考える
- 展示する商品をできるだけ絞る
続いて、実際に展示会で使える集客を行うためのポイントを紹介します。定めた目標を達成するため、ぜひ参考にしてみてください。
キャッチコピーは「メリット」ではなく「ベネフィット」で
展示会ブースのキャッチコピーは重要です。人間はメリットよりも、ベネフィットに反応しやすい傾向があるため、ベネフィットが伝わるキャッチコピーを考えましょう。
メリットは「魅力」という意味の通り、商品やサービスそのもの特徴や強みのことです。対してベネッフィットは、その商品からユーザー自身が受けられる体験のことを指します。来場者に刺さるコピーを考え、しっかりと目立たせる工夫も大切です。
ブースの導線設計を考える
ブースに入るまでから入ったあとの動線も考慮が必要です。入りやすさ、回遊しやすさ、印象の残りやすさ、移動のしやすさ、見やすさがポイントになります。開放的な設計にする、アイキャッチを付けて入り口をわかりやすくするといった工夫をすることがおすすめです。
展示する商品をできるだけ絞る
人の集中力や注意力は長くありません。あえて展示するサービス・商品数を絞り込むことでより印象に残りやすくなります。メインとサブなど、アピールするアイテムを厳選しましょう。ターゲットやコンセプトを絞りきれば、展示すべき商品も絞り込みやすいです。
まとめ
展示会はただ行うことや参加することがゴールではありません。自社の定めた目標を達成するための手段として、その展示会で何をもって「成功」とするのかを事前によく考えましょう。
目標が定まれば、前日までにできる告知や準備、当日のブースでの振る舞いや装飾の仕方など、すべきことが明らかになります。本記事で紹介した内容も参考に、準備をしっかりして当日をむかえられるようにしましょう。
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