カフェや喫茶店は、有名なチェーン店から小規模な店舗、個人店に至るまで、さまざまなお店があります。長く愛されるカフェを経営するためには、自店だけの魅力を打ち出して他店と差別化することが大切です。
今回は、カフェの差別化を図るポイントを紹介します。
目次
カフェ・喫茶店の経営で差別化戦略が重要な理由
全国のカフェや喫茶店の中には、各地にチェーン展開しているお店もあります。有名店や競合も多い業界だからこそ、カフェの開業・経営において重要なポイントとなるのが差別化戦略です。
「提供するメニューの質」「接客のやり方」など差別化のやり方はさまざまです。まずは、チェーン店ではできないような自店の魅力を見つけたり、売りを作り出すことからはじめてみましょう。
差別化の前に押さえるべきポイント
まずカフェの差別化を図る前に、押さえておくとよいポイントを紹介します。事前に考えを整理しておくことでスムーズに施策に臨めるでしょう。
- 自店舗のコンセプトを見つめなおす
- 顧客のニーズを見極める
- 競合と並んだ際のポジショニングを考える
自店舗のコンセプトを見つめなおす
自店のコンセプトを明確にしておくことで、差別化のポイントが見えやすくなります。既にカフェを経営している方は、コンセプトを再確認しましょう。これから開業する方、コンセプトが決まっていなかったという方は、これを機にコンセプトを立てましょう。
例えば「オーガニック志向」「動物と触れ合える」「SNSに映える」など、コンセプトがはっきりしていれば、メニューや価格、内装の雰囲気にいたるまで統一感があるお店作りがしやすいです。個人店の場合は、スタートから知名度という点で有名店と差がつきやすいため、他店と比べて話題になりそうなコンセプトを見つけてみてください。
顧客のニーズを見極める
お客様の来店動機から、顧客のニーズを考えることも大事です。開業時に狙っていたターゲット像だけでなく、実際に来店しているお客様の年齢や職業、性別、一緒に来ている人との関係など、細かくリサーチしてみましょう。
どんな顧客が、どのタイミングに来店しているのか見極められたら、例えば「ビジネスマンが多いから無料Wi-Fiを取り付ける」「親子が多いからお子様向けメニューをつくる」といった具体的な施策にもつなげやすいです。
競合と並んだ際のポジショニングを考える
自店が競合と並んだ際、どのポジションにいるのかも知っておきましょう。大きく分けて、「価格」「品質」「スピード」という3通りの軸から考え、なにが優位なポイントかを探していくとわかりやすいです。
また、メニューのこだわりなどを徹底的に掘り下げて、競合のものと比べて分析してみるのも手です。例えば大手のチェーン店のなかでも、庶民的でリーズナブルなカフェ、おしゃれな高級カフェといったように、それぞれがうまくポジショニングしています。
差別化を図る方法
それでは、実際に差別化を図るための具体的な方法を紹介していきます。簡単に行える施策もあるので、取り入れられそうなものはぜひ取り入れてみてください。
- ドリンクやフードメニューの再考
- 店内の空間作りを工夫する
- 営業時間や価格設定の見直し
ドリンクやフードメニューの再考
カフェや喫茶店の要ともいえるドリンクやフードは、差別化をしやすいポイントのひとつです。あらかじめあるメニューを一新するというよりは、顧客のニーズやコンセプトに沿った施策ができないか、再考してみましょう。
例えば、「お子様向けのをハーフサイズ展開を作る」「若者向けにトレンドの高いドリンクを作る」といった案が挙げられます。マンネリ化を避けるため、本日のおすすめや季節のメニューなどの限定メニューを取り入れるのもおすすめです。
店内の空間作りを工夫する
カフェ・喫茶店には長く寛ぐお客様もいます。店内の様子はお客様の居心地のよさに関わるため、工夫して自店にあった空間作りを行いましょう。
インテリアで雰囲気を変える
コンセプトにあわせて、インテリアを統一していきましょう。全てではなく、料理や食器、ほかのインテリアとの相性を考えて選ぶのがポイントです。ゆったりと寛げる空間作りをしたい場合は、椅子だけでなく、座り心地の良いソファを取り入れてみるのもおすすめです。
また、蛍光灯から白熱灯にするなど、照明を変えるだけでも店内の雰囲気が変わります。ぬいぐるみや小物で空間をおしゃれに飾ったり、食器のテイストを統一したりと方法はさまざまです。顧客の好みに合った本や雑誌を用意することも差別化につながります。
BGM・音楽を流す
BGMや音楽もお客様にとっての居心地の良さに影響します。ターゲット層が好きそうな音楽を選定しましょう。例として、勉強や読書、仕事など作業をするお客様が多い店舗では、比較的静かなBGMが適しています。
営業時間や価格設定の見直し
カフェを営業している時間帯や、提供価格の見直しもしてみましょう。経営上利益を考えてしまうのは仕方がないですが、肝心なのはバランスです。定番のドリンクは適正価格のまま儲けを確保しつつ、差別化を図れそうなメニューは数量限定にして高めにしたりと工夫が必要です。
また、営業している時間外にも人通りがある立地の店舗の場合は、早朝・深夜営業も踏まえた営業時間の見直しも検討しましょう。
人気店舗から学ぶ差別化戦略
続いては、人気店舗が実際に行った差別化の戦略を一部紹介します。実際に取り入れるのはもちろん、戦略の意図や考え方なども自店の差別化の参考にしてみてください。
オーナーの人脈を活かした差別化
某個人経営の老舗コーヒー店では、店内にスタジオを併設して歌の教室や落語、マジックなどといったイベントで付加価値を提供することで差別化を実現しています。オーナーの人脈から訪れるステージゲストもおり、まさにそのカフェだけの強みを活かしているといえます。
斬新な設備や道具の導入で差別化
ある喫茶店では、「石窯」を導入して他のカフェ・喫茶店にはない魅力を打ち出しました。真新しい設備や道具の導入は、使い方を学んだり費用がかかったりと、手間隙のかかることではありますが、何かにチャレンジすることが他店との大きな差別化につながることもあります。
ターゲットを絞って差別化
大手のカフェチェーン店では、ターゲットを女性客に絞って差別化を行っています。全面禁煙のほか、外観や店内空間のデザイン、サイズ表や商品名のつけかた、いたるところまで、女性客をターゲットにしておしゃれさや洗練さを徹底的に追求しています。
まとめ
経営しているカフェ・喫茶店の差別化を図れれば、自店の魅力を一層お客様に伝わりやすくなります。コンセプトやニーズなどしっかりと焦点を絞りながら、他店にはない強みを打ち出していきましょう。
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