Web集客と一言で言っても、様々な手法があります。商品やサービスに合わせて適切な方法を活用すれば効果的に集客することが可能です。

そこで、Web集客にはどのようなものがあるのかをご紹介しつつ、効果的な集客方法についても解説します。

Web集客とは

そもそもWeb集客とは、ネット上の様々なツールを活用してお客様を集める集客方法を指します。最近ではInstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどのSNSやWebサイトのようなオンラインのツールを多くの方が利用しています。

このようなオンラインのツールを介することでユーザーに直接アピールすることが出来るため、うまく使えば大きなコストをかけずに効率よく顧客の流入を促すことが可能です。また、ここで言う流入とはユーザーがインターネットを介してウェブサイトにアクセスすることを指します。流入数が増えることで自社の製品やサービスを見てもらうことができます。

Web集客の種類

ここでは、主なWeb集客方法について紹介していきます。

検索エンジンからの流入

検索エンジンからの流入には2通りあります。

GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが何らかのキーワードで検索して、検索結果に表示されたサイトを訪れることを、検索エンジンからの流入と呼んでいます。

自然検索

まず、自然検索についてご紹介します。自然検索とは、検索結果ページに表示されるサイトのうち、広告以外のサイトのことを指します。

また、SEO対策という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは自然検索で上位表示されるようサイトを改善する施策のことを言います。

なお、SEO対策による集客には、以下のような特徴があります。

    • 広告ではないのでサイトをクリックされても費用はかからない
    • 上位に表示されるほどクリックされる確率が高い(1位と2位の間でも大きな差がある)
    • サイトの仕様を変更してもすぐに効果が出ないことが多く、時間が必要

自然検索は、次に紹介するリスティング広告と比べてクリック率が高いのがメリットで、上位表示されれば効果が絶大なのが魅力です。

リスティング広告

リスティング広告は検索エンジン上に表示される有料広告を指します。ユーザーが検索するキーワードに応じて広告が表示される仕組みなので、広告主は事前に狙いたいキーワードをあらかじめ指定しておく必要があります。

なお、リスティング広告は、ユーザーにクリックされるたびに費用が発生します。逆に言えば、検索結果に広告が表示されただけだと一切費用は発生しません。

1クリックあたりでいくら広告費が発生するかは、オークション形式で決まります。同じキーワードを狙う企業が複数あった場合、高く入札した企業の広告が上位に表示されやすくなります。

また、リスティング広告には次のような特徴があります。

  • すぐに広告を掲載できて結果が分かるのが早い
  • 入札額やキーワードなどを自由に変えられるため施策の方針転換がしやすい
  • 自然検索と比べると上位に表示されたときのクリック率が低くなりやすい

また、リスティング広告を配信すること自体は簡単ですが、費用対効果を高めるためにはある程度の専門知識や時間が必要となります。本格的に実施するなら社内にリスティング広告の担当を配置することを検討しましょう。

ディスプレイ広告からの流入

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告のこと。

Webサイトを閲覧しているときに掲載されるバナーやテキスト、動画などの広告がディスプレイ広告に該当します。クリックすると、広告主のサイトへ自動的に遷移するという仕組みです。

ディスプレイ広告の特徴は以下の通りです。

  • ネットを閲覧している多数のユーザーに向けて、効率的に自社の商品やサービスをアピールできる
  • 「東京都に住んでいる20代男性」「ダイエットに関心がある30代女性」など細かなターゲット設定が可能
  • 「リターゲティング」が可能

リターゲティングとは、一度Webサイトに訪問したユーザーに対して、ディスプレイ広告を配信する手法を指します。すでに自社商品やサービスに関心を持っているユーザーにアプローチできるので、費用対効果が高いのが特徴です。

メルマガからの流入

メルマガは、メールアドレスを登録した顧客に対して、メールで情報を発信する手法です。手動で送付するのは工数がかかるので、基本的にメール配信システムを使って送付を行います。メール配信システムには無料のものと有料のものがあります。

メルマガの特徴には以下が挙げられます。

  • 何万人もの顧客に対しても、手軽に安価に情報を届けられる
  • 「〇時〇分に送付」など、情報を届けたいタイミングで発信できる
  • システムによっては画像や文字色を使ったリッチなデザインのメールを送ることも可能

ただし、現代は多くの企業がメルマガを配信しているため、内容を他社と差別化しなければ、埋もれてしまい集客効果が低くなりやすいところが難点です。

頻繁に送付すると購読を解除されることも多いため、配信ペースにも注意が必要です。

SNSからの流入

SNSにはFacebookやX(旧Twitter)、Instagramなどがありますが、いずれのSNS媒体でも自社のアカウントを取得することで、商品やサービスの情報を発信して集客することができます。アカウントから投稿するだけなら無料ですが、有料のSNS広告を活用すればフォロワー以外の人にも情報を届けることができます。

SNSによる集客には、以下のような特徴があります。

  • 発信した内容がユーザーの共感を得られれば、いいねやシェアの機能によって情報が拡散されていく
  • ユーザーからユーザーへと次々に情報が拡散されていくことでつながっていないユーザーに対してもアプローチが可能

なお、最近になってSNSを活用して集客を行う企業が増えています。他社の投稿に埋もれてしまわないように、定期的に情報発信を続けるようにしましょう。

また、投稿内容がユーザーの反感を買ってしまうと、批判する投稿が拡散され、いわゆる「炎上状態」となってしまう可能性もあります。企業としてSNSを利用する際は、発信する内容が適切であることをしっかりとチェックする体制が必要です。

動画からの流入

動画を活用する集客としては、代表的なものにYouTube動画が挙げられます。動画を通じて視聴者に商品やサービスの魅力を紹介したり、使い方を解説することができます。Youtubeなどのプラットフォームに投稿するだけであれば無料ですが、広告費を払ってユーザーが見ている動画の間に、動画広告を配信する手法もあります。

動画を利用することのメリットは伝えられる情報量の多さです。1分間の動画の情報量はテキストに換算すると180万文字分とも言われており、言葉にしにくい商品やサービスの魅力でも動画でなら伝わりやすくなります。

また、動画は配信実績を詳細にレポートできるのが魅力です。例えば、再生回数や表示回数、視聴後の反応などを詳しく分析できます。その分析結果をベースに、より反応してもらえる動画に修正して配信できるため、集客数アップにつなげることも可能です。

他にも、動画広告の場合は配信ターゲットの設定が可能であるという強みがあります。ターゲットを設定することで顧客になりうるユーザーに絞ってアプローチできるため効率的に集客することができます。

一方、動画のデメリットとしては以下が挙げられます。

  • バナーや文章と比べると制作コストがかさみやすい
  • ユーザーの関心がないものは数秒でスキップされ集客につなげることができない

動画をユーザーにスキップされないようにするには、最初の数秒間で視聴者の心をつかむような動画構成にすると良いでしょう。

参考:文字の5000倍!?映像の持つ圧倒的な情報量とは

Web集客のメリット

このように、Web集客には様々な種類があることが分かりました。では、Web集客を行うことにはどのようなメリットがあるのかを一つ一つご紹介していきます。

場所や紙媒体などが必要ない

Web集客の最大のメリットは、紙や場所などの物理的な媒体が必要ないことです。

街中を歩いていると目にする看板や新聞の折り込み広告、お店に置かれているパンフレット、雑誌などにも広告を出すことはできますが、その設置などは物理的に限られています。また、紙などの媒体に広告を掲載した場合、後でなんらかの修正や更新があった場合、手間と時間がかかります。

一方で、Web集客の場合なら修正があってもすぐに変更でき、リアルタイムで情報を更新できるのがメリットです。

費用対効果が高くなりやすい

また、Web集客のメリットにコストパフォーマンスが高いということがあります。配信対象を正確に絞れる手法が多いため、本当に狙いたい人にピンポイントで訴求することが可能です。

例えば、テレビCMの場合、テレビの前にいる人の属性に応じてCMを出す・出さないという指定ができません。非常に多くの人にアプローチできる反面、自社の商品を買う見込みが薄い人にも広告費を出さざるを得ないということになります。

Web集客であれば、居住地域や時間帯、性別、年齢、興味のある領域などを指定できるため、集客した後に購入までつなげやすいという特徴があるのです。

施策の結果を分析しやすい

折込チラシや雑誌の広告のような媒体だと、集客活動の結果が分かりづらく、ユーザーの詳細な情報を集めることが難しくなります。どのような経緯でお客様がお店に来たのか知りたい場合、顧客に直接聞くか、集客をした日としていない日の実績を比較する方法が中心になります。そのため、効果検証の精度はやや落ちてしまいます。

しかし、Web集客の場合はアクセス解析ツールを使うことで、どういう経路で何人のお客様が来てくれたのか知ることができます。「昨日はリスティング広告をクリックして100人の集客ができ、5人の購入につながった」などのデータを簡単に見ることができるので、成果に合わせて施策内容を修正することも可能です。

代表的なアクセス解析ツールとしては、Googleが提供している「Google Analytics」があります。無料で利用することができるので、自社でサイトを運営している場合は導入を検討してみると良いでしょう。

Web集客のデメリット

Web集客を行うことでメリットは多い一方で、デメリットも存在します。具体的にどのようなデメリットがあるのか、見ていきましょう。

顧客の育成には手間と時間が必要

Web集客のデメリットとして、顧客の育成に手間と時間がかかるということがあげられます。例えば、契約を受注するのがゴールのビジネスの場合、サイトに一度集客しただけでは成約につながらないことがほとんどです。まずはメールアドレスを登録してもらい、その後時間をかけて営業をかけていくケースも多いです。

もちろん、小売業なら通販サイトを活用して商品を販売すれば、ユーザーに対する手間と時間を低く抑えることも可能ですが、そうでない場合はかなりの時間と手間がかかると考えていいでしょう。

ユーザー育成のシステム作りができれば、その後は定期的にメンテナンスするだけでいいのですが、それまでに時間と手間がかかることを覚えておきましょう。

専門知識が必要

Web集客の中でも、例えば検索エンジンを使った集客を行う場合など、SEOの知識がないと成功させるのは難しいです。全く専門知識がない状態でコンテンツを増やしても、検索エンジンから評価を受け、上位表示させることは困難です。Web広告や、SNSの投稿についても、成果を出すためには各機能を使いこなし、ユーザーに受け入れられるような訴求を探していく必要があります。

自社でWeb集客を実施する場合は、専門知識を身に着けるための学習が必要だということを知っておきましょう。

競合の資金力が強いと成果が出せない場合もある

特にWeb広告については、かけている広告費の金額によって成果が変わることも多いです。上位表示させるためにはオークションに勝つ必要があり、競合の入札が強い場合には集客が十分にできないこともあります。

長期間に渡りコストをかけて広告を出し続けられる場合には問題ないですが、コストがかけられない中小企業や個人営業のお店は不利となることもある点は覚えておきましょう。

また、タレントを起用するなど、クリエイティブにかける予算によって成果が変動することも当然あります。ただし、アイデアと工夫でユーザーのニーズに刺さる訴求を考えられれば、低予算のクリエイティブでも勝機は十分にあります。

まとめ


Web集客には様々な種類があり、それぞれの手法ごとにメリットもあればデメリットも存在します。それぞれを理解したうえで自社の商品やサービスと相性のより集客手法を探しましょう。また、低予算から実施できるのがWeb集客の良さでもあるので、まずはトライしてみて、そこから次の戦略を考えるのも手です。

記事のURLとタイトルをコピーする