集客を行うにあたり、「これまで下請けでの仕事が主だったため、自社独自の集客に悩んでいる」「これまでチラシ中心のオフラインでの集客だったがうまくいかず、Webサイトなどのオンライン集客をしているが集客につながらない」などの悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
今回は、どのような点に注意をして戦略を立てていけばが分かるように、リフォーム会社に適した集客方法と成功事例をあわせて紹介します。
効果的な集客を行うための4つのSTEP
はじめに、リフォーム会社において効果的な集客を行うための、4つのステップを紹介していきます。
- STEP1:自社の強みを把握する
- STEP2:ターゲットのニーズを理解する
- STEP3:ターゲットにあった集客方法を選ぶ
- STEP4:さまざまな集客方法を組み合わせる
STEP1:自社の強みを把握する
まずは自社の強みを把握することが必要です。顧客に提供できるものとして、競合他社とは明確に異なる価値は何かを知ることで、何を打ち出せばよいのか、どこを活動地域とすればよいのかが把握できます。また、強みが見つからないという場合にも、現在明らかになっている弱みを強みとして転換することも可能です。例えば、他社より施工に時間がかかることが弱みだとすれば、施工の質にこだわりを持っているからだという強みに転換することができるでしょう。
また、自社の強みを把握するにあたって3C分析というフレームワークも活用してみるとよいでしょう。3C分析について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
STEP2:ターゲットのニーズを理解する
ターゲットのニーズの理解とは、自社がターゲットとする顧客がどのようなことに悩み、どのようなサービスを求めているかを把握することにあります。
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会による「2021年度住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査」では、リフォームを検討している人、実施した人の割合として、築20年以上が増加傾向にあるという結果でした。また、年代別としては、リフォームを検討している人、実施した人ともに割合が多いのは、40代〜60代となり、いずれも15%以上を占める結果となりました。
リフォームの検討には、急ぎのものとそうでないものの2種類のケースが考えられます。それぞれのケースが自社の得意とする分野に合致するかを踏まえたうえで、それぞれのケースが自社にとってのターゲットとなるかなどを検討してみるとよいでしょう。
参考:2021年度 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査 結果報告書
ペルソナ設定について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
STEP3:ターゲットにあった集客方法を選ぶ
ターゲットにあった集客方法として、ターゲット層をフェーズごとに設定するという方法があります。顧客がリフォームの成約に至るためには、顧客のリフォームに対する熱量や意欲によって段階が異なります。本記事では「潜在層」「見込層」「購買層」の3段階に分けて説明していきます。自社のターゲットにあった集客方法を選定してみましょう。
フェーズ | 状態 | 対策例 | 目的 |
---|---|---|---|
潜在層 | ・リフォームにあまり関心がない人、自社を知らない人 ・そもそもあなたの会社を知らない人や、知っていたとしても関心がとても低い状態の人 |
・検索サイトからの流入 ・YouTubeやSNS広告 ・チラシやポスティング |
・「まずは弊社を知ってもらおう」「少しでも興味を持ってもらう」とすること(認知施策) |
見込層 | ・リフォームをしたいというニーズはあるものの、自社が検討に入っていない層 | ・検索サイトからの流入 ・ディスプレイ広告、検索連動型広告(リスティング広告) ・SNS広告 |
・自社の施工がリフォームを検討している方のニーズにマッチしていることを知ってもらう ・自社を知ってもらう(≒広告を見てもらう) |
購買層 | ・すでに自社を認知しており、そのうえで検討段階に突入している確度の高い人 | ・検索サイトからの流入 ・検索連動型広告(リスティング広告) |
・施工事例をはじめ“自社の魅力をアピールする” |
上記のフェーズごとに、またはターゲットごとに、見あった集客方法は異なります。次のステップで、オンラインとオフラインを組みあわせるなどで、より高い効果を見込める集客方法を検討してみましょう。
STEP4:さまざまな集客方法を組み合わせる
上記のフェーズを分類できたあとには、自社に適した集客方法をさまざまな方法の中から選別していきます。例えば、チラシのポスティングを行う際に、チラシに自社サイトのURLを記載することで自社サイトへのアクセスを促進させるといったオフラインとオンラインを組みあわせた方法を図ることで、それぞれの持つ効果を最大限に活かすことができます。また、オフラインとオンラインの組みあわせにこだわらず、SNSとブログを組みあわせるなど、オンラインの複数の方法を組みあわせることで、さまざまな層にアプローチすることが可能です。
また、実践したあとは、効果測定を必ず行い、常に分析と検証と改善を繰り返し行っていきましょう。
リフォーム会社におすすめのオンラインでの集客方法
ここでは、リフォーム会社の集客にふさわしいオンラインでの集客方法を紹介します。
- ホームページ・ブログ
- リスティング広告
- SNS
- MEO対策(Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス))
- ポータルサイト
ホームページ・ブログ
ホームページやブログは、自社や自社のサービスの情報発信として適した手法です。リフォーム会社が活用するにあたっては、内容を充実させることが大きなポイントとなります。例えば施工事例の紹介のページでは、施工前の施主の悩みや困りごとを紹介してから、工事内容や価格、工期と施工写真を掲載、最後に施主の感想を掲載するなど一連の流れとして紹介します。
また、ホームページの場合は検索ページの上位に表示されるかどうかがサイトへの流入や認知などの効果の差につながるので、ユーザーが会社名や地域を入れて検索した際に表示されやすいよう、自社の特徴や地域名などをキーワードとして設定しておきましょう。
ホームページやブログは、業者に制作を依頼するにはコストがかかるのと、制作会社の選定が難しいという点があり、一方自分で制作しようとなるとさまざまな知識が必要となります。どの方法が自社にむいているかを検討してみるとよいでしょう。
ホームページ集客について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
ブログ集客について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
リスティング広告
リスティング広告とは、事前に設定したキーワードでユーザーが検索を行った場合に、検索結果ページの上部の広告枠に自社の広告が表示されるというものです。ユーザーの検索キーワードにマッチすれば検索結果の上位に表示されることから、ユーザーがクリックする可能性が見込めることがメリットではあるものの、検索結果がクリックされるごとに料金が発生し、クリックされたごとに必ず集客に結びつくわけではないことから、ときには費用がマイナスになる可能性もあることがデメリットといえます。
リスティング広告について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
https://www.itamiarts.co.jp/media/2863
SNS
ビジュアルで訴求することができるSNSは、リフォーム会社に適した媒体といえます。SNSの強みといえる情報の拡散力で、地域を特定することなくさまざまなユーザーにアプローチすることが可能です。主なSNSは下記となります。
SNSの種類 | 特徴 | ユーザー層 |
---|---|---|
・実名性が高い ・ユーザーの年齢層が高くリフォーム業の顧客ターゲットに適する ・Instagramとデータ連携しているのでInstagramとFacebookに同時投稿できる |
・30代〜50代 | |
X(旧Twitter) | ・140字の制限 ・拡散力が高く、キャンペーン告知に向いている |
・10代〜30代がメイン |
・写真がメイン ・ビフォーアフターなどを視覚的に訴求できる |
・10代〜20代がメイン ・男女比は4:6 |
|
Youtube | ・動画は写真の何倍もの情報量があり、印象に残りやすい・文章や静止画像で伝わりにくい技術や作業内容も、リアルな情報を伝えることが可能 | ・年代を問わず人気で特に10〜20代は9割が利用 |
基本的に運用は無料であり、リアルタイムでの更新が可能なうえに、フォロワーといわれるユーザーと直接やりとりができることがSNSの強みではありますが、SNSに対する知識やこまめな更新が必要です。
参考:令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要> 令和2年9月
SNS運用について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
MEO対策(Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス))
Googleマップを生かしたSEOを「MEO」とよびます。例えば、リフォーム会社を検索したいユーザーが「地域名 リフォーム」というキーワードで検索した場合に、Googleが「このユーザーはリフォーム会社の所在地を知りたがっている」と判断し、検索エンジン上部にGoogleマップを表示する、というものです。MEOを始めるにはGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に登録する必要がありますが、無料で始められるうえに、Googleに登録していることで信頼性につながることも見込めます。一方で、上位表示させるには日々のこまめな更新と、MEOに対する知識も必要となります。
MEO対策について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
ポータルサイト
ポータルサイトとは、特定の業種や地域などの情報をまとめているサイトを指します。競合他社の多いリフォーム会社では直接ホームページにユーザーをたどり着かせるのは容易ではないですが、リフォーム会社を探しているユーザーが多く利用するポータルサイトに登録しておくことで、効率的な集客が可能になります。デメリットとしては、競合他社が登録するポータルサイトでは複数の見積もりが可能なこともあり、競合他社との競争が激しいことと、ポータルサイトによっては登録料や紹介料などが発生する場合があります。
リフォーム会社におすすめのオフラインでの集客方法
リフォーム会社に適した集客方法は、オンラインに限りません。ここでは、リフォーム会社の集客に適したオフラインでの方法を紹介します。
- チラシ・ポスティング
- 見学会・相談会などのイベント
- 訪問営業・テレアポ
- 社用車での宣伝
チラシ・ポスティング
新聞などへの折り込みチラシや各家庭に直接配布するポスティングは、エリアを限定できることから、地域密着型の企業に適した方法です。
一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会が実施した「住宅リフォームに関する消費者・事業者実態調査」によるとリフォームの実施状況は以下の通りです。
初回リフォームのピークは世帯主年代別では40代(68.3%)、住宅の築後年数別では「10年以上〜15年未満」(76.5%)となっており、世帯主年代や築後年数が上がるにつれて、初回リフォームの割合は下がり、複数回リフォーム実施の割合が上がる傾向がみられる。
引用:「住宅リフォームに関する消費者・事業者実態調査」について
上記のことから、築年数が10年を経過した住宅が密集している住宅地にエリアを特定してポスティングすることも効果が見込めます。
チラシのポスティングは直接ポストに投函することから手にとってもらいやすく、新聞折り込みであれば新聞の読者層である高齢層に見てもらえることが見込めます。一方で、新聞折り込みのチラシは新聞を購読していなければ届かないことや、ポスティングチラシの場合にはポスティングの仕方によってはクレームが入る可能性もあること、また、チラシに興味がなければ目を通さずに捨てられてしまう可能性もあることはデメリットといえるでしょう。
参考:「住宅リフォームに関する消費者・事業者実態調査」について
折込チラシやにポスティングチラシについては、下記の記事もあわせてお読みください。
見学会・相談会などのイベント
現場見学会や相談会といったイベントは、直接ユーザーが訪れることから即効性が高く、魅力を深く伝えられるメリットがあります。反対に、魅力的なイベントでなければ集客が難しくなり、集客できない場合でも時間やコストがかかってしまうということがデメリットです。成約につながらなくてもまずはイベントに足を運んでもらうために、一度で終わらせず何度も定期的に開催し、認知度を高めていくこともポイントでしょう。
イベント集客についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
訪問営業・テレアポ
訪問営業とは、直接顧客宅へ訪問して営業を行う方法で、テレアポとは電話で内容説明を行ってアポイントをとってから改めて顧客宅へ訪問をするという方法です。
どちらも最終的には顧客と対面して営業を行うため、自社について詳細に伝えることができ、何度も通うことで信頼関係にもつながることも見込めるメリットがあります。一方で、直接訪問時も電話営業時も、担当者の対応が悪ければ不評につながるだけでなく、実際に訪問ができたとしてもその場で成約に結びつく可能性は低いというのがデメリットといえるでしょう。
テレアポ営業について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
社用車での宣伝
会社名やロゴ、電話番号などを記載した社用車での営業は、街中を走ることでも認知度アップにつながる期待が持てます。自社従業員にとっても、移動時間にも宣伝できるため効率がよく、従業員の安全意識向上にもつながります。一方で、運転が荒い、マナーが悪いなどと一度ネガティブな印象を抱かれると、自社自身のイメージ低下にもつながるので注意が必要です。
集客に成功したリフォーム会社の事例
最後に、実際に集客に成功したリフォーム会社の事例を3つ紹介します。自社にあった方法があれば実践してみましょう。
Facebook広告を利用し閲覧数を13倍に
こちらは、埼玉県にある会社の事例です。以前からFacebookで施工の様子をアップしていたものの、「いいね!」がついたことがなく、1記事10人程度しか閲覧されていませんでした。そこで月に約3万円の予算をたててFacebook広告を開始してみたところ、閲覧数が13倍となり、「いいね!」の数が70以上にアップしました。
職業柄、アップした画像が格好よく見えたことも要因として考えられることから、見せ方の工夫で反応がアップし、ホームページへの流入にもつながった事例です。
参考:リフォーム会社の集客方法見直しませんか?プロが最新の方法を解説します【成功事例つき】 | Web幹事
SEO対策でサイトのユーザー数が約半年で3.5倍に
こちらは東京都で水まわりのリフォームを手がけている企業の事例です。これまではオフラインのアナログの方法を通じての受注を行っていましたが、ホームページを開設し、SEOにも力を入れ始め、継続的な記事の更新を行いました。
すると、当初のホームページを閲覧した数が約650だったのが、8カ月で約2300まで伸び、認知度アップだけでなく、ホームページからの新規顧客獲得にも結びつきました。リフォーム会社の場合は、一度の施工からリピートにつながる傾向もあることから、一度接点を作ることで継続的な売上につながるという事例です。
参考:リフォーム会社の集客方法見直しませんか?プロが最新の方法を解説します【成功事例つき】 | Web幹事
お役立ち情報を発信し、サイトと展示場の訪問者が増加
千葉県のエクステリアや外構工事を行っている会社の事例では、それまで展示場でのアプローチを図っていたものの、来場者が増えないという状況が続いており、ブログを開設してファンを増やすことから始めました。ブログでエクステリアの工事の特徴やポイントなど、ユーザーにとって有益となる情報をアップし続けた結果、訪問者が増え、運用開始前に比べて月に750人も増加し、結果的に展示場来場者も右肩上がりに増加しているとのことです。
参考:建設業の集客方法をプロが徹底解説!仕事をもらう方法教えます【初心者向け・事例付き】 | Web幹事
まとめ
今回は、リフォーム会社に適した集客方法をオンライン、オフラインともに紹介しました。
リフォーム会社での集客をはじめるには、自社の強みとターゲットのニーズを把握して、ターゲットに見あったアプローチを行うことが重要です。また、ターゲットとは「潜在層」「見込層」「購買層」に大きくわけられるため、それにあわせた方法の選択も重要となります。
集客手段はインターネットを活用したオンラインでの方法と、チラシや直接訪問などでのオフラインでの方法とがあります。いずれの方法も、ターゲットの特徴によって効果が異なるため、自社の求めるターゲット層にあわせた選定をするとよいでしょう。
いずれの方法についても、即効性ではなく、何度も繰り返して継続的なアプローチを図ることが重要です。自社の予算や強み、求めるターゲットなどを熟考しながら、適した集客方法を見つけてみてはいかがでしょうか。
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