企業は自社の商品やサービスを認知してもらうために、販売促進活動(以下:販促活動)を行います。販促活動の主な目的は商品やサービスの良さをアピールし、購入や消費を促すことです。

しかし、どの時期に、どんな販促活動を行えばいいかわからないという方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回は販促カレンダーとはどのようなものなのか、作り方や作成時のポイント、季節ごとの主なイベントを紹介します。

販促カレンダーは販促に役立つ便利なツール

販促活動に役立つ販促カレンダーとはどのようなものなのでしょうか。下記ではどのように役立つかも併せて解説します。

販促計画を立てるのに便利なカレンダー

まず、販促カレンダーとは祝日や六曜日に加えて、販促のヒントになるような情報が記載されているカレンダーのことを指します。記載されている情報は季節の行事や消費者の行動パターン、おすすめの売り場展開など多岐に渡ります。

販促カレンダーに記載されている行事やイベントの一例は下記の通りです。

・前年の同時期の気候
・年間行事(クリスマス、こどもの日など)
・記念日(スポーツの日、勤労感謝の日)
・地域の祭りやイベント

独自の販促カレンダーを作成し、顧客の購買意欲が高まるタイミングを把握できるようにしましょう。

顧客のニーズや行動を予想するのにも役立つ

販促カレンダーに記載されているイベントや年間行事の情報によって、消費者がどの時期にどのようなものに興味・関心を抱くのか、購買意欲が高まるタイミングがわかりやすくなっています。

また、年間行事をカレンダーで確認しながら、一目で時期に合わせたイベント企画や、商品の販売計画の立案が行えます。前年の同時期の気候や注目されている話題などを販促カレンダーで確認すれば、消費者の購買予測にも役立つでしょう。

販促カレンダーの作り方

実際に販促カレンダーを作る際、どのように作ればよいのでしょうか。下記では販促カレンダーを作る時の手順を解説します。

販促カレンダーの作り方
  1. 年間行事・イベントをピックアップする
  2. 消費者行動や市場の動きを予測する
  3. 必要な販促イベントを考える
  4. 販促イベントの目標を具体化する

年間行事・イベントをピックアップする

まずは、年間行事や地域行事、現在開催しているイベント、これから開催したいイベントを月別に思いつく限りピックアップしていきます。ここでは自社で開催できるイベントかどうかや自社商品やサービスに関係がないものかどうかは一度考えず、季節行事やSNSで最近注目を集めているイベントなど思いつく限り、書き込んでいきましょう。
ピックアップを行うことで自社の繁忙期や閑散期の時期、現在開催しているイベントを把握することができます。そのため、閑散期で次のイベントの準備や新しいイベント開催を検討するなど、具体的な対策を考えることができるでしょう。

消費者行動や市場の動きを予測する

月ごとに年間行事のピックアップが完了したら、現在の社会情勢や景気動向、毎年の気候、トレンドなどを考慮しながら、自社商品と市場の動きを想定していきます。

ピックアップしたイベントに対して、消費者が興味を持つイベントかどうかや市場の動きを予測することで、自社の商品やサービスに適した販促イベントか判断しやすくなるでしょう。

次に、自社の商品やサービスが、ピックアップしたイベントのどのようなところにおいて販促の機会があるのかを考えていきます。

必要な販促イベントを考える

列挙したイベントの中から実施することが可能か、実施することで販促が期待できるイベントなのかを検討します。例えば、家電量販店であれば、母の日や父の日を絡めた、日頃の感謝を伝える販促イベントとして、対象商品の購入者向けに限定プレゼントを配布するといったイベントを検討することができるでしょう。
販促イベントを決めたら、カレンダーにスケジュールを記載します。例えば、母の日を販促イベントとして実施する場合、5月から準備を始めては間に合いません。事前に前年に人気だった家電の調査や今年のトレンド家電を調査しておく必要があります。

前年のスケジュールを参考に、余裕をもって行動しましょう。

販促イベントの目標を具体化する

上記で検討したイベントの大まかなスケジュールが決まったら、それぞれのイベントで目標を具体化していきます。

業種や取り扱っている商品によって、力を入れる時期が異なるでしょう。計画段階で明確な目標数値を設定し、かけた費用に対して、どの程度の売上を生み出すのかを予測し、確認することが大切です。具体的には下記の4つを意識するとよいでしょう。

・資料請求や来店などによって何らかの反応があった割合(反響率)
・損益分岐点
・設定した目的に対する達成割合(コンバージョン率)
・どのくらい販促コストが必要となるか

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販促イベントの立案に活用できる販促カレンダーは、業種ごとで記載項目に違いがあります。下記の表はそれぞれの業種で記載されている内容の特徴や項目の一例になります。販促カレンダーを作成する際の参考にしてみてください。

業種 特徴 項目
食品・外食向け 食生活における消費者のイベントが記載されている ・季節イベント
・季節の食べ物
小売向け 季節ごとで昨年の同時期にどのようなイベントを開催したかがわかりやすい ・季節イベント
・季節品のセール時期
EC販売向け 季節品のセール時期が記載されている ・季節イベント
・季節品のセール時期
アパレル向け 季節ごとの行事が記載されていて、季節に応じてどのような商品を展開すればよいかが分かりやすくなっている ・季節イベント
・季節ごとの中心アイテムの基本的な動向
その他 どの業種でも使いやすい、季節のイベントや月ごとの記念日が記載されている ・季節イベント

マネケルではそれぞれの業種で販促イベントを立案する際に活用できる「販促カレンダー」を無料でご用意しております。下記のボタンからぜひダウンロードしてみてください。

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効果的な販促カレンダーを作るポイント

効果的な販促カレンダーを作成するためには下記の3つのポイントを抑えておくことが重要です。また、フレームワークを活用した販促カレンダーの作成ポイントも紹介します。

効果的な販促カレンダーを作るポイント
  • 季節のイベントを積極的に活用する
  • 計画は週単位で立てるようにする
  • 「6W3H」で漏れなく考える

季節のイベントを積極的に活用する

年間計画を立てる際は季節ごとのイベントを積極的に活用して、販促カレンダーを作成することがおすすめです。なぜなら、四季によって、天候や気温に大きな差あり、季節ごとのテーマ設定やイベントを計画しやすいからです。

時季ごとの天候や気温を考慮して、販促カレンダーを作成することで消費者が購入したいと感じる商品やサービスを適切なタイミングで提供できることが期待できます。具体的には、暑い時期にはアイスなどの冷たい食べものや暑さ対策、寒い時期には温かい食べものや防寒グッズの販売などを販促イベントとして活用することができるでしょう。

また、季節のイベントを適切なタイミングで実施するためには、早期からの準備が必要です。販促時期を逃さないようにするためにも、年間を通したイベントを一目で確認することのできる販促カレンダーを作成し、活用しましょう。

計画は週単位で立てるようにする

販促カレンダーの具体的な行動計画は週単位で立てることがおすすめです。

おすすめの理由は2つあります。1つは目標としていた対応が間に合わなかった場合は、次の週でリカバリーを行うことができること、もうひとつが1日単位で計画を立てた時よりも目標を俯瞰的に見ることができる点です。

例えば、目標を週単位ではなく、月単位と1日単位で立てた場合で考えてみます。月単位で計画を立てた場合、計画が大まかになってしまう恐れがあり、万が一、目標としていた対応に不備があると同じ月の間に対処することは難しいでしょう。逆に1日単位で計画を立てた場合は目標が細かくなり、全体の目標に対する意識が薄れてしまう恐れがあります。

そのため、計画は週単位で立てて、全体のイメージを把握しつつ、目標としていた対応が間に合わなかった場合は、次の週でリカバリーを行うようにできるようにするのがよいでしょう。

「6W3H」で漏れなく考える

販促カレンダーを作成するときは「6W3H」で考えるようにすると、イベントを企画する際に漏れがなくイベントを計画することができます。

下記の表は「6W3H」をフレームワークにしたものです。イベント計画を考える際にそれぞれの項目を参考にご活用ください。

6W 意味 考える内容
What 何を 販売する商品
Why なぜ 目的や動機、理由など
Who 誰が ターゲット1
(自社、顧客など)
Whom 誰と ターゲット2
When いつ 時期
Where どこで 場所
3H 意味 考える内容
How どのように 手段や方法
How many どれだけ 規模や数量
How much いくらで 予算や目標

上記の表のように「6W3H」を意識して作成すると誰に対して、どのようなイベントを実施すると、より効果的な販促イベントになるのかを明確にすることができます。

販促カレンダーに盛り込む季節イベントの例

日本では1年間を通して、季節ごとにさまざまなイベントがあります。そのため、販促の機会を逃さないようにするためにも、どの時期に、どんなイベントがあるかを把握しておくことが大切でしょう。

下記では3か月ごとに主な季節イベントをまとめています。販促カレンダー作成の参考にご活用ください。

1~3月

1月〜3月に行われる主な季節イベントは下記の通りです。

・初売り・割引セール
・節分
・バレンタインデー
・ひな祭り
・ホワイトデー
・卒業シーズン

1月には、多くのお店で初売りが行われます。日頃からご愛顧いただいているお客様に対して、感謝を伝える良い機会として販促イベントを企画することができます。具体的なイベントとしては、福袋の販売や新春の割引セールを行うことが一般的です。
また、福袋の販売に関しては、店頭・インターネットで行っているケースや事前に予約を受け付けていることもあります。混雑を避けたい方や確実に福袋を購入したい方などさまざまな需要があるでしょう。そして、お店側も事前に購入数の把握が可能になるため、売上の予測も立てやすくなります。

2月には節分やバレンタインデーが季節のイベントとして開催されます。特に食品業界では注目の販促機会です。節分では豆まきだけでなく、恵方巻を楽しむ方も増えてきています。恵方巻の見た目をしたロールケーキの販売を行っているお店もあり、アイデアや工夫次第で販促の機会を見つけることができるでしょう。
バレンタインデーでは、定番のチョコレートから、ケーキや焼き菓子、実用的なハンカチや財布、ボールペンなど多岐に渡るものがプレゼントされています。定番の商品から、今年のトレンド商品まで事前に人気がありそうな商品を調査することが大切です。

3月はホワイトデーや卒業シーズンのイベントがあります。ホワイトデーではバレンタインデーのお返しにチョコレートやお花、日常使いできるコスメなどが一般的に選ばれています。ホワイトデーの販促イベントを実施する場合、バレンタインデーのイベント計画と同様に定番の商品から、今年のトレンド商品まで事前に人気がありそうな商品を調査しましょう。
また、卒業シーズンでもあるため、お世話になった方へおすすめのプレゼントをテーマとした販促イベントを計画できるでしょう。4月からの新生活に備えて、準備を始める方に向けて新生活フェアとして販促イベントを開催することもできます。

4~6月

4月〜6月に行われる主な季節イベントは下記の通りです。

・新生活
・入学式・入社式
・こどもの日
・母の日
・梅雨
・父の日

4月は新生活や入学式・入社式といった新しいことが始まる時期です。新生活応援イベントや入学式・入社式で必要なものが一度に揃えられるイベントを開催してみてはいかがでしょうか。
また、5月には大型連休のゴールデンウイークが控えています。多くのショッピングモールや観光地、レジャー施設でイベントが開催され、人の動きも活発になります販促イベントを逃さないようにするためにも余裕をもって準備しておくのがよいでしょう。

5月にはこどもの日や母の日といったファミリー層に向けた販促イベントが開催しやすい時期です。こどもの日に向けては、流行っているキャラクターのおもちゃの準備、母の日に向けては、普段使いできる美容品や外食などのプレゼントが予想されます。

6月は梅雨の時期で家で過ごす機会も増える時期です。そのため、家の中にいても楽しめるアイテムを販売するイベントの開催がおすすめです。具体的には、家族で楽しめるようなゲーム機やDVDの販促イベントや手の込んだ料理を作るために必要な調理器具の販促イベントが考えられるでしょう。
父の日も母の日と同様に販促イベントを開催するには、重要な時期です。日頃からお世話になっているお父さんに向けて、お酒やタンブラー、健康グッズ、ネクタイといった普段使いできるものから、ちょっと贅沢できるアイテムを取り揃えたイベントの開催を検討してみてはいかがでしょうか。

7~9月

7月〜9月に行われる主な季節イベントは下記の通りです。

・夏ものセール
・お中元
・お盆
・花火大会
・シルバーウイーク
・敬老の日

7月には夏ものセール開催やお中元の時期がやってきます。お中元には早期購入の割引特典や一定金額以上の購入でプレゼントがもらえるキャンペーンを実施しているデパートもあります。お客様が購入したくなるような販促イベントの工夫が必要です。
また、だんだんと暑くなってくる季節に向けて、冷却グッズやエアコン、扇風機といった家電の需要が高まってきます。

8月にはお盆や花火大会のイベントが開催されます。帰省する方も多くいるので、お盆前までを目途に、大きめのかばんの販売やおすすめのお土産を販促の機会として活用するのがおすすめです。

9月にはシルバーウィークや敬老の日があります。年によって連休の長さは変わりますが、大型連休になる可能性もあります。その場合、旅行に出かける方や家でゆっくりする方、さまざまな過ごし方が考えられます。そのため、旅行グッズの販売や家でくつろげるアイテムの両方の販促機会が出てくるでしょう

10~12月

10月〜12月に行われる主な季節イベントは下記の通りです。

・ハロウィン
・紅葉狩り
・ブラックフライデー
・クリスマス
・お歳暮

10月末にはハロウィンイベントが開催されます。仮装を楽しんだり、お菓子を配ったりとどの業種でも工夫次第で販促につなげることのできるイベントといえるでしょう。
また、紅葉は一般的に10月から11月にかけて見頃を迎えます。そのため、紅葉の写真をより綺麗に撮りたいという需要が出てくるでしょう。そこで写真を綺麗に撮ることのできるカメラを紹介するイベントの開催もおすすめです。

11月にはブラックフライデーが行われます。ブラックフライデーとはアメリカの祝日である11月第4木曜日の翌日の金曜日のことを指します。小売店などで大規模なセールを実施し、黒字を想起させることからブラックフライデーと言われています。
日本でもブラックフライデーの時期には小売店などで大幅に割引をする場合もあり、集客アップに向けて力も入れたいイベントの1つです。

12月にはクリスマスやお歳暮、大晦日などのほかにも数多くのイベントがあります。中でもクリスマスは販促イベントを開催しやすく、こどものプレゼント、家族や友人へのプレゼントなど幅広い年代に向けてアプローチすることが可能です。
年末・年始で慌ただしい時期ですが、駆け込み需要への対応や年始に向けたイベントの準備も余裕をもって進めていきましょう。

まとめ

今回は販促カレンダーとはどのようなものなのか、作り方や作成時のポイント、季節ごとの主なイベントを紹介しました。販促カレンダーを作成することで、どの時期に、どんなイベントを開催することで集客アップに期待できるかを把握することができます。

販促カレンダーを活用して、顧客の購買意識が高まる時期を見極め、販促に生かしてみてはいかがでしょうか。

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