ヘアカット以外にもコミュニケーションやリラックス感を味わえる美容室は、時期によっては閑散期もあり、売上をカバーするのにキャンペーンの展開は重要です。どのようなアイデアを用いることで美容室のキャンペーンを成功できるのでしょうか。今回は、美容室におすすめのキャンペーンのアイデアとおすすめの告知方法などを詳しく解説します。

美容室がキャンペーンを行うメリット

美容室が店舗独自のキャンペーンを行うことで、さまざまな効果を期待することができます。最初に、美容室がキャンペーンを行うメリットについて紹介します。

繁忙期以外の集客を見込める

大型連休や夏休みなど出費が重なる時期、または外出を避けたい天候が続いた日などは、顧客も美容室から足が遠のき、人気の美容室でさえ閑散期が生じることがあります。どんなに予約が減ってしまっても美容室をオープンさせている限り、光熱費や人件費といったコストはかかってしまい、利益の減少にもつながってしまいます。そのため、雨天時や連休明けなどの閑散期にはキャンペーンを行って集客増加を目指す必要があります。また、繁忙期に予約を断ってしまうと他店へ流れてしまうことも考えられるため、繁忙期で予約が取れない顧客にも閑散期に来店してもらえるようなキャンペーンを検討する必要もあるでしょう。

リピート率のアップが期待できる

アプリのクーポンなどを利用して初来店した顧客をリピーターにつなげるためにも、キャンペーンは重要です。2回目以降の来店になる顧客に対してもお得になるキャンペーンを定期的に実施することで、リピート率アップにつながります。

新メニューやマイナーメニューの利用につながる

美容室の新メニューや普段あまり登場しないメニューをキャンペーン内容に用いることで、顧客にいつもと異なるメニューを体験してもらい、新たなヘアスタイルの楽しみ方など普段と異なる魅力を実感してもらうことができます。さまざまなメニューを利用してもらうことで、顧客単価アップも期待できるでしょう。

店舗販売品の購入を促せる

美容室において、パーマやカット、カラーなどのメニュー以外の、シャンプーやトリートメント、ヘアオイルなどといったヘアケアアイテムは、売上増加につながる大きな商材といえます。しかし実際には、美容室で扱う商品は市販のものに比べて高額なものが多いため、購入されにくいものでもあります。そこで、シャンプーとトリートメントをセットで購入の場合に割引をしたり、一定額以上の購入などの場合にはサンプルをプレゼントしたりするなどの特典をつけて、店舗販売品の購入を促すキャンペーンを実施してみましょう。また、ヘアケア製品の場合、夏には清涼感、冬には乾燥を抑えるといった季節ごとのお悩みを要素として盛り込むことで、キャンペーンに関連づけしやすくなります。

美容室がキャンペーンを企画するコツ

美容室が店舗独自のキャンペーンを行う場合、どのようなことをポイントとして進めていけばよいのでしょうか。ここでは、美容室がキャンペーンを企画する際のコツについて3つ紹介します。

キャンペーンを行う目的を決める

キャンペーンを行う目的やターゲットを明確にすることで、キャンペーンがより具体的になり、内容がぶれることなく店舗スタッフ全体で共有しやすくなります。例えば、長期的な売上増加を目指したいのであれば、リピート率アップや新規顧客獲得の割引キャンペーンを行うなど、再来店につながる内容での企画が向いています。

他店のアイデアを参考にする

どのような内容のキャンペーンが自店に向いているか、まだ具体化できないという場合には、ほかの美容室や美容関連の店舗が行っているキャンペーンを参考にしてみましょう。ただし、美容室それぞれ特色が異なるため、他店のキャンペーンをそのまま使うのではなく、いくつかの店舗の内容をかけあわせてみたり、独自のアイデアをプラスしてみたりするなどの工夫が必要です。

マインドマップを使って考えを整理する

「マインドマップ」とはアイデア出しの方法で、ひとつのキーワードやイメージから発想をはじめて、新たに思いついた関連する単語を次々と放射線状に分岐させていくことで、頭のなかで描かれている発想を「見える化」させていくものです。放射線状の中央に、キャンペーンやキャンペーンのサービス内容など、キャンペーンのテーマとなるひとつの単語を書き、そこから放射線状にいくつか枝をひろげて連想される言葉を書いていきます。さらにそこから連想する言葉を書いてつないでいくという要領です。頭のなかのアイデアを文字にすることで、考えが整理されていきます。

美容室のキャンペーンアイデア5選

自店に何のキャンペーンが向いているかが思い浮かばないという方のために、美容室の主なキャンペーンアイデアを5つ紹介します。自店のタイミングや現状の課題などと絡めて、自店向きのアイデアがあるかを考えてみましょう。

美容室のキャンペーンアイデア5選
  1. 周年や誕生月キャンペーン
  2. 季節のお悩みに合わせたキャンペーン
  3. 悪天候の日に合わせたキャンペーン
  4. SNSキャンペーン
  5. アシスタントが行うモニターキャンペーン

周年や誕生月キャンペーン

開店一周年など、キリのいい周期にあわせたキャンペーンは取り入れやすいもののひとつです。しかし、毎年行うと特別感が薄れてしまうため、1周年、3周年、5周年のように期間をおいて開催するとよいでしょう。また、顧客の誕生日をデータベースに残しているのであれば、誕生月にあわせてメールやDMでお誕生日割引やサンプルプレゼントなどのキャンペーンを行うのも顧客からの印象がアップします。これらのキャンペーンは結果的にはリピート利用を促す目的ではありますが、いつも利用する顧客のための感謝の気持ちは忘れずに伝えましょう。

季節のお悩みに合わせたキャンペーン

季節によって髪の悩みや「こうなりたい」という思いは変化します。季節やイベント別であげると下記のようなキャンペーンがあげられます。

新入学や就職にあわせて新しいヘアスタイルにしたい方への提案や、新たな土地へ転居して美容室を決めかねている方への新規割引キャンペーン
梅雨 梅雨の湿気で髪がまとまらないという悩みに向けた縮毛矯正の提案や割引キャンペーン、またはヘアアレンジの提案
強い日差しで傷んだりパサついたりする髪で悩む方へトリートメントの割引キャンペーンや、暑さをしのぐ冷たいキャンペーンの紹介
秋・冬 ハロウィンやクリスマスなどのイベントに向けたヘアスタイルの提案や、乾燥しがちな冬の保湿対策の提案
年末 一年がんばったご褒美キャンペーンとして、割引セットメニューを年末限定のお得感をプラスして提供

悪天候の日に合わせたキャンペーン

雨や雪が降り続く悪天候の日は、顧客も美容室への足が遠のいてしまうことが多いでしょう。その足を美容室へ向けてもらうために、悪天候の日限定でのキャンペーンを行うのもおすすめです。天気がいつ回復するかはすぐに把握できないため、ヘッドマッサージ無料、前髪カット無料といった手間や準備のかからないものがよいでしょう。新規顧客の目にも留まりやすいように、店頭に看板などを設置してアピールすることで集客の効果を期待できます。また、雨の日でもゆったり過ごしてもらえるような、ヘッドスパやマッサージをコースに加えた特別メニューも反響を見込めます。

SNSキャンペーン

自店のSNSにフォローやいいねをつけてもらったら割引サービスやポイント付与などのキャンペーンもおすすめです。一度フォロワーになってもらうことで、今後も定期的な情報発信ができ、再来店や新規顧客獲得にもつながります。

アシスタントが行うモニターキャンペーン

アシスタントスタッフのカットモデルやモニターとして、通常価格より安くカットやトリートメントを行えるキャンペーンもおすすめです。新たなヘアスタイルにチェンジしたい顧客が安くカットしてもらえるなら試してみたいと利用してもらえるうえに、アシスタントにとってもスタイリストに昇格するためのチャンスにつながります。

独自性が際立つ美容院のキャンペーンアイデア3選

競合店が実施しているようなキャンペーンではなく、独自性のあるキャンペーンで他店との差別化を図りたいという場合にも、さまざまな方法が考えられます。ここでは、独自性が際立つ美容院に向けたキャンペーンアイデアを3つ紹介します。

独自性が際立つ美容院のキャンペーンアイデア3選
  1. ワークショップで集客や売り上げアップを狙う
  2. 地域のイベントとコラボする
  3. 客層に合ったキャンペーンを実施する

ワークショップで集客や売り上げアップを狙う

「ワークショップ」とは、顧客も参加して実践できるようなイベントのことを指します。美容室であれば、顧客でも簡単にできるヘアアレンジ講座などがおすすめです。美容室の場合、普段訪れた際のカットやパーマ中には、細かいヘアアレンジ方法などは聞く時間が取りにくいですが、ここでは具体的なヘアアレンジ方法を紹介しながら、ヘアアレンジに欠かせないスタイリング剤などをあわせて紹介することで売り上げアップも期待できます。また、顧客にとってもスタッフとのコミュニケーションにより親しみやすさを覚え、再来店の楽しみへとつながるメリットもあります。

地域のイベントとコラボする

自店周辺の地域で開催されるイベントに参加したり、コラボでイベントを実施したりすることで、「店舗の名前は知っていても行く機会がなかった」というような近隣住民に対するアピールへとつながり、見込み顧客の獲得を期待できます。子ども向けのヘアカットやお祭りなどのヘアアレンジなど、気軽に参加できるイベントを行うことで、コミュニケーションを図るきっかけにもなるでしょう。

客層に合ったキャンペーンを実施する

周年キャンペーンや季節にあわせたキャンペーンはきっかけになりやすいため、開催しやすいものですが、そのために差別化を図りにくいというデメリットもあります。そこで、こどもの日や母の日、父の日などにあわせてターゲットを細かく絞ったキャンペーンを実施することで明確な差別化を図ってみるのがおすすめです。ターゲット向けの割引キャンペーンだけでなく、例えばこどもの日なら、こどものヘアカットが自宅でもできるような講座を開くのもアイデアのひとつです。そのためには顧客の年齢や家族構成などの細かな属性を常日頃チェックしておく必要もあります。

美容院がキャンペーンを告知する方法

せっかく企画したキャンペーンを成功させるには、なにより多くの顧客にキャンペーンの実施を知ってもらい、利用してもらわなければなりません。最後に、多くの顧客にキャンペーンを知ってもらうための告知方法について4つ紹介します。

美容院がキャンペーンを告知する方法
  1. SNS
  2. ホームページやブログ
  3. Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)
  4. チラシやDM

告知方法1:SNS

ひとつは、自店のSNSアカウントでキャンペーンの実施を告知する方法です。SNSは無料で発信できるうえに、拡散される見込みが高い告知手段です。多く拡散させるためにはフォロワー数にもよるため、日頃からフォロワー数を増やすための発信を重ねておくのがよいでしょう。また、SNSによってユーザーの特性が異なるため、キャンペーン内容がどのSNSのユーザー層にマッチするかを検討する必要もあります。情報の更新が早いSNSは、古い情報はすぐに他の情報に埋もれてしまうため、頻繁に投稿するのがおすすめです。

「SNSごとの特徴と運用のコツ」について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。

集客にSNSを活用する!SNSごとの特徴と運用のコツを解説

告知方法2:ホームページやブログ

自店のホームページやブログをすでに持っている場合は、トップページにキャンペーン内容の告知を掲載しましょう。すぐに情報が埋もれてしまいがちなSNSと違って、ホームページやブログに掲載すれば更新しない限り残るものなので、自店のホームページやブログを検索した際に目に留まる見込みがあります。キャンペーン内容が確定次第、早めにアップしましょう。美容系のポータルサイトに登録しているのであれば、そのサイトでもキャンペーン内容が掲載されるように情報を更新しましょう。

告知方法3:Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)

「Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)」とは、検索エンジンのGoogleが運営、無料提供しているビジネス向けのサービスです。自店の店名、住所、電話番号や営業時間、自店のホームページのURLなどを登録することで、Googleユーザーがキーワードや地図検索をした際に、検索結果や地図上に表示されます。Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の機能としては他にも、画像の投稿や美容室のメニューの投稿のほか、口コミ投稿では口コミに対しての返信が可能です。Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は自店のホームページやブログへのリンクが可能なので、新規顧客獲得にも期待できます。

Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の登録や運用方法について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。

店舗におけるGoogleマイビジネス登録・運用方法を解説|代行の活用方も紹介

告知方法4:チラシやDM

先に紹介した3つの告知方法はどれもインターネットを利用した方法のため、顧客の年齢層によってはインターネットを利用しないということも考えられます。そのような顧客層にもキャンペーンを知ってもらうには、紙を利用したチラシやDMでの告知がおすすめです。チラシやDMは配布エリアを限定できるため、自店のある地域周辺への告知に向いています。DMは文字通り、顧客にダイレクトにアプローチできるため、キャンペーン告知だけでなく、誕生日特典や地域限定特典などといった特別感のある内容を顧客ごとにわけられるのもメリットといえるでしょう。ただし、紙を使う場合は印刷コストや配布コストなどがかかってしまうため、かかる費用と見込める効果の見極めが重要です。

まとめ

美容室におけるキャンペーンの実施は、閑散期の集客やリピーター獲得、売上増などさまざまな効果が期待できます。目的やターゲットを明確にし、考えを整理しながら具体化していくことで、顧客が利用したくなるようなキャンペーンのアイデアが浮かびやすくなります。自店の顧客層にあった告知方法でより多くの顧客に周知させて、自店独自のキャンペーンを展開してみてはいかがでしょうか。

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