SNSにおいて、画像や動画を楽しみたいというユーザーに多く利用されているのがインスタグラムです。インスタグラムではブランディングや宣伝のために店舗用のアカウントも用意されており、お店の集客に効果的とされています。今回は、店舗用のアカウントはどのようなものであるか、インスタグラムでのお店の集客方法や活用のコツについて紹介します。

お店の集客にインスタグラム(Instagram)が有効な理由

お店の集客の向上にはインスタグラムの活用が効果を期待できるとされています。どのような理由からそういわれているのか、ここでは集客にインスタグラムが有効な理由について解説していきます。

インスタグラムは写真や動画に特化したSNS

「インスタグラム」とは、「メタ・プラットフォームズ」が提供するSNSです。主に写真と動画の投稿を楽しむことが目的となっており、外出先の風景やおすすめのスイーツといったお気に入り写真や動画をアップして、ユーザー自身の日々の充実感を他のインスタグラムユーザーを共有することが可能です。SNSのなかには文章の投稿がメインとなっているものもありますが、こちらは画像だけでアピールを図れるため、宣伝ツールとして活用している企業も見受けられます。

一方、このインスタグラムには他のSNSのような、投稿を多くのユーザーにシェアする機能は「ストーリー」という一部機能を除いて用意されていないため、いわゆる「バズり」にくいといった一面もあります。

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ビジネス向けの専用アカウントが用意されている

インスタグラムでは、一般のユーザーに向けた「個人アカウント」のほかに、企業や著名人向けの「プロアカウント」というものが用意されています。このプロアカウントはさらに「クリエイターアカウント」と「ビジネスアカウント」にわかれており、店舗の宣伝として活用するのにはこのビジネスアカウントが適しています。ビジネスアカウントでは、プロフィール欄に店舗の電話番号やメールアドレス、住所などを表示できます。

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予約機能や注文機能が利用できる

インスタグラムのビジネスアカウントでは、インスタグラム上で予約や注文ができる機能が搭載されています。飲食店なら提携するグルメサイトの登録や、連携する予約システムによって座席の予約や料理の注文といったボタンをアプリ上に設置することも可能です。インスタグラムのユーザーにとっては、インスタグラムを離れて別サイトに飛ばなくてもスムーズに商品を購入することができることから、ユーザーがインスタグラムを通じて購買する機会が増える効果を期待することができます。

分析機能の利用や広告出稿も可能

インスタグラムのビジネスアカウントでは、個人アカウントにはない「インスタグラムインサイト」という機能を活用することができます。これは、自店の投稿を閲覧したユーザー数、投稿に対する「いいね」の数やコメントの数などを数値としてみることができ、ユーザーが利用する時間帯や地域なども分析できます。そのため、反響が大きかった投稿の傾向から、フォロワーやいいねを増やす対策を立てやすくなります。

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店舗用インスタグラムアカウントの登録方法

インスタグラムのビジネスアカウントに登録するには、まずは個人アカウントの投稿が必要です。ここでは、インスタグラムのビジネスアカウントへの登録方法について紹介します。

インスタグラムアカウントの登録手順

インスタグラムの個人アカウントへの登録手順は下記の通りです。スマートフォンとPCでの登録についてそれぞれ解説していきます。

スマートフォンで登録する場合

  1. App StoreまたはGoogle playからInstagramをダウンロードし、アプリを起動
  2. 「メールアドレスか電話番号で登録」をタップ
  3. メールアドレスまたは電話番号を入力
  4. 認証コードを入力
  5. 名前、パスワード、誕生日、プロフィール写真、フォロー設定などを行う
  6. 登録完了

PC(ブラウザ)で登録する場合

  1. Instagramのホームページにアクセス
  2. 「登録する」をクリック

以降はスマートフォンでの②以降と同様の登録手順になります。

PC(ブラウザ)で、Facebookアカウントを使って登録する場合

  1. Instagramのホームページにアクセス
  2. 「Facebookでログイン」をクリック
  3. Facebookのログイン画面に遷移するので、ログインする

以降はスマートフォンでの⑤同様の登録手順になります。

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ビジネスアカウントへの移行手順

インスタグラム個人アカウントを取得したら、次にビジネスアカウントへ移行します。

  1. インスタグラムのプロフィール画面を開き、右上のメニューボタン(三本線のマーク)をタップ。メニューから「設定」を選び、「プロアカウントに切り替える」をタップする
  2. カテゴリ選択画面で、「ビジネス」を選択

ビジネスアカウントに登録したあとで、インスタグラムショッピングやインスタグラム広告を利用するには、Facebookページを作成してビジネスアカウントを取得し、Facebookと紐づける必要があります。そのため、Facebookのビジネスアカウントも取得しておくとよいでしょう。

店舗用アカウントでできること

店舗用としてインスタグラムのビジネスアカウントを取得することで、店舗の宣伝のためのさまざまな機能を利用できます。ここでは、インスタグラムのビジネスアカウントでできることを3つ紹介します。

店舗用アカウントでできること
  • 店舗のプロフィール登録
  • フィード・ストーリーズ・リールの投稿(情報発信)
  • コメント・フォロー・いいね(コミュニケーション)

店舗のプロフィール登録

ビジネスアカウントのプロフィールに店舗のメールアドレス、電話番号、住所を登録することができます。登録することで、問い合わせボタンを設置することができ、ユーザー側から簡単に問い合わせをすることができます。また、予約ボタンの設置も可能で、飲食店や美容院といった来店予約が必要な店舗におすすめです。

フィード・ストーリーズ・リールの投稿(情報発信)

ビジネスアカウントでの宣伝としての主な活用方法には「フィード」「ストーリーズ」「リール」の投稿があります。

「フィード」投稿は、インスタグラムのメインとなる投稿先のことで写真や動画の投稿を行います。商品の説明やサービスの紹介などによるブランディングの場としての活用が可能です。

「ストーリーズ」は24時間で自動的に投稿が消える投稿機能です。そのため、タイムセールや期間限定のキャンペーンの告知などに活用できます。

「リール」は最大で90秒の縦長のショートムービーを投稿できる機能です。ストーリーズとちがって掲載時間に制限がないため、ブランディングや話題性に特化したムービーに向いているといえます。

コメント・フォロー・いいね(コミュニケーション)

インスタグラムにはコミュニケーションツールとして活用できる機能もついています。例えば、ユーザーが気に入った商品の投稿にいいねのアクションをしたり、コメント機能に書き込みをしたりすることで、ユーザーと店舗側、またはユーザー同士がコメント機能上でコミュニケーションを図ることができます。自店のアカウントをフォローしたユーザーであれば、その後の顧客獲得にもつながっていくことも期待できますが、一方で自店がユーザーをフォローする場合には今後の顧客としての関係性を考えると慎重さが必要な場合もあります。フォローに関しては店舗側からはフォローしないなどの一定のルール決めをするなどの対策も考えましょう。

店舗用アカウントを集客に活用するポイント・コツ10選


インスタグラムのビジネスアカウントを活用して店舗の集客につながれば、店舗のある地域以外からの反響も期待できるなど、店舗運営の幅が広がるかもしれません。最後に、店舗用のビジネスアカウントを集客に活用するポイントやコツを10選として紹介します。

1:お店のコンセプトに合致した世界観を持つ

インスタグラムのビジネスアカウントは、実際にお店に足を運んだことのない人でも店舗を知ることができる、店舗の入り口ともいえます。そのため、実店舗のコンセプトと合致する世界観を持ち、写真や動画をユーザーが見ることで実店舗のイメージを理解できる雰囲気にすることが重要です。アカウントの雰囲気を頻繁に変えてしまうと、店舗のコンセプトが伝わりにくくなり、ブランディングの失敗につながります。ビジネスアカウントは開設前にコンセプトやテーマをしっかり決め、実店舗のコンセプトと共通したものを設定しましょう。

2:予約や注文に繋がる導線を用意する

インスタグラムのビジネスアカウントは、ただ画像や店舗情報を投稿するだけでも可能ですが、それだけで店舗の売り上げを向上させるのは簡単にはいかないでしょう。先にも紹介したように、インスタグラムのビジネスアカウントでは、問い合わせボタンや予約ボタンを設置することが可能です。さらにショッピング機能も搭載されており、自店の商品を販売することができます。ショッピング機能は投稿ごとに設置することができ、他の投稿に埋もれてしまわないようにショッピングが可能な投稿だけを表示させることもできます。予約や注文につながる導線を用意することで、売り上げアップの期待が持てます。

3:質の高い写真や動画を活用した情報発信を行う

インスタグラムは写真と動画の投稿を楽しむことが主な目的となっているSNSのため、投稿するには上質な写真や動画を使って情報発信を行いたいものです。商品の販売が目的のビジネスアカウントであればなおさら、クオリティの高い写真を用いて「インスタ映え」を目指しましょう。情報発信に対するユーザーの注目が集まり、店舗の世界観が伝わりやすくなります。

4:ユーザーにとって価値のある・共感しやすい内容を投稿する

写真と動画の投稿がメインのインスタグラムとはいえ、「インスタ映え」だけではユーザーの共感を得ることはできません。ユーザーにとっても共感できるような、付加価値がある内容にすることがポイントです。美容室であれば、まとめ髪の方法などのhow toものや髪型のビフォーアフター、飲食店なら料理のコツなどといった、見る側も何かを得られるような投稿を目指してみましょう。

5:定期的・継続的に投稿する

インスタグラムに限らず、他のSNSやブログにおいても、継続的な投稿はなにより重要です。インスタグラムにおいてどれほど質の高い写真や動画を投稿したとしても、そのあとで更新がなければユーザーは離れていってしまいます。反対に、継続的な投稿を目指すあまりに内容が適当になってしまっても、ユーザーが集まることはないでしょう。店舗運営の傍でクオリティの高い定期的な投稿を続けるのは困難な場合も考えられます。そのため、適度なクオリティを保ち、適度な頻度で投稿できるようにして、ユーザーが離れないような内容を吟味していきましょう。

6:丁寧なコミュニケーションを心がける

ユーザーとのコミュニケーションの場となるコメントについては、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。ユーザーには既存客だけでなく、顧客になる前のユーザーも存在します。そのなかで明らかに既存客とわかるユーザーだけに丁寧なやりとりをしてしまうと、他のユーザーに悪い印象を与えかねません。コメント機能は、店頭での顧客からの問い合わせと同じ位置にあります。どの立場のユーザーに対しても同様に丁寧な対応を心がけ、クレームのようなコメントについても真摯な対応をしましょう。コメントのやりとりは他のユーザーの目にも止まるため、そのやりとりを目にしたことで他のユーザーの満足度にもつながる見込みもあります。

7:イベントやキャンペーンの告知に使う

自店のビジネスアカウントをフォローしてくれたとしても、何のメリットもないアカウントだとわかれば、ユーザーは離れていってしまいます。自店のイベントやキャンペーンの告知、またはクーポンを配布するなど、ユーザーにとってメリットがあるような投稿で興味・関心を引き出しましょう。また、ユーザーのなかには、まだ来店したことのない人やどの店舗にしようかを迷っているという潜在顧客も含まれることも考えられます。来店のきっかけづくりとなるような、自店の集客につながる投稿を心がけましょう。

8:ハッシュタグを活用する

インスタグラムの特徴として、投稿に追記できる「ハッシュタグ(#)」というものがあります。投稿が検索にかかりやすくなるようにするために単語の前に「#」をつけるのが主な使い方でしたが、投稿者の想いや好みを伝えるために使われることもあります。ハッシュタグはひとつの投稿に30個までつけることができます。店舗名や地域名、商品名だけでなく、店舗オリジナルになるようなハッシュタグを用意してみるのも顧客を惹きつけるコツです。

9:店舗内にアカウントのQRコードやネームタグを掲示する

インスタグラム上で直接アカウントを訪れてくれたユーザーだけでなく、実店舗を訪れた顧客に対しても、インスタグラムのアカウントの存在を知ってもらいましょう。インスタグラムアカウントにつながるQRコードやネームタグをレジ前などに設置して、会計時などに顧客にアクセスしてもらいます。さらに「クーポン配布中!フォローお願いします!」といったアピールも重要です。興味をもった顧客であれば、インスタグラムを通じて今後も情報をチェックしたり、最終的にはリピーターになってくれたりすることも考えられるでしょう。

10:店舗内にフォトスポットを用意する

せっかくインスタグラムアカウントを開設したのであれば、店内にもユーザーが投稿したくなるような「映えスポット」を用意しましょう。購入を目的に来店するだけでなく、投稿を目的に訪れるユーザーの増加も考えられます。また、映えスポットで撮影した画像を投稿したお客様にノベルティプレゼント!」などの特典もつけることで、訪れたユーザーにとってもメリットとなり、投稿時の話題性も高まります。映えスポットだけでなく、飲食店であれば思わず写真を撮りたくなるようなおしゃれなメニューやメガ盛りメニューなどの商品を用意するのもおすすめです。

まとめ

今回は、インスタグラムを用いた店舗の集客方法について、活用方法やコツを紹介しました。写真や動画の配信を目的としたインスタグラムは、店舗の雰囲気やコンセプトを伝えるのに適したSNSのひとつです。ビジネスアカウントを取得することで、予約ボタンや問い合わせボタン、ショッピング機能も活用できます。まずは自店のコンセプトや世界観を明確化し、多くのユーザーをひきつけるアカウント作成を目指してみましょう。

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