オンラインでの在庫検索やお得情報の配信など、消費者の利便性や売上を向上させるために独自のアプリを開発する企業はたくさんあります。しかし、アプリには数え切れない種類があるため、「せっかくアプリを作ったのにダウンロード数が増えない」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。

アプリをより多くの消費者に利用してもらい、企業や店舗の商品やサービスの認知度、購入数を向上させるためには、うまく宣伝することが大切です。そこで今回は、販路を拡大するために自社アプリを開発した企業の担当者向けに、アプリを宣伝する重要性や効果的な宣伝方法、宣伝に成功した企業の事例について詳しく説明します。

制作したアプリを宣伝する重要性とは?

そもそも、企業が制作したアプリはなぜ宣伝したほうがよいのでしょうか。その理由として、世の中にリリースされているアプリ数が膨大であることが挙げられます。

どれだけ魅力的なアプリを制作しても、消費者にアプリの存在を知ってもらえなかったり類似アプリをダウンロードされたりすると、自社アプリの利用者数が少なくなってしまいます。自社アプリを選んでもらい、企業の集客数や売上を向上させるためにも、しっかりと宣伝することが重要です。

アプリの効果的な宣伝方法を紹介

幅広い消費者に自社アプリの存在を知ってもらう方法として、次の8つの宣伝方法が挙げられます。

このように、アプリの宣伝方法にもいくつかの種類があるため、それぞれの特徴を理解したうえで企業に適した手法を実践することが大切です。以下では、アプリの効果的な宣伝方法について詳しく説明します。

ホームページ上でアピールする

企業のホームページでアプリを宣伝すれば、ほかの媒体に掲載するよりも詳細な情報を記載できます。たとえば、アプリのインストール方法や会員登録の手順、クーポンの表示方法や在庫の検索方法といった情報を記載しておけば、消費者がスムーズにアプリを使えるようになるでしょう。

「アプリをインストールしたもののうまく活用できなかった」といった事態を避けることができるので、アプリ経由の購入や問い合わせといったアクションを増やしやすくなります。

また、画像や動画を活用して視覚的にアプリの存在や使用方法をアピールするのもよいでしょう。ホームページでは自由度の高い宣伝ができるので、アプリの宣伝をするとともに企業のコンセプトや魅力をより詳しく知ってもらうことも可能です。

WEB広告に出稿する

WEB広告でアプリの宣伝をすれば、配信する消費者の年齢層や性別、居住エリアや興味・関心といった属性にあわせて、効率的に情報を届けることができます。

WEB広告の具体例として、次の4つが挙げられます。

  • リスティング広告
  • 純広告
  • アドネットワーク
  • ネイティブ広告

リスティング広告とは、検索エンジン上でターゲットが特定のキーワードを入力すると表示される広告のことです。「地図 アプリ 〇〇県」「食材 余り 活用」のように、アプリのジャンルに適した検索ワードを設定すれば、それだけダウンロード数を増やしやすくなります。

純広告は、ブログやWEBサイト上にテキストやバナーといった形式の広告を埋め込むものをいいます。インターネットユーザーの閲覧履歴といった動向をもとに広告を表示させれば興味を持ってもらいやすくなるので、アプリの認知度を高めるのに向いています。

アドネットワークは、広告業者に依頼することで複数の媒体に広告を一括表示させる手法です。広告を表示させる媒体はたくさんありますが、それぞれに広告設定をおこなうのは大変です。手間を抑えて幅広くアプリの情報を届けたいのであれば、アドネットワークの利用がおすすめです。

ネイティブ広告は、WEBサイトの文章の途中などに記事内容と関連する広告を表示させる方法です。「ライフステージにあった不動産の探し方」「家具を安く手に入れる方法」のような文章中に、「不動産紹介アプリ」「中古家具販売アプリ」といった広告を表示させれば、広告に興味を持ってもらいやすくなります。

掲載する媒体や期間、クリック数などによっては掲載料金は変わりますが、アプリをダウンロードしてほしい消費者に絞って宣伝できるので、効率的に利用者数を増やせます。

それぞれ費用や反応率が異なるため、複数の方法を試したうえで施策を絞り込んでいくのがおすすめです。

SNSで情報を拡散する

近年、インターネットやスマートフォンが幅広く普及しているため、SNSを利用して企業の情報を消費者個人へダイレクトに届けられるようになっています。アプリの宣伝においても、企業の公式アカウントを活用して情報発信すれば、より多くの消費者にアプリの存在を認知してもらうことが可能です。

SNSにも、X(旧Twitter)やInstagram、Facebookなどさまざまな種類があります。それぞれ短文を連続投稿するものや画像投稿に特化したもの、家族や友人・職場のつながりを強めるものといった特徴があるため、業種やアプリの種類にあわせて適切なSNSを選ぶことが大切です。

また、SNS広告を活用すれば、コストはかかりますが企業が届けたい消費者層に絞ってアプリの存在を伝えることもできます。

POPやポスターなどで宣伝する

インターネットを利用してダウンロードするアプリは、オンラインでの宣伝が効果的だと思われがちです。しかし、POPやポスターなどを活用して、店舗やイベント会場といった場所でアプリの宣伝をすれば、よりアプリの認知度を高めやすくなります。

不特定多数の人にダウンロードしてほしいアプリであれば、公共交通機関やショッピングセンターといった場所に広告を出すのもよいでしょう。

しかし、オフラインの宣伝ではインストールするまでのハードルが高くなるというデメリットがあります。オフラインでアプリを宣伝する場合は、QRコードを掲載してダウンロードページにアクセスしやすい導線を整えておくと、利用者数を増やしやすくなります。

キャンペーンを開催して情報を広める

消費者がメリットを感じるキャンペーンを開催すれば、アプリのダウンロード数を増やしやすくなります。たとえば、「初回ダウンロードで会計金額から〇%OFF」や「アプリダウンロードでクーポンプレゼント」といったものが考えられます。

また、「友人にアプリを紹介すれば、双方に特典プレゼント」のように、紹介による宣伝を促進すれば、企業の情報が届かなかった消費者へアプローチすることにつながります。

一方で、新規利用者を集めるだけでなく、アプリの継続利用を促す配慮をすることも大切です。アプリをダウンロードしてもらえたとしても、使われなくなると集客や売上につなげられなくなります。定期的にセール情報を配信したり、期間限定で利用できるクーポンを配布したりするなど、アプリを長く使い続けてもらえるようなキャンペーンを打ち出す施策も考えておきましょう。

口コミ投稿を促す

アプリの利用者数を増やすためには、口コミ投稿を促すことも大切です。

それは「ダウンロードしてメリットを感じられるのか」「使いやすいアプリになっているか」といった利用者目線での評価が、ダウンロードするかどうかを判断するために重要な指標になるからです。

アプリの口コミが掲載される場所として、「Apple Store」や「Google Play」などが挙げられます。アプリストアでは、口コミの件数やアプリを利用した利用者のコメントを確認できるだけでなく、「星の数」でアプリの評価を可視化できます。

「Google Playに口コミを投稿したらポイント付与」のように特典を設ければ、効率的に口コミの件数を増やせるでしょう。

ASO対策をおこなう

ASOは、「App Store Optimization」を省略した言葉で、「アプリストアの最適化」をすることをいいます。ASO対策をすることにより、アプリストアで企業のアプリが表示されやすくなるので、それだけ多くのダウンロード数が期待できます。

具体的な方法として、「バーチャルファッション試着アプリ」のように一目でアプリの内容が分かるタイトルをつけたり、「ファッション 試着」のようにユーザーが検索しそうなキーワードを盛り込んだ説明文を記載したりすることが挙げられます。

消費者が魅力を感じるアプリのアイコンを制作することも、ASO対策のひとつです。

また、よい口コミを増やして顧客満足度が高いアプリにすることも検索順位に影響するといわれているので、先述した口コミ投稿を増やすことも重視しましょう。

インフルエンサーを活用する

影響力の大きいインフルエンサーを活用するのも、アプリを宣伝するのに効果的な手法です。具体例として、芸能人やYoutuber、ブロガーやセレブといった人物の起用が挙げられます。うまく情報が広まればアプリのダウンロード数を大きく増やせるので、アプリの種類によっては積極的に検討するとよいでしょう。

ただし、インフルエンサーによって影響力を与える消費者層が異なるため、どの層をターゲットにするか、どのインフルエンサーを起用するのかをよく考えておかなければなりません。10代の女性をターゲットにするなら、ファッションモデルのインスタグラマーを起用し、高齢者層をターゲットにするのであれば、高齢者層に支持されている芸能人を活用するといったように、ターゲットに適したインフルエンサーを選べるようにしておきましょう。

アプリの宣伝で成功した企業の事例とは?

アプリをうまく宣伝してダウンロード数を増やすためには、アプリの宣伝で成功した企業の事例を参考にするのもおすすめです。

以下では、アプリをうまく宣伝して集客や売上につなげている企業の例を紹介します。

飲料メーカー

国内の大手飲料メーカーの事例です。

この企業のアプリは、アプリを利用して自動販売機で商品を購入すると、スタンプが貯まるのが特徴です。合計15個のスタンプが貯まれば、無料で使えるドリンクチケットが手に入り、自動販売機で飲み物と交換できます。

無料でドリンクをもらえるという分かりやすいメリットを訴求することで、アプリの導入を促進しています。また、自動販売機で飲み物を手に入れる消費者自身が、アプリの広告塔になるため、ダウンロード数を効率的に増やせています。

この企業自体の知名度がもともと高いのですが、「2016年度にはアプリ・オブ・ザ・イヤー」を獲得し、よりアプリの認知度を高くしました。

うどんチェーン店

国内大手のうどんチェーン店のアプリは、限定クーポンを毎月配信しているのが特徴で、クーポンを提示すればお得に商品を購入できるようになっています。レシートに記載されているQRコードをアプリで読み込めばスタンプを貯められるので、貯まったスタンプをクーポンと交換することも可能です。

また、家族や友人などが「招待コード」を入力すれば、アプリを紹介した人と紹介された人の両方がクーポンを受け取れるのもよいところです。ユーザーが店舗をお得に利用できる仕組みが充実していることから宣伝が促進され、今では多くの人に利用されるアプリへと成長しています。

ハンバーガーチェーン店

大手ハンバーガーチェーンが提供しているアプリは、「App Ape Award 2019」を受賞しており、人気や話題性を集めたものとして認められています。

アプリでは会員登録だけでお得なクーポンを手に入れられるようになっており、消費者がダウンロードするハードルを下げています。また、ポイントが貯まる仕組みも設けられており、長く使い続けられる仕組みも整えられています。事前注文や決済、商品受け取り方法の選択もアプリ内で完結させられるので、店頭に並ぶストレスを避けやすくなっているのも注目されている理由だといえるでしょう。

まとめ

ここでは、アプリを宣伝する重要性や具体的なアピール方法、アプリの宣伝に成功した企業の事例について説明しました。

高度な技術を活用したアプリは年々増えているので、ダウンロード数を増やすためにはアプリの品質を向上させながらうまく宣伝していく必要があります。ここで説明した内容を参考にして、開発したアプリを多くの消費者に利用してもらえるようにしておきましょう。

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