近年、インターネットやスマートフォンが普及したことで、個人が幅広い人々に向けて手軽に情報発信できるようになっています。
中でもFacebookは、2019年時点での月間アクティブユーザー数が2,600万人と、非常に多くの人が利用しています。幅広い層を対象に集客ができるとして、ビジネスにFacebookを活用している企業や店舗が増えています。
しかし、まだFacebookを導入してない企業の場合、「どのようにFacebookを運用すれば集客数が増えるのだろう」と疑問に思う担当者もいるのではないでしょうか。そこで今回は、企業用Facebookの概要や集客を成功させるコツ、利用する際の注意点やFacebook集客に成功した企業の事例について説明します。
参考:フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」–独占ロングインタビュー
目次
まずは企業用のFacebookについて知っておこう
SNSにはX(旧Twitter)やInstagramなどがありますが、それぞれ個人用アカウントと企業用アカウントに大きな違いはありません。しかし、Facebookの場合、企業用アカウントとして「Facebookページ」というものがあり、個人用アカウントとは違った特徴を持っています。
まずは、Facebookページの特徴やほかのSNSとの違いについて説明します。
Facebookページとは?
そもそもFacebookページとは、個人ではなく、企業として作成するアカウントのことをいいます。個人用アカウントでは実名での登録が必要ですが、Facebookページでは「企業名」や「商品名」でアカウントをつくることが可能です。Facebookページを持つことによって、個人間のつながりではなく、「企業とユーザーのつながり」を促進できます。
具体例として、新商品の発売情報やお得なセール情報、商品の制作風景やサービスを体験している様子などの配信が挙げられます。通常見ることのできない企業内の様子などを知ってもらえば、企業への関心を高めてもらうことが可能です。
また、ユーザーが「いいね」や「コメント」をすることで、企業の投稿に反応できるのもFacebookの特長です。企業がユーザーのコメントに返信すれば、販売店や代理店などを通さない直接的な関係性を築けるので、より親近感を感じてもらえるでしょう。
ほかのSNSとFacebookページの違い
SNSにはさまざまなサービスがあります。Facebookをうまく活かして集客につなげるためには、Facebookならではの特長を理解しておくことが大切です。ほかのSNSとFacebookページの違いとして、次の4つが挙げられます。
- X(旧Twitter)は10代のユーザーが多いのに対して、Facebookは20代や30代のユーザーも多い
- 検索エンジンで上位表示されやすいので、店舗の情報をより幅広いユーザーにアピールできる
- 実名制なので、Facebookページに集まるいいねやコメントなどの口コミの信頼性が高い
- 実名制なので炎上リスクが比較的低い
たとえば、30代向けの高品質な化粧品を幅広いユーザーに知ってもらいたいのであれば、Facebookを活用することでより多くのターゲットに情報を届けられるでしょう。ユーザー目線で商品の使用感を知ってもらいたい場合も、Facebookを利用することで信頼性の高い情報を広めやすくなります。匿名性の高いSNSのように悪意のあるコメントを受けるリスクも少ないので、安全な運用がしやすいのもメリットです。
Facebookで集客を成功させるコツとは?
ここまでは、Facebookページの概要やほかのSNSとの違いについて説明しました。Facebook運用で得られる成果を高めるためには、次の3つのコツを知っておくのも大切です。
ターゲットを明確にする
Facebookで集客する場合、まずはターゲットを明確にすることが大切です。
それは、Facebookページに魅力的な投稿をして「いいね」や「コメント」を集めてファンを増やせても、結果的に集客につながらなければ、購入や契約に結びつきにくいからです。商品やサービスを販売したい層にしっかりアピールできれば、集客力を高めるとともに売上を伸ばしやすくなるでしょう。
ターゲットを設定する際は、年齢や性別、居住エリアや職業、興味や関心といった項目から、商品やサービスを販売したい層を絞っていきます。
たとえば、地域の特産品を使ったスイーツをエリア限定で販売する場合、「〇〇県に住む25歳の女性で職業はOL。スイーツが好きで新しい商品が出たら一度は試すようにしている」のように、具体的な人物像(ペルソナ)を設定するのがおすすめです。
ペルソナを意識した投稿をすることでターゲット層の興味や関心を高められれば、集客数を増やしやすくなるでしょう。
顧客とのコミュニケーションを意識する
設定したターゲット像に沿って投稿を続けていると、顧客から「いいね」や「コメント」といった反応が得られるようになります。「いいね」には返信できませんが、コメントに対して返信することで顧客と双方向のコミュニケーションがとれるので、こまめにチェックすることが大切です。
投稿を継続すれば顧客を集めやすくなりますが、顧客とのコミュニケーションを意識したFacebookの運用をすればリピーターを増やすことにつながります。
顧客の信頼感を高められれば、安定的に売上を維持できるでしょう。
ただし、企業によっては膨大な顧客数を抱えているため、すべての投稿に返信するのは難しいかもしれません。ユーザー同士のコミュニケーションの場としてコメント欄を運用するという手法もあるので、企業の方針にあわせてFacebookをうまく運用できるようにしておきましょう。
必要に応じて有料広告を掲載する
日々の投稿や口コミだけでは、情報が届く範囲が限定的になります。そのため、必要に応じて有料広告を掲載し、より多くのユーザーに企業の情報を届けることも覚えておきましょう。
Facebook上で利用する広告のことを「Facebook広告」といいます。すでに企業のFacebookページでも、新商品の発売情報やキャンペーン情報といった内容を宣伝しているかもしれません。しかし、Facebook広告は、Facebookページに投稿する宣伝とは違い、ほかのユーザーのアカウント上に表示される広告であるという特長があります。
また、Facebook広告には、「リンク広告」や「動画広告」、「カルーセル広告」など、多種多様な広告が用意されています。企業が何をどのようにアピールしたいかによって選ぶべき広告が変わりますが、得られる効果を正確に予測するのは難しいので、まずは複数の広告を試してみて効果が高そうな手法に力を入れていくのがおすすめです。
広告費は、表示回数クリック数に応じて所定の広告料を支払う仕組みになっています。支払った広告費に対して得られるリターンも考慮しながら、適切な広告を選べるようにしておきましょう。
Facebookで集客する際の注意点とは?
ここまでは、Facebook集客を成功させるコツについて説明しました。Facebookは、うまく運用することで高い集客効果を得られると期待されていますが、一方で注意点を理解しておくことも大切です。
Facebookで集客する際の注意点として、次の2つが挙げられます。
プロフィール情報を常に最新にする
企業用アカウントとしてFacebookページを運用する場合、検索エンジンで比較的に上位に表示されるため、ある程度のアクセス数が期待できます。しかし、せっかくFacebookページにアクセスしたにも関わらずプロフィールの情報が最新になっていなければ、「管理が行き届いていない」という印象を与えてしまうかもしれません。
プロフィール欄で特に重要な項目として、次の4つが挙げられます。
- 住所
- 電話番号
- ホームページのURL
- 定休日
もちろん、店舗概要の説明文やプロフィール画像といった項目も大切ですが、集客力を高めたいのであれば、これらの項目は常に最新にしておきましょう。
また、ホームページのURLを記載する場合は、ホームページに記載している内容と食い違わないようにすることも重要です。どちらの情報を信じればよいか分からないと、顧客の不信感が高まりクレームにつながるかもしれません。
ホームページの情報を更新する際は、Facebookページのプロフィール欄も忘れずに書き換えましょう。
投稿が宣伝ばかりにならないようにする
集客数を増やそうとするあまり投稿内容が宣伝ばかりになっていると、ユーザーに「宣伝しか投稿しない企業だ」と思われかねません。
もちろん、投稿の内容がユーザーのメリットにつながるものであればよいのですが、「商品やサービスを買ってもらいたい」という印象が強すぎると、かえって敬遠されてしまうので注意が必要です。
Facebookページは事業用のアカウントなので、どのような内容でも投稿してよいわけではありません。ユーザーの興味や関心を高める投稿として、次の6つが考えられます。
- 企業の成り立ち
- 企業が目指す方針
- 商品やサービス絡めたお役立ち情報
- 顧客との関わりで印象に残ったこと
- よく問い合わせを受ける疑問点と解決方法
- 業界のトレンド・最新情報
ほかにも、企業独自のアピールポイントやユーザーの日常生活に役立つ情報があれば、積極的に発信しましょう。それらの情報が結果的に企業の商品やサービスに結び付くような内容であれば、自然な流れで宣伝すると効果的です。
Facebook集客に成功した企業の事例を紹介
ここまでは、Facebook集客のコツや注意点などについて説明しました。Facebookを運用する際は、企業のオリジナリティが出るような投稿を考えなければならないため、「なかなかアイデアが思いつかない」と悩むかもしれません。
集客につながるFacebook運用をするためには、実際にFacebook集客に成功した企業の事例を参考にするのも方法のひとつです。以下では、Facebook集客の成功例をいくつか紹介します。
宅配ピザチェーン店の成功事例
まずは国内でも大手の宅配ピザチェーン店の事例を紹介します。こちらの企業は、動画を有効活用したFacebook運用で集客を成功させています。
具体例として、ピザの製造過程を動画で投稿したり、アプリの利用方法を動画で説明したりするといったものが挙げられます。
普段は見られないピザの製造過程を公開して興味や関心を高めていることから、再生数も増加し注文や来店につなげられていると考えられます。また「動画が画像やテキストよりもユーザーの目を惹きやすい」という特長をうまく活かしているのも、Facebook運用の参考になる部分だといえます。
人気ケーキ店の成功事例
続いて、女性に人気がある人気ケーキ店の成功事例を紹介します。こちらのケーキ店は、店舗数は10店舗とそこまで多いわけではありませんが、Facebookを運用することで全国各地から顧客を集めることに成功しています。
この企業のFacebook運用で特徴的なのが、「テキストの多さ」です。おいしそうなケーキなどのスイーツの画像とともに、メニューについて詳しく説明文が記載されているので、ユーザーに来店意欲を強く持ってもらえるようになっています。
また、メニューの紹介だけでなく、販売数や予約の可否、整理券の配布状況やテイクアウトの利用方法など、店舗を気持ちよく利用してもらうために必要な情報が詳しく記載されています。事前にトラブルを避ける工夫をしているところも、Facebook運用の参考になる部分です。
航空会社の成功事例
最後に、航空業界でも大手の企業の成功事例を紹介します。こちらの会社は、航空会社の企業アカウントだからこそできる投稿をすることで注目を集めています。
具体例として、飛行機から見た美しい景色の画像や飛行機の整備場を紹介する動画など、普段なかなか見られない様子を投稿していることが挙げられます。
航空に関するクイズ形式の投稿をしてユーザーの興味や関心を高めるとともに、翌日以降に答えを発表して継続的なアクセスを促すという投稿も魅力的です。コメント欄ではユーザー同士のコミュニケーションや「いいね」などのリアクションが生まれており、ユーザーが楽しめる場を提供することにもつながっています。
まとめ
ここでは、企業がFacebookを活用して集客を高めるコツや注意点、Facebook集客に成功した企業の事例について説明しました。
Facebookを運用してから効果を感じるまでには、ある程度の期間がかかるかもしれません。ここで説明した内容を参考にして、ユーザーの興味や関心を高める投稿を続けて集客力を高められるようにしておきましょう。
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