店舗が集客する方法は多種多様ですが、インターネットやスマートフォンが普及した現代は、SNSを活用して集客する企業もたくさんあります。中でも、「LINE」は日本人の多くが利用しているSNSなので、うまく活用すれば効率的に集客数を増やすことが可能です。
しかし、「LINEで本当に集客数が増えるの?」「どうすればLINEでうまく集客できるのだろうか?」と疑問に思う人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、LINEが集客に効果的である理由や集客を成功させるコツ、LINEで集客する際の注意点について詳しく説明します。
目次
LINE公式アカウントとは?
LINEを活用して消費者にアプローチをするなら、ビジネス用のLINEアカウントである「LINE公式アカウント」を開設する必要があります。LINE公式アカウントは以前は「LINE@」という名称でしたが、2020年4月にLINE公式アカウントに移行しました。
LINE公式アカウントを利用すると、企業・店舗から一般消費者にLINEアプリ上でメッセージを送ることができます。また、一方的なメッセージの送付だけでなく、チャットで顧客ひとり一人とコミュニケーションをとることも可能です。
参考:LINE公式アカウントの開設|LINE for Business
LINE公式アカウントが集客に効果的である理由とは?
LINE公式アカウントが集客に効果的である理由として、次の6つが挙げられます。
1通あたりの料金が安い
一般的に、ビジネス用の集客ツールを利用すると、ある程度の費用がかかります。
しかし、LINE公式アカウントであれば、登録料は無料で、1ヵ月あたりのメッセージ送信数が1000通までであれば利用料金はかかりません。店舗の規模や顧客数、メッセージの送信頻度によっては費用をかけずに集客できるので、コストパフォーマンスのよいツールだといえます。
また、多くの顧客にメッセージを送る場合も、ライトプランは15,000通で月額5,000円、スタンダードプランは45,000通で月額15,000円なので、1通あたりの費用を抑えやすくなっています。顧客にはがきなどを送る手法としてDM(ダイレクトメール)もありますが、1通あたりの送料が最低でも62円はかかることを考えると、LINE公式アカウントのほうが大幅に費用を抑えられるといえます。
もちろん、情報量や形状、デザインといった面に違いはありますが、送料を意識して集客方法を考えると、LINE公式アカウントを使うメリットは大きいでしょう。
ユーザー数が多い
世界中で利用されているLINEですが、「2020年12月期 第3四半期 決算補足説明資料」によると、日本では8,600万人のアクティブユーザーがいるとされています。個人間での利用はもちろんのこと、ビジネスで利用するユーザーもいることから、LINEは幅広い場面で活用される代表的なコミュニケーションアプリだといえます。
ユーザー数が多いということは、それだけ多くの人に店舗の情報を届けられる可能性が高くなります。「他のSNSは登録していないが、LINEは日常の連絡ツールとして使う」というような人に対してもアプローチが可能です。
ダイレクトにメッセージを送れる
LINE公式アカウントは、ほかのSNSのように大衆向けの投稿をするのではなく、特定の顧客に向けてダイレクトにメッセージを送れるという特長があります。
たとえば、「先月購入してくれた〇〇様限定の情報」のように、特定のユーザーに向けてメッセージを送信できます。配信の対象者を限定すれば、メッセージの開封率だけでなく顧客のロイヤリティを高めることが可能です。それによって店舗への興味や関心を強めてもらえれば、店舗に足を運んでもらいやすくなるでしょう。
一斉配信も手軽におこなえる
特定の顧客を指定してメッセージを送れるLINE公式アカウントですが、「友だち」として登録しているユーザーに向けてメッセージを一斉配信することもできます。この仕組みはメールマガジンと同じ手法ですが、LINE公式アカウントではメールアドレスを取得する必要がないのが特長です。
QRコードなどを利用して手軽にユーザーと繋がれるので、情報発信するまでのハードルが低く、より多くのユーザーに企業の情報を届けられます。詳しくは後述しますが、ターゲットごとに適した情報を配信すれば、より多くの顧客に足を運んでもらえるでしょう。
また、必要に応じて「予約投稿」を設定しておけば、指定した時間に自動的にユーザーに情報を届けられます。配信した情報はリアルタイムでユーザーに届くので、期間限定で開催するイベントや0時からはじまるセールなどの情報をアピールするにはぴったりです。
メッセージの高い開封率が期待できる
どれだけ多くのユーザーにメッセージを送信しても、それが開封して読まれなければ意味がありません。LINE公式アカウントでメッセージを送ると、顧客にはプッシュ通知でメッセージの着信が知らされます。プッシュ通知が表示されたら、タップするだけでメッセージを確認できるので、DMのように封筒を開封したり圧着ハガキを開いたりする手間がかかりません。
また、メールは、受信してから時間が経過すると新たなメッセージに埋もれてしまい、開封されないことがあります。しかし、LINE公式アカウントでは、未読のメッセージがあるとアイコン上に「未読マーク」が表示されるため、時間が経過してからでもメッセージを確認してもらえる可能性が高まります。リアルタイムで通知するメッセージであるにも関わらず未読時も通知し続けられるので、より高い開封率が期待できます。
デジタルクーポンの配信が可能
LINE公式アカウントでは、メッセージだけでなくデジタルクーポンを配信することも可能です。紙のクーポンと同様に、商品購入時やサービス利用時に提示すれば割引や特典を受けられるため、うまく活用すれば集客数を増やせるでしょう。
また、デジタルクーポンを配信すれば、友だち解除やブロックによってメッセージが届かなくなるのを避けやすくなります。「メッセージを受け取れる状態にしておけばお得なクーポンがもらえる」という印象を与えられれば、企業の情報を定期的に確認してもらえるでしょう。
ほかにも、デジタルクーポンを活用すれば、クーポンを開封した人数や利用した人数、さらに年代や性別、居住地といった属性を分析することもできます。紙のクーポンでは難しかった顧客分析を手軽かつ的確におこなえるので、よりよい集客方法につなげられます。
LINE公式アカウントで集客を成功させるコツとは?
ここまでは、LINE公式アカウントが集客に効果的である理由について説明しました。LINE公式アカウントをうまく活用して集客につなげるためには、次の4つのコツを意識しておくことも大切です。
これらを意識しながらLINE公式アカウントを運用すれば、店舗の集客数を増やして売上を伸ばせるでしょう。以下では、LINE公式アカウントで集客を成功させるコツについて詳しく説明します。
友だちを積極的に増やす
店舗の情報をなるべく多くのユーザーに届けるためには、LINE公式アカウントの「友だち」を積極的に増やすことが大切です。友だちを増やす具体的な方法として、次の3つが挙げられます。
- チラシやPOPで登録を促す
- ホームページやSNSなどで登録を促す
- 友だち追加キャンペーンを開催する
チラシやPOPはオフラインの手法ではありますが、QRコードを添付すれば手軽に友だち追加してもらえるので、目立つ場所に表示しましょう。また、ホームページやSNSに友だち追加のリンクを掲載すれば、ボタンを押すだけで友だち追加画面に移ることが可能です。また、「友だち追加キャンペーン」を開催して、友だち追加したユーザーにクーポンを配布するなどの特典を設ければ、より効率的に友だちを増やせるでしょう。
ターゲットを分類してメッセージを送る
すでに述べたように、LINE公式アカウントではターゲットごとに異なるメッセージを配信できます。選択できる属性として、次の5つが挙げられます。
- 年代
- 性別
- 居住エリア(都道府県)
- 利用しているOS(Android、iOSなど)
- 友だち追加されてからの日数
これらを活用すれば、「〇〇県に住んでいる人」や「友だち追加してから1年以上経過したユーザー」のように、属性を限定してメッセージを送れるようになります。うまく活用すれば、メッセージ配信数を節約しつつ高い集客効果を得られるため、目的に応じて適切なターゲットを選択できるようにしておきましょう。
参考:LINEセグメント配信の導入方法とは?メリットや有効なセグメント方法をご紹介 | BLOG
視覚的なアピールも併用する
「リッチメッセージ」でリンクを埋め込んだ画像を添付すれば、ユーザーに視覚的なインパクトを与えられます。
画像をクリックすることで、目的とするリンク先に誘導できるので、新製品の発売やイベントの開催といった情報をうまくアピールして集客につなげられるでしょう。
必要に応じてオプションを利用する
費用を抑えて利用できるLINE公式アカウントですが、必要に応じてオプションを利用すれば、さらに高い集客効果が見込めます。
具体例として、「Messaging API」を利用してチャットボットと連携させ、ユーザーからの問い合わせなどに自動対応させることが挙げられます。顧客数によっては、1人ひとりにメッセージを返信するのは難しいかもしれません。
「Messaging API」などの機能をうまく活用すれば運用の手間を抑えつつ顧客満足度を高められるでしょう。
LINE公式アカウントで集客する際の注意点とは?
ここまでは、LINE公式アカウントで集客を成功させるコツについて説明しました。LINE公式アカウントを使いこなすためには、集客のコツのほかに次の注意点を知っておくことも大切です。
以下では、LINE公式アカウントで集客する際の注意点について詳しく説明します。
LINEのロゴの使い方に気をつける
POPやチラシ、ホームページやブログなどにLINEのロゴを使えば、LINE公式アカウントの存在を伝えやすくなります。しかし、LINEのロゴはLINE社の権利物なので、ガイドラインに沿って使用しなければトラブルに発展する可能性があります。
たとえば、LINE社の公式サイトからダウンロードしたロゴを大きく編集して表示させたり、店舗のロゴの一部として使ったりするのはガイドライン違反になります。ほかにもさまざまな事項が定められているので、LINEのロゴを使う際はガイドラインの内容をよく理解しておきましょう。
定期的に効果検証をする
LINE公式アカウントで店舗の情報をアピールしたとしても、それがどの程度集客につながったのかを分析しなければ、アプローチが適切であったか評価できません。効果検証をする際は、アカウント上にある「LINE Official Account Manager」を利用しましょう。
具体的な評価項目として、友だち追加数やブロックされた数、配信数やクリック数などが挙げられます。タイムラインにも投稿しているのであれば、インプレッション数やクリック数、いいねの数などもチェックしましょう。
また、LINE公式アカウントのブロック率は平均20~30%といわれています。ユーザーによって「クーポンだけ受け取りたい」や「キャンペーン情報だけ知りたい」のようにニーズが異なるので、ブロックされたからといって落ち込む必要はありません。分析結果を参考にして、より多くのユーザーが興味や関心を持ってもらえる投稿を心がけましょう。
友達が増えると料金プランの変更が必要になる
先述したように、LINE公式アカウントは毎月1000通までは無料で配信できます。しかし、1ヵ月あたりの配信数が増えると有料プランに切り替えなければならないので、店舗によっては費用がかかってしまいます。LINE公式アカウントの料金設定は次の表のようになっています。
フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額固定費 | 無料 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ通数 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 |
追加メッセージ料金 | 不可 | 5円 | ~3円 |
メッセージ通数によっては費用が高くなる場合があるので、予算や必要なメッセージ通数、集客効果に応じて適切なプランを選べるようにしておきましょう。
まとめ
ここでは、LINE公式アカウントが集客に効果的である理由やうまく集客するためのコツ、利用時の注意点などについて説明しました。
LINE公式アカウントは無料で始められるので、まず試しに利用してみるのがおすすめです。ここで説明した内容を参考に、LINE公式アカウントをうまく活用して集客数を増やしましょう。
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