集客や売上につながるメルマガを配信するには、メールを受け取った顧客が興味を持つ内容にするだけでなく、配信するタイミングや頻度を考えることも大切です。しかし、「どのような方法でメルマガを作ればよいか分からない」「開封しても売上につながらない」と悩む人も多いのではないでしょうか。
今回は、メルマガを作る前にチェックすべきポイントを説明したうえで、成果につながるメルマガの作り方や注意点について詳しく説明します。
目次
メルマガを作る前にチェックすべきポイント
メルマガは、ただ顧客が興味を持ちそうな内容を盛り込むだけでは集客数や売上を十分に伸ばせません。メルマガを作る際は、まず次の4つのポイントをチェックすることが大切です。
以下では、これらのポイントについて詳しく説明します。
メルマガ配信の目的を決めておく
メルマガを作る際は、まずメルマガ配信の目的を決めておきましょう。メルマガ配信によってどのような成果を出したいかを明確にしておくと、メールでアピールする内容やリンク先のページなどを決めやすくなるからです。メルマガ配信の目的として、次の5つが挙げられます。
- 販売促進
- リピート顧客の獲得
- イベントへの集客
- 顧客のアフターフォロー
- ファンの獲得
たとえば、新商品の売上を伸ばしたいのであれば、「新商品の特長や活用方法を伝える」といった内容が考えられます。また、顧客へのアフターフォローを充実させたいのであれば、「関連商品の案内をする」などの内容にすることで興味や関心を高められるでしょう。
メルマガを配信するターゲットを絞る
メルマガを配信する目的が決まると、それに応じてターゲットも変わります。ターゲットごとに適切な内容を設定できれば、WEBサイトへのアクセスや来店につなげやすくなります。
たとえば、リピート顧客を集めたいのであれば「購買歴のある顧客」、イベントへの集客であれば「店舗周辺エリアに住む顧客」のように、ターゲットを絞って配信すれば、メルマガによって目的とする行動を引き出しやすくなるでしょう。
ほかにも、性別や年齢、職業や年収のように、目的ごとに複数の顧客リストを作成しておけば、スムーズにメールマーケティングを進められます。
配信するタイミングを決める
ターゲットを設定しても、配信するタイミングが適切でなければメルマガを開封してもらえません。そのため、メルマガを送信する際は、受け取る側の状況をイメージしてタイミングを設定することが大切です。
たとえば、オフィス勤務のビジネスパーソンをターゲットにする飲食店の場合、朝の通勤時間帯や昼休み前にメルマガを配信することで、ランチやディナーでの利用を検討してもらいやすくなります。
「家族持ちの40代男性に、レジャー用品を購入してほしい」と考える企業では、仕事が終わって一息ついた20~21時ごろに配信すると開封してもらえるでしょう。また、毎日メルマガを送ると迷惑に感じられる可能性があるので、「週に1回」「月に1回」のように、適切な配信頻度を決めることも大切です。
メルマガ作成の形式を選ぶ
メルマガの形式には、「HTML形式」と「テキスト形式」の2つがあります。
HTML形式は、WEBサイトを作成するのに使う「HTML言語」を使って作成するタイプのメルマガです。WEBサイトのようなデザインにすることができ、コンテンツを自由にアレンジできるのが特長です。文字の色や太さを変えたり画像を挿入したりすることで見た目のインパクトを強めれば、商品やサービスへの関心を高めやすくなります。
一方、テキスト形式は、テキストデータが基礎になったメルマガのタイプです。HTML形式のようなデザインの自由度は低いですが、容量が軽いため受信者の負担を抑えて配信できます。また、迷惑メールに分類されにくいため、送信エラーを抑えやすいというメリットもあります。
これらの特長を理解したうえで目的に適した形式を選べば、商品やサービスへの興味を高めるメルマガを作れるでしょう。
成果につながるメルマガの作り方とは?
メルマガを作る前にチェックすべき点を理解したら、次は成果につながるメルマガの作り方を見ていきましょう。集客や売上につながるメルマガの作り方は、次の通りです。
以下では、各項目について詳しく説明します。
テーマを1つに絞って作成する
メルマガには好きなだけコンテンツを盛り込めるので、企業によっては「商品やサービスの魅力をふんだんに盛り込みたい」と考える人も多いのではないでしょうか。しかし、1つのメールに複数のテーマが含まれていると、タイトルの作成が難しくなったり企業の意図が顧客に伝わらなくなったりする可能性があります。
そのため、「新商品のご案内」「期間限定セールについて」のようにテーマを1つに絞ると、顧客に伝わりやすいメールを作れます。メールの内容に沿って顧客の興味を惹きつけるタイトルも決めやすいので、メルマガの配信数に対する開封数の割合である「開封率」を高めることにもつながります。
タイトルやキーワードを工夫する
先述したように、テーマを絞ったらそれに合わせてタイトルを決めます。開封率を高めるタイトル作成の工夫として、次のようなポイントが挙げられます。
ポイント | タイトル例 |
数字を含める | 「業務効率を30%アップさせるITツールをラインナップ」「顧客満足度98%のイチオシ商品をご提案」 |
特別感や限定感を出す | 「メールを受け取ってから30日間限定!特別セールのご案内」「先着100名様限定!メルマガ提示で特典プレゼント」 |
ターゲットを指定する | 「新社会人向け!キャリアデザイン講習会の招待状」「30代のうちに使っておきたいアイテムを総まとめ」 |
メリットを記載する | 「メルマガ会員なら送料無料」「2点購入で3点目が半額」 |
危機感を持たせる | 「まだ手に入れてない?流行アイテムを逃さずチェック」「もしもの備えはできていますか?事前準備で安心できる暮らしを送ろう」 |
複数のポイントを盛り込むとかえって伝わりにくくなるので、テーマに沿って適切なタイトルをつけることが大切です。担当者間で複数のタイトル案を出せば、より顧客に興味を持ってもらえるタイトルにできるでしょう。
顧客に伝えたい情報から書き始める
メルマガの内容を書くときは、顧客に伝えたい情報から書き始めることが大切です。
それは、メルマガを受け取った顧客全員が、初めから「最後までメールを読み進めよう」と思っているわけではないからです。
文章を書く際は、まず最も顧客に伝えたい情報や価値のある情報を記載し、その次に情報の根拠や詳細を記載するといった順序で記載しましょう。そうすることで、メールを途中までしか読まなかった顧客にも重要な情報が伝わります。
「メリットが大きそうな情報だからもっと詳しく知りたい」と感じてもらえれば、そのまま読み進めてもらい、WEBサイトへのアクセスや資料請求といったアクションにつなげられます。
また、いきなり文章を書き始めるのではなく、事前に盛り込みたい内容を大まかに決めておくことも、企業の意図を伝えるメルマガにするために重要です。「新商品の特長」「イベントの概要」のように、伝えたい内容を事前に決めておけば、優先的に記載する情報を決めやすくなります。
開封後にとってほしいアクションを分かりやすくする
メルマガが開封されれば「メール興味を持ってもらえた」と判断できますが、それが集客や売上につながらなければ、本来の目的を達成できたとはいえません。メルマガを配信する目的は企業によって違いますが、顧客に求めるアクションを分かりやすく記載するのも大切です。
たとえば、「新メニューを開発したのでたくさんの顧客に食べに来てほしい」と考えているのであれば、メニューの画像やアクセス方法を記載すると集客につなげやすくなります。「一度ECサイトで自社の商品を購入した顧客に、関連商品を購入してほしい」という場合は、関連商品のリストを表示させるとともに購入ボタンを設置すると購入数を増やせるでしょう。
適切な装飾を施す
メルマガから企業が求めるアクションにつなげるには、適切な装飾を施すことも大切です。
メルマガを受け取った顧客を行動につなげる方法として、「HTMLメール」の活用があります。HTMLメールは、メールに画像を表示させたり文字の色や大きさを自由に変えられるので、テキストベースで作られる「テキストメール」よりも視覚的なインパクトを与えやすくなります。まるでWEBサイトのようにメールを表示させられるので、URLのクリックや問い合わせといったアクションを増やせるでしょう。
装飾する際のポイントとして、次の3つが挙げられます。
- アピールポイントを太字にする
- 目次や見出し、URLを目立たせる
- 区切りや記号を活用する
たとえば、「メルマガ購読者限定」「期間限定割引」といった文言はアピールポイントになりやすいので、太字などの装飾を施すのがおすすめです。また、文章のまとまりごとに付けるタイトルである「見出し」に背景色や文字色を施せば、項目ごとにどのような情報が記載されているかを把握しやすくなります。
「本文」「問い合わせ方法」「アクセス方法」をラインで区切れば、HTMLを使わなくても伝わりやすいメールに仕上げられるでしょう。
メルマガを作る際の注意点とは?
ここまでは、成果につながるメルマガの作り方を紹介しました。期待する成果を得るためにさまざまな工夫をするのは大切ですが、次の注意点も意識しなければなりません。
以下では、これらの注意点について詳しく説明します。
法律に準拠した内容であるか確認する
たとえ作成したメルマガが魅力的なものであっても、それが法律に準拠したものでなければ思わぬペナルティを受けるかもしれません。
メルマガを活用する場合は、「特定電子メール法」を知っておく必要があります。
この法律では、次の事項が定められています。
- 送信者の情報を記載すること
- 配信解除の方法を明記すること
- 同意していない人や受信拒否した人に送信しないこと
どのメルマガであっても、これらを1つでも満たさなければ法律に抵触します。場合によっては以下のような厳しい処罰を受けることになります。
送信者情報を偽って送信した場合や、送信者が総務大臣及び消費者庁長官の命令に従わない場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人の場合は、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金)に処せられます。
トラブルを回避してマーケティングをするためにも、送信前に必ずチェックしておきましょう。
事前にテスト配信をする
メルマガが完成したからといって、いきなり顧客に送信するのは望ましくありません。メールに誤字脱字があったり、URLをクリックしても企業のWEBページにアクセスできなかったりすると、顧客が読みにくく感じたり売上や集客につながらなくなったりするからです。
そのため、メルマガを本配信する際は、事前にテスト配信をしてメールが正しく表示されるか、クリックで適切なWEBページにアクセスできるかをチェックすることが大切です。
特にHTMLメールでは、受信者の環境によって文字化けするなど正しく表示されない場合があります。スマートフォンやパソコン、タブレットといったデバイスだけでなく、機種やモデルごとの表示も確認しましょう。
まとめ
ここでは、メルマガを作る前に確認すべきポイントや成果につながるメルマガの作り方、作成時の注意点について説明しました。
反応率を高いメルマガをつくるには、メルマガの効果を定期的に分析し、顧客の興味や関心を高められる内容や配信頻度を見極めることも大切です。ここで説明した内容を参考にして、集客や売上につながるメルマガを作りましょう。