効果的に販促を行う上で欠かせないツールにPOPがあります。POPとは「Point of purchase advertising」の略称で広告媒体の1つです。お店やイベントの販促に効果的なPOPですが、その作り方やコツを正しく理解することで、より効果を高められるでしょう。
そこで当記事では、POPの効果的な作り方や手順、ポイント、種類などについて解説します。
目次
そもそもPOPの目的とは何
まず、POPとは、店舗において、目立つ文字やイラストなどで商品やサービスの魅力を伝える媒体です。商品の近くに目立つ文字で書かれた値札が添えられていたり、商品の特長が手書きのイラストとともに記載された掲示物が店内に展示してあったりします。
POPを店頭に設置する目的は、主に2つあります。1つは店舗の商品やサービスに興味を持ってもらい、販売を促進することです。店頭で商品の販売を促進する方法はいくつかありますが、POPはスタッフが説明しなくても、お得感や特長、購入後の満足度をイメージさせられるのがメリットです。
「スタッフの数が少なく口頭で説明する余裕がない」という店舗でも、POPを掲示するだけで「どのような商品なのか」「いくらで販売しているのか」を伝えられます。そのため、うまく活用すれば限られた人員で効率的に売上アップできることが期待できます。
もう1つは、お店や商品の雰囲気づくりに活用することです。例えば店内に商品名や商品を分かりやすく紹介した、オリジナリティのあるPOPが設置されていたら、次もこのお店に行きたいなと思ってもらえるのではないでしょうか。
また、お正月やバレンタイン、ハロウィン、クリスマスなどの季節のイベントを絡めてPOPを作成すると来店客の注目を集めやすくなるでしょう。
お店の販促に効果的なPOPの作り方の手順
POPはお店の販促に効果的なツールです。メーカーから支給されるものから、自前で作成されたものまで、世の中にはさまざまなPOPで溢れています。
POPを自前で作る場合、正しくポイントを押さえていなければ、その販促効果を発揮できません。より効果の高いPOPを作るためにも、まずは作り方の手順について確認していきましょう。
ターゲットや目的を明確にする
販促に効果的なPOPを作るには、内容に統一性をもたせることが重要です。そのためにも「何をPRするのか」「誰がターゲットなのか」「なぜ作るのか」といった点を一つひとつ明確にしなければなりません。
市場から必要とされている商品やサービスであっても、ターゲットや目的が明確になっていなければお客様への売り込みが弱まり、販促にはつながりにくいでしょう。
キャッチコピーを決める
明確にしたターゲットや目的を元にしたキャッチコピーも必要です。キャッチコピーとは、サービスや商品の魅力や情報を短い言葉で伝え、相手の心を掴むための文章を指します。
キャッチコピーはPOPにおいて最初に目がいく大切な部分であり、キャッチコピーによって「消費者の悩み」「商品・サービスの特徴」などを一目で伝える必要があります。印象に残る言葉を選びつつも、一度読んだだけで内容が理解できるように分かりやすいキャッチコピーを考えましょう。
ただし、全てのお客様に対してアピールしようとすると誰にも届かないキャッチコピーとなる可能性もあるので注意が必要です。
デザインを決める
キャッチコピーが決定したら、実際にPOPのデザインを作っていきます。販促に効果的なPOPとするためには、デザインも需要な要素の1つです。
デザインを決めるポイントは具体的な数字によって表すことです。例えば「本日はお買い得!」よりも「本日は全品5%オフ!」といったように、ストレートに表現にしたデザインの方が内容を理解してもらいやすくなります。数値などを活用し、よりわかりやすいデザインを目指しましょう。
POPの作り方のポイント
実際にPOPのデザインを考える際には、抑えるべきポイントがいくつか存在します。基本を押さえ、訴求力のあるPOPを作りましょう。
情報の優先順位を決める
POPは消費者に向けてストレートに情報を伝える必要があり、さらには情報ごとに優先度をつけることが重要です。
すべての情報をPOPに詰め込んでしまうと、かえって効果的な訴求ができません。訴求力の高いPOPを目指すなら、掲載する情報ごとに優先度を決めてポイントを絞りましょう。例えば、スーパーなど店頭に設置するPOPの場合は、やはり価格が優先順位としては高いといえます。
写真やイラストを使用する
商品によっては文章だけではその内容を伝えきれない場合もあるので、写真やイラストを積極的に使用しましょう。また、新しい商品やサービスなどは消費者自身が商品のイメージを持てない可能性もあるため、商品説明を加えるなどの工夫も必要となるでしょう。
使用する色は3色程度に留める
POPに使用する色数は基本的にメイン・サブ・アクセントカラーの3色程度としましょう。なぜなら、あまりカラフルにしてしまうと見づらいPOPとなり、かえって悪い印象を与えてしまう可能性があるからです。
目立つ配色や商品にあった色を意識しつつ、必要最低限の色のみを使用することで、メリハリのある整ったデザインを作ることができ、訴求したいポイントも伝えやすくなるでしょう。
文字数や文字のバランスを考える
POPの文字数はできる限り少なくしておきましょう。あまりにも文字数が多いPOPは読みにくく、かえって情報が伝わりません。
また文字サイズは均一ではなく、適宜変更しましょう。目立つPOP・キャッチコピーにするには「重要な部分の文字サイズを大きくする」「思い切って余白を残す」といったように、文字のバランスへの配慮が大切です。
説明は箇条書きにする
前述のとおり、文字数はできる限り少なくするのがポイントです。しかし、商品を丁寧に説明しようとすると、自然と文字数は多くなりがちです。
そのような場合には箇条書きを活用してみてください。特徴を簡潔にまとめて箇条書きにれば、すっきりと読みやすいPOPになります。また「サクサク」や「つるつる」といったオノマトペは短文でも情報を伝えやすく、あわせて活用するとよいでしょう。
お店の雰囲気やニーズに合ったPOPを選ぼう
POPの販促効果を高めるには集客の目的やターゲットを意識しながら、お店の雰囲気やお客様のニーズにあったPOPを選ぶ必要があります。ここでは「店頭POP」と「店内POP」に分け、それぞれの代表的なPOPを紹介します。
店頭POP
店舗や商品の情報をわかりやすく伝え、来店を促すのが店頭POPです。店頭POPはたまたま店舗前を通行する人を対象としているため、情報を目立たせ、興味が湧くようなキャッチコピーやデザインにするのがよいでしょう。
遠くからでもアピールできる旗・バナースタンド
店舗前を通行する人に向けたPOPが旗・バナースタンドです。旗とはいわゆる旗の形をした店頭POPで、さまざまな業態の店舗で利用されています。遠くからでも店舗の存在やイメージを伝えやすく、集客力の高い店頭POPといえます。
またバナースタンドとは自立式の幕や旗を意味する簡易的な看板です。広告スペースが広く情報を伝えやすいため、展示会やイベントなどで多く利用されています。
手軽に書き換えられるブラックボード
ブラックボードも集客効果が高い店頭POPの1つです。ブラックボードとは黒板などに手書きし、店前に置いて集客をするボードで、その特徴はこまめに内容を書き換えられる点にあります。
「時間帯によってメニューを変える」「日替わりランチなど日によってメニューが変わる」といった店舗の場合は、特にブラックボードはおすすめです。他のPOPで起こり得る「現物の印刷や色味がいまいちだった」「作った後に訴求したいポイントが増えた」といった問題も起きることもないでしょう。満足が行くデザインになるまで練習を重ねながら作ることができます。
店内POP
店内POPとは店内に掲示するタイプのPOPで、新商品やおすすめ商品、商品の強みなどをピンポイントに伝えられます。掲示する場所によって大きさやタイプを使い分けることで、より効率的な販促効果が期待できるでしょう。
ワンフレーズの訴求に適しているスイングPOP
少しの風や振動で揺れるタイプの店内POPがスイングPOPです。前に飛び出す立体形状が特徴で、広告面積は直径100mm程度と非常に小さいながらも「おすすめ!」や「新商品」といったワンフレーズの訴求を行うことが可能です。
両面テープで固定するだけの簡単な仕様のものもあり、陳列棚やレジなど限られたスペースでも利用しやすいでしょう。設置のハードルが低いことが大きなメリットとなります。
POPのイメージ例
上記で紹介した5つの作り方のポイントを押さえて、作成すると下記のようなPOPになります。上のPOPは使用する色を3色程度にすることでデザインにまとまりが出ていることが特徴的です。また、「熱中症対策グッズ」とPOPの中央に配置することで何を伝えたいかを情報を詰め込みすぎず、明確に示すことができています。
下のPOPは「新生活応援」と家電のイラストと一緒に記載されているため、どのようなキャンペーンが実施されているのかが一目で分かるようになっています。具体的な数字も記載されていて、お客様に優先して伝えたい情報も簡潔にまとまって分かりやすいデザインになっています。
作り方のコツを押さえることで、お客様に対して商品やサービスといった自社の伝えたい情報を簡潔に示すことが可能です。POPは作成するデザインによって、そのお店の商品やサービスに個性を出すことができます。そのため、店内外のお客様の目に留まりやすいPOPはどのようなデザインなのかを考えて作成しましょう。
POP設置後の効果検証が大切
POP設置後の効果を測る手法の1つに「PDCAサイクル」があります。PDCAとはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」の4つのサイクルを回すことで、品質や精度を効率的に高められます。
POPの効果は、宣伝した商品だけでなく、他の商品やサービスにも波及する可能性があります。POPの効果を高めるためにも、効果検証を継続的に行い、浮き彫りになった改善点を修正しながら販売効果の向上を目指しましょう。
まとめ
POPは設置して終わりではなく効果検証をし、最適化することが重要です。しかし、闇雲にPOPを作っても販促にはつながりにくいでしょう。ターゲットを明確にし、消費者に伝えやすいデザインでPOPを作成してみてください。
またお店の雰囲気や売り場に適したPOPを用いることも販促効果を高めるには欠かせないポイントです。設置後は効果検証を行い、改善を続けながら販促効果を高めていくことが大切です。