家族の一員として動物を家に迎えたいと考える人が増えている中、ペットショップまで足を運んでもらうには、内装デザインの工夫も極めて重要な要素です。

内装デザインの工夫としては、動物に対する配慮はもちろんのこと、来店されるお客様や近隣に対する気配りなど、さまざまな視点からの工夫が考えられます。実際にペットショップを開業するにあたり、どのような点に注意して内装デザインを進めればよいのでしょうか。内装デザインが重要とされる理由やポイントを詳しく説明します。

ペットショップの内装デザインが重要な理由

ペットショップを開業するうえで、内装デザインが重要であるとされるのにはどのような理由があるのでしょうか。

集客アップに繋げられる

お客様がペットショップを訪れる場合、ペットを飼うことを既に決めているお客様もいれば、通りすがりに目についたから立ち寄ったというお客様もいます。通りすがりのお客様に対しては、他店との違いが明らかにわかるような、ひと目で「入ってみたい」と思える内装でなければいけません。

また、SNSでの情報収集が一般化している近年は、ペットショップ選びにおいてもSNSにアップされた画像をみてから来店を決めるというケースも増えています。いわゆる「SNS映え」しそうなおしゃれなデザインであることも集客につながります。

第一印象や居心地のよさが向上する

店舗の外装や内装の見た目は、お客様が来店した時の第一印象として記憶に残りやすい部分です。お客様が実際に来店するまでに抱いていたお店の印象とマッチしていれば、お客様の好感度にも大きく影響します。

また、ゆっくり滞在できそうな居心地のよさも顧客満足度の向上に大きく影響します。ゆったりとペットや商品を眺めることのできる空間だとわかれば、お客様のリピート率が高まり、口コミで店舗のよさが伝わる可能性もあります。

ペットショップの内装作りのポイント

ペットショップの内装作りのポイント
  • ワクワク感のあるレイアウト
  • ゆったりとした空間
  • 清潔感・掃除のしやすさを重視
  • 店内の動線を意識する

ペットショップの内装を考える際に、具体的にはどのようなことを中心に考えていけばよいのでしょうか。お客様と従業員両方の観点で考える必要があります。以下で説明していきましょう。

ワクワク感のあるレイアウト

ペットショップに足を運ぶお客様は、ペットとの楽しい暮らしを想像しながら訪れます。そのため、ペットとなる動物が元気でいる姿を眺めることができるようなレイアウトが重要です。動物をじっくり観察できる「小動物園」のようなわくわくした雰囲気をイメージしてみましょう。

また、直接触れ合うことのできるスペースを設置することで、ガラス越しの配列だけではわからない動物のよさを発見でき、お気に入りの種類がどのような性格なのかを知る機会にもなります。

ゆったりとした空間

お客様の中には、何度も訪れてじっくり考えてからペットを選びたいという方もいます。その際に店内が急かされるような雰囲気で、商品が山積みになっているなど清潔感のない様子だったのでは、動物に対する愛情が感じられないお店だと感じ、再来店にはつながりません。

かわいい動物とゆっくりと向き合えるような、落ち着きのあるゆったりとした空間作りが必要です。

清潔感・掃除のしやすさを重視

動物を扱う店舗である以上、床や設備の傷や汚れは避けることができません。また、掃除がしにくい環境では店内が不潔になりやすく、動物に悪影響を与えてしまいます。一方で従業員は、商品陳列や接客、バックヤードの事務などさまざまな業務を抱えて、掃除時間だけを多く取ることも難しいでしょう。

そのため、内装を検討する際には傷や汚れに耐えられる素材選びをすることが重要です。例えば床は耐水性にすぐれ、掃除がしやすいクッションフロアにすることで、清潔を保つことができます。

店内の動線を意識する

店内の動線には、お客様目線での流れを追った動線と、従業員が業務につくうえでの流れの動線の2種類があります。どちらか一方だけに配慮していても、双方がスムーズに動ける店内にはなりません。具体的にどのような違いがあるか説明します。

お客様動線

お客様の動線とは、お客様がお店に入ってから店内を回り、動物や商品を選んだりサービスを受けたりするまでの一連の通路の動きを表します。どのような商品陳列であればゆっくり商品選びをしやすいか、どのようなレイアウトであれば動物とゆっくりと対面することができるか、お客様の立場になって検討してみるとよいでしょう。

従業員動線

従業員の動線は、開店から閉店までにかかる業務でたどる動きを表します。さまざまな業務がスムーズな流れで行うことができるか、動物や人間のケガに結びつくような危険な動作は発生しないか、充分に検討してみましょう。

ペットショップの内装工事にかかる費用

ペットショップの内装を考えるには、費用面もあわせて検討する必要があります。一般的にペットショップの内装にかかる費用は坪単価15〜20万円が相場と言われています。ただし、希望しているお店の形態や店舗設備によって内装に使用する材質は異なり、かかる費用も大幅に変わってきます。相場の数字はあくまで目安としてとらえ、事前に内装業者数社に見積りをとってから検討するとよいでしょう。

ペットショップの内装に関する注意点

ペットショップを運営するにあたって、苦情に発展しないような近隣への配慮も重要です。動物にはまったく罪はないので、経営側が充分な対策をとる必要があります。最後に、内装に対する注意点として具体的にどのような点があるかを説明します。

騒音対策をする

ペットショップの苦情で多いのが、動物の鳴き声です。どんなに防音対策を施していても、換気ダクトなどから動物の鳴き声が漏れることがあります。換気ダクトからの音漏れである場合はスポンジなどの吸音材で塞ぐなどの対策をとりましょう。近隣すべての人が動物好きであるとは限らないので、理解を得るための配慮が必要です。

悪臭を発生させない

ペットショップは他の業種と異なり、動物の排便に対する配慮がとても重要になります。店内だけでなく隣接する店舗にも臭いが伝わり、お客様や近隣から苦情を受けることも多く見られます。他の業種で一般的に使われる換気扇よりも大きく強力な換気扇や脱臭装置を設置したり、こまめに掃除がしやすいレイアウトにしたりするなど、周囲に悪臭がおよばないように充分な対策をとりましょう。

まとめ

今回はペットショップの内装デザインの重要性について紹介しました。ペットショップは動物がいるという特別な場所であり、他の業種と異なる充分な配慮が必要です。

動物に対する配慮はもちろんのこと、お客様がゆったりと落ち着いて動物と対面できるような空間作りや、従業員が動きやすい動線への配慮も重要です。

また、動物を扱う以上は鳴き声や排便に対する近隣への配慮は怠ってはいけません。鳴き声が騒音ととられないような防音装置や換気ダクトの対策や、臭いが伝わらないように清潔を保つ努力も必要となります。

動物の命をあずかる業種である以上、動物も人間も安心して訪れることのできる内装作りを検討してみてはいかがでしょうか。

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