「これから自分のお店を立ち上げて繁盛させたい」
「顧客から愛される店舗をつくりたい」
このような夢を持っている人は多いもの。しかし、周りに競合店が多い中で人気店になるには、店頭販促について正しく理解を深めておくことが大切です。販促方法がよく分からないまま店舗を立ち上げてしまうと売上が思うように上がらず赤字になってしまいかねません。
そこで今回は、店頭販促がどのようなものであるか、また店頭販促におけるおすすめのツールや手法を具体例を交えて、詳しく説明していきます。
目次
そもそも店頭販促とは?
そもそも店頭販促とは、ターゲットを実店舗へ来店させ、売っている商品に対して「買いたい」という購買意欲を高め、実際に購買行動へ移させることを指します。
販促と意味を混同されがちな言葉として「広告」がありますが、広告は、多くの人に認知してもらうことが最大の目的であり、それに対して販促は、購買をしてもらうことが目的となっています。つまり、店頭販促のゴールは、「店頭で商品を購買してもらうこと」であり、このゴールを達成するためには1つの手法ではなく、さまざまな角度からのアプローチが必要となってきます。この記事では、店頭販促をする目的や具体的な店頭販促ツールを紹介していきます。
店頭販促をする目的を知っておこう
まず、効果的な店頭販促をおこない、売上を伸ばすためには、以下の3つのポイントが重要となります。
どれか1つを達成するだけでは人気店になることは難しいため、この3つすべてをバランスよく改善していくことが人気店への道となるでしょう。ここからは、店頭販促の目的について詳しく説明します。
集客力を高める
1つ目のポイントである「集客力を高める」ためには、まず顧客の目に触れることが大切になります。幅広く集客する手法として、チラシやDMの配布、テレビCMなどが挙げられます。ただし、テレビCMを打つとなると多大な広告費がかかってしまうため、近年ではインターネットを利用してWEB広告やSNSを活用する事例が増えています。
具体的には、こまめにメールマガジンを配信して顧客に存在を認知してもらったり、店舗の公式LINEを作成し、店舗情報やクーポン情報を送る方法や、公式インスタグラムなどで店舗や商品の写真を掲載して集客している事例があります。また、実際に店舗での「オープン記念」や「〇〇の日企画」などイベントを打つことで、顧客の興味を引くことも施策の1つです。
客単価をアップさせる
顧客一人ひとりの客単価をアップさせることも、店頭販促の目的のひとつ。客単価とは、顧客1人あたりの売上を平均したものをいい、客単価をアップさせることで店舗の売上を効率的に改善できるようになります。
たとえば、店内外のレイアウトにこだわって、顧客に居心地のよい空間を提供し、少しでも長い時間顧客に滞在してもらえるような店舗を目指すといった方法が挙げられます。外から見たときに興味を持ってもらえるような外装にしたり、店内の商品陳列を工夫したり、POP広告などを用いて、商品の効果やメリットを分かりやすくすることで、顧客の満足度が上がるとともに、店舗での購入金額や購入頻度を高めてもらえるでしょう。
リピート率を高める
販促には、リピート率を高めるという目的もあります。どの店舗も1度来てもらうだけでは、長期的な売上維持にはつながりません。大切なことは、その店舗のファンになって何度も行きたいと思ってもらうこと、つまり「ファン化」をおこなうことです。
顧客に満足してもらうような接客を心がけることはもちろん、1度店舗に来てもらった顧客に対して会員カードを発行してポイント特典を付与したり、定期的にクーポン付きのDMを送ることで特別感を出し、リピーターを地道に増やすことがリピート率の高い店舗へと成長する秘訣となります。
また、店舗のブランディングも重要です。たくさんの競合の店舗がある中で、「〇〇といえば、この店!」と印象づけられるような店舗のブランドを作りましょう。ブランド力を高めることで他店との差別化を図り、顧客から「またこの店舗で買いたい!」と思ってもらえるでしょう。
集客力を高める店頭販促のツールとは?
次に、集客力を高める店頭販促ツールをご紹介します。具体的なツールとして、以下の3つが挙げられます。
- チラシや広告を配布する
- 旗や看板を使う
- 店頭イベントを開催する
それぞれの特徴を知っておくことで、販促ツールを使い分けることや組み合わせることが可能となり、より効果的な使い方ができるようになるでしょう。それでは、ここから具体例を交えて、店頭販促ツールの詳細を説明していきます。
チラシや広告を配布する
駅前や店舗の前でチラシを配っているのを見かけたり、新聞受けに折込広告が入っているのを経験した人は多いでしょう。一般的に、チラシや折込広告を見ただけで店舗に足を運んでくれる確率はそこまで高くないともいわれていますが、認知力を拡大させる効果は大きくなっています。特に、インターネットをあまり利用していない高齢者といった層では、チラシから情報をインプットしていることも多いため、ターゲット層によってチラシや広告の配布は効果的だといえるでしょう。
旗や看板を使う
旗や看板は、予約をせずに利用する機会の多いカフェやランチタイムの飲食店で、通行人に店舗の存在を伝えるために効果的なツールとなります。通常では、店舗の中に入らないと見ることのできないメニューや、遠くからでも視認性のよい看板にすることによって、アクセスしてもらいやすい店舗にすることができるでしょう。
また、旗を取り替えるだけで柔軟に掲載内容を変えられるため、季節ごとのおすすめ品を記載したり、季節限定のメニューを載せることで顧客を飽きさせないツールとして利用することができます。デザインや文言によっては他店との差別化を図ることもできるので、より効果的な集客が期待できるでしょう。
店頭イベントを開催する
店頭イベントは、携帯ショップや大型ショッピングモールなどでよく使われている方法です。イベントの中身は、抽選会やおみくじなどエンターテイメント性をもたせつつ、景品つきで顧客にメリットを感じてもらえるようにすれば、効率的に集客できるだけでなく、その場で売上につなげることもできるでしょう。
リピーター向けにイベントを開催する場合は、「〇〇ポイント貯めたらイベントに参加できます」のように、一定のポイントが貯まった顧客が参加できる仕組みを作り、ポイントを貯めるための購買促進との相互作用を狙うと、再来店を促しやすくなるでしょう。日時などの詳細が決まっている場合は、チラシや広告を活用したり、旗や装飾をおこなって事前告知をすることで、イベントの集客がしやすくなります。
購買率を高める店頭販促の方法とは?
購買率を高めるためには、顧客が店舗に入るところから実際に購買行動をおこなうまでの流れが大切となってきます。そのうえで以下の3つのポイントを意識しましょう。
ここからは、購買率を高める店頭販促の方法について、1つずつ具体的に説明します。
顧客が入りやすい外観にする
まずは、顧客に足を踏み入れてもらいやすい店舗の外観にすることが大切です。「店舗自体は気になるけど、中に入る勇気がないから行くのをやめた」と思われてしまうと、いくら集客を頑張っても購買につなげることはできないでしょう。
店舗の外観をガラス張りにして店舗の中の様子が分かるようにしたり、入り口付近におすすめ商品を置けば、店舗を利用してもらいやすくなるでしょう。また、店舗が2階以上にあり顧客から店舗の中が見えづらくなっている場合は、看板や旗などを利用して、店舗が営業していることをアピールするのが効果的です。どのような店舗なのかがイメージできるような写真などを載せてイメージを伝えるのもよいかもしれません。
目的とする商品を見つけやすいレイアウトにする
顧客の中には、初めから購入したいものが決まっている顧客と、特に購入物が決まっているわけではないけれど店舗内の品物を見てみたい顧客がいます。どちらにも共通していえるのが、店舗内の商品がカテゴリーごとに分かれて見やすくレイアウトされ、ストレスなく快適に買い物をしてもらえるかが重要ということです。
目的としている商品が見つかりにくく、従業員に聞かないとどこに置いてあるか分からないようなレイアウトになっている場合、顧客に手間をかけてしまうため、店舗に対してよい印象を持ってもらえないでしょう。また、店頭POPをうまく活用することで、商品を見つけてもらいやすくしたり、商品のよさをアピールしたりもできるので、積極的に活用しましょう。
商品やサービスを体験してもらう
POP広告だけではよさが伝わりにくい食品や化粧品は、実際に試食やテスターを設置して無料で商品のよさを体験できるコーナーをつくるとよいでしょう。
家電など少し単価が高い商品ほど購買するかどうか悩みやすいです。しかし、その場で従業員が実演したり、顧客自身がサービスを体験できるようにすることで、実際に商品を購入した後のイメージを持ってもらいやすくなり、購買率を高められると期待できます。
客単価を上げる店頭販促の手法を紹介
客単価を上げられれば、新規顧客を集める店頭販促に大きなコストを割かなくても、効率的に売上をアップさせることが可能です。客単価を上げる販促手法は、大きく分けて以下の2つに分かれます。
これらの手法を知っておくことで、スムーズに客単価を上げられるようになるでしょう。ここからは、客単価を上げる店頭販促の手法について詳しく説明します。
クロスセル
クロスセルとは、「他の商品などを併せて購入してもらうこと」を意味します。例えば「ハンバーガーにはポテト」、「レジ近くに手軽に買える商品を置く」といった施策が考えられます。顧客が購入したい商品の近くに関連商品を陳列したり、POP広告を使って関連商品も一緒におすすめすることでセット購入を促し、客単価のアップが期待できます。
ただし、顧客にとってメリットを感じられる商品をおすすめしなければ、顧客に「なんでも売りつけてくる店舗」というマイナスな印象を与えてしまいかねません。実際にクロスセルをおこなう際は、どの商品がセットで購入されやすいのかを事前によくリサーチしたうえで実施しましょう。
アップセル
アップセルとは、「購入を検討している商品よりも価格が高い別の商品を購入してもらうこと」を指します。アップセルのためには、商品名と価格をただ提示するだけでなく、価格分の付加価値が分かるようにパッケージを変更したり、得られるメリットをスタッフから説明することで顧客に納得してもらうことが重要。POP広告を利用して、顧客からの商品に対する口コミなどを掲載すると、付加価値に対する説得力を増すことができるでしょう。
まとめ
ここでは、店頭販促の概要や目的、店頭販促ツールの具体例、購買率を高める店頭販促の方法について説明しました。
効果的な店頭販促をおこなうためには、ツールの違いや利用タイミングなどを正しく理解し、顧客のニーズにあわせた販促を実施することが大切です。また、1度実施して満足するのではなく、顧客の反応を見て、販促内容を修正していくことが店舗を人気店へ成長させるための秘訣となります。
ここで説明した内容を参考にして、効果的な店頭販促を実践して顧客から支持される店舗づくりができるようにしておきましょう。