マーケティングの手法のひとつに、チラシを配布する「ポスティング」があります。デジタルでの広告や販促方法が広く活用されている中で、アナログの施策の中でも「ポスティングは効果がない」といわれることもありますが、実施する方法次第でおおいに反響を得ることが期待できます。
今回は、ポスティングを行うメリットや効果的な配り方、反響がなかった場合の対策などを詳しく説明します。
目次
ポスティングでマーケティングを行うメリット
はじめに、マーケティングの手法としてポスティングを行うにはどのようなメリットがあるのかを紹介します。
- 効率的なアプローチができる
- 手元に残る
- 目に触れやすい
効率的なアプローチができる
ポスティングは、配布したいエリアをターゲットに応じて絞り込むことが可能なため、比較的コストをかけずに行うことができます。配布エリアは市町村の中の町丁目単位にまで限定することができるほか、集合住宅や戸建て住宅まで絞り込めるので、商圏が明確な場合は効率的なアプローチが可能です。しかも低コストであることから、予算によっては複数回に分けて配布することでより高い効果を期待できるでしょう。
手元に残る
インターネットやテレビで見かける広告は、画面を閉じたり、一定時間を過ぎたりすれば、すぐ画面上から消えてしまうため、訴求内容によっては一度では届きにくい側面があります。一方で、ポスティングで配布するチラシは紙媒体のため受け取った側の手元に残るため、一旦離脱すると再び目に留まりにくいWEB広告などに比べて保存期間が長くなります。
目に触れやすい
ポスティングの場合、ポストに投函されたチラシは一度は受け取り側の目に触れることになります。この際に受け取り側の目に留まればチラシの内容まで読んでもらえる可能性は高まります。チラシ配布の方法には新聞などへの折込もありますが、折込の場合は他のチラシのなかに紛れてしまうため、目に触れる確率は低くなることも考えられます。
また、もし受け取り側が手にしたチラシにすぐに興味を持てば、配布した当日にも反響が得られる可能性もあるでしょう。
ポスティングの効果的な配り方
ポスティングを効果的に行うにはどのような方法があるのか、ここでは主に3つ説明します。
ターゲットを分析する
効果的なポスティングを行うために重要なのは、ターゲットの分析です。自店の商品・サービスのターゲット層と、ポスティングを行うエリアのターゲット層がマッチするようなエリア設定を行いましょう。エリア設定が明確になるだけでも、より効果的なポスティングが可能になります。もし、自店の商品・サービスのターゲット層が明確にできない場合には、どのような人に必要とされるかということで検討してみるとよいでしょう。
配布エリアを選ぶ
自店の商圏に住む人々にどのような特徴があるかを把握し、配布エリアを選定します。商圏の人口や世帯数、年齢層や年収、性別など細かく分析していきましょう。配布エリアの選定は、自店の業態によっても異なります。たとえば、生活用品や食料品といった毎日必要なものを販売するお店、一週間のうちに数度だけ訪れるお店、数か月に一度だけ利用のお店など、さまざまな分類方法があります。
さらに、想定距離の決め方の目安として、徒歩での来店なら半径およそ500m〜700m、自転車であれば半径およそ1km〜2km、車であれば半径3km〜5kmとして想定してみるとよいでしょう。
商圏分析については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
効果測定で成果を確認する
今後のポスティングでより高い効果を得るためには、過去のポスティング結果をもとに効果測定を行って実際の成果を確認することが重要です。配布エリアやターゲット層などを絞り込んだうえでどのような反響を得られたのかを細かく分析し、改善点が見えてきたら修正して再度ポスティングを行ってみましょう。
チラシの効果を知る指標の主なものに「反響率」と、「投資対効果(ROI)」があります。それぞれ、チラシにかけた料金や配布枚数などをもとに計算していきます。
反響率やROIの計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
ポスティングでマーケティングを行うための3つのコツ
ポスティングを用いたマーケティングでは、効果測定を行う際にWEBでのマーケティングのような正確な数値が出しにくい特徴があります。ポスティングを行う場合でもより正確な効果測定の数値を得るにはどのようなコツがあるのか、3つ紹介します。
- 専用のランディングページに誘導して効果を測る
- クーポンや特典をつけて効果を測る
- 問い合わせ先を掲載して反応数を測る
専用のランディングページに誘導して効果を測る
自店でWEBサイトを持っている場合には、チラシから誘導されたことがわかるようなランディングページを用意し、チラシにそのURLやQRコードを掲載することで、ポスティングを受け取った人からどの程度の反響があったかを知ることができます。
また、チラシに直接クーポンを配置するのではなく、自店のWEBサイトのランディングページへ誘導させて氏名や住所など簡単な情報を登録させたあとでクーポンを付与することで、利用者情報を収集することもできるでしょう。
クーポンや特典をつけて効果を測る
自店のWEBサイトを持っていない場合などでは、チラシにクーポンや特典を直接設置することでも、配布枚数とクーポンや特典の利用状況を比較して、ポスティングの効果を測ることは可能です。チラシにクーポンや特典をつける際は、より多くの人の目に留まり、ぜひトクをしたいと思わせるように、目立つ明記の仕方を工夫してみるとよいでしょう。
問い合わせ先を掲載して反応数を測る
例えば衝動買いできないような住宅や不動産など高価な商品を販売している場合、チラシを目にしても即購入というわけにはいかないでしょう。そのようなチラシを配布する場合に反響を知るためには、何軒の問い合わせを受けたかということで効果を知ることができます。購入まで至らない場合であっても、問い合わせがあったこと自体で、そのチラシに対して関心をもったということがわかります。
問い合わせ先を明記する場合は、入力が必要なインターネットや電話料金がかかる電話番号ではなく、ユーザーの負担にならないフリーダイヤルを設定することがおすすめです。
ポスティングの反響がない時にするべき3つのこと
上記の事柄を実践してポスティングしてみたものの、反響を得られなかったという場合もあるでしょう。そんなときにはどのような対処をすればよいのでしょうか。最後に、ポスティングの反響がなかった場合に必要なことを3つ紹介します。
- 配布エリアを選び直す
- ターゲット設定を見直す
- 掲載内容を考え直す
配布エリアを選び直す
チラシの反響が得られなかった場合にまず考えられるのは、配布エリアの設定ミスです。例えば、自社の商品・サービスの年齢層と配布エリアの住人の年齢層があわなかったり、配布エリアの年収設定があわなかったりする場合には、その商品・サービスを利用したいと考える人自体が少ないと考えられます。
富裕層、共働き世帯、高齢者世帯など、そのエリアの住人の特徴によってニーズは異なります。自店の商圏にはどのようなものに関心を得る世帯が多いのか、充分に調査をしながら再検討しましょう。
ターゲット設定を見直す
チラシの反響が得られない問題には、配布エリアの設定だけでなく、自店の商品・サービスそのもののターゲット設定が間違っているという可能性も考えられます。自店の商品・サービスについて、どのようなターゲット層にニーズが得られるのか、どのような人を想定すればよいのかを見直してみましょう。ターゲット設定は、より多くの人に対してアピールするのではなく、より具体的な人物像を想定してアピールするほうが、競合との競争により強い商品・サービスになることが見込めます。
掲載内容を考え直す
ポスティングの反響が得られない場合には、チラシそのものに問題があるかもしれません。より多くの情報を掲載しすぎて、何を訴求したいかわからない曖昧な内容になっていないかチェックしてみましょう。
また、コピーの言葉使いやチラシのデザイン性が、自社の商品・サービスのターゲット層にマッチしたものであるか、伝えたいことがひと目で伝わるような内容であるか、自社の問い合わせ先やアドレスがわかりやすいかなどを踏まえ、掲載内容を再点検しましょう。
チラシの内容を見直す際には「A/Bテスト」という方法を用いるのも有効です。
- チラシの反響が得られなかった理由について、仮説を立てる
- チラシのひとつの要素だけを異なる内容にして、2種類のチラシを作成する
- 2種類のチラシを、配布エリアと部数を変えずにポスティングしてみる
上記を実施してチラシの反響を見ることで、どちらのチラシが反響を得られるものかが明らかにできます。デザインや文字量、掲載する写真など、あらゆる方面で探ってみるとよいでしょう。
チラシのデザイン方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
まとめ
今回は、チラシのポスティングのメリットや、より高い反響を得るための具体的な方法について紹介しました。
ポスティングは、エリアを絞って配布することで自店の商圏のピンポイントに情報を届けることができ、コストを低く抑えることができるというメリットがあります。さらに、エリア設定やターゲット設定を適切にしたうえでクーポンや特典を掲載したチラシを配布することで、具体的な効果測定を行うこともできます。自店のWEBサイトもあわせて活用すれば、ユーザー情報の収集にも役立つでしょう。
効果が得られなかった場合には、ターゲット設定やエリア設定を見直し、さらにチラシ内容を複数用意してA/Bテストを行ってみるなどの対策をとることで問題を解消することも可能です。
自店の商品・サービスにあったチラシのポスティングで、より効果的な反響を目指してみてはいかがでしょうか。
参考:ポスティングは効果ない?チラシの反響率を高めるコツや効果測定の方法を解説 株式会社ライン
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