自社の商品・サービスが優れたものであっても集客につながらないという場合、「集客力」に問題があるかもしれません。
今回は集客力の重要性について、集客力が高い店舗の特徴と、集客につながらない理由、集客力を高めるポイントについて解説していきます。
集客力とは?

集客力とは、自社の商品・サービスに対して興味・関心を抱く顧客を惹きつけ、店舗やサービスに顧客を呼び込む力のことを指します。
どんなに自社の商品・サービスが優れたものであったとしても顧客に認知されなければ集客にはつながりません。たとえば、全国的に認知度のあるショッピングセンターであればすでに一定の集客力があるので、初出店の地域に出店した場合でも、待ち望んでいた顧客は足を運ぶかもしれません。
一方、新しいお店やブランドなどのように、顧客の認知度や興味・関心が低い状態や、突出した魅力がない状態では、出店するだけで集客をするのは難しいでしょう。よって、あらゆる対策を行って集客力を高めていく必要があります。
集客力が重要な理由
集客力が重要な理由は、集客力を上げると売上の改善につながるためです。
売上は以下のような計算式で求められます。
- 売上=顧客数×購買回数×平均購買金額
※平均購買金額:顧客の1回あたりの購買金額を平均したもの
式から分かるように「顧客数」と「購買回数」を増やすことは売上アップに直結します。「顧客数」を増やすためには、まずは自社の商品やサービスの魅力を知ってもらい、一度試しに利用してもらう(新規顧客になってもらう)必要があります。新規顧客を増やすには広告やチラシなどの集客施策が有効です。
「購買回数」を増やすためには、一度利用してもらった顧客(既存顧客)に働きかけ、リピーターになってもらわなければなりません。リピーターを増やすには、メールマガジンやポイントカードなどの集客施策を実施するとよいでしょう。
しかし、限られた予算や人員の中で、顧客数と購買回数を効率的に高めるのは簡単ではありません。そのため、後に紹介する「集客の効果が出ない要因」や「効率的に集客を行うステップ」も踏まえたうえで、具体的な施策立案・実施に繋げていきましょう。
集客力が高い店舗の特徴
集客力の高い店舗というのは、自社の商品・サービスに対するターゲットを明確に設定しており、ターゲットに向けた適切な訴求を行っています。さらに、市場や時代の変化や、これまでの施策の効果と照らしあわせて、現時点においてふさわしい集客方法を常に検討しています。
また、集客をする際には新規顧客のみをターゲットとせずに既存顧客も対象とすることも重要です。自社の商品・サービスの認知度が低い場合は新規顧客の集客に注力し、既存顧客の来店頻度や購入回数を上げたい場合には顧客満足度向上に注力するなど、現在注力すべき顧客選びも施策として取り入れるとよいでしょう。
集客が成果につながらない理由
集客をするために、広告費をかけてさまざまな施策を打っているのに成果につながらないことがあります。そのようなケースが発生してしまう原因のうち、代表的な例を6つ解説していきます。
- ターゲット設定が甘い
- 他社との差別化ができていない
- 人を集めることだけにとらわれている
- すぐに顧客化できると考えている
- リピーターになってもらう戦略を立てていない
- 情報発信が顧客目線になっていない
ターゲット設定が甘い
集客ができない原因のひとつに、ターゲット設定が甘い可能性が挙げられます。誰のどんな悩みを解決したいのか?自社商品やサービスでその悩みを解決できるのか?という点をいま一度考えてみましょう。
ビジネスマンをターゲットに、オフィス街に出店した喫茶店を例として考えると、ターゲットが求めるものは何でしょうか?
たとえば「Wi-Fiやコンセントなどパソコン作業がしやすい環境が整っているか」や「席の間隔が適度に広く、打ち合わせができるかどうか」などが、店選びのポイントになると考えられます。
ターゲットと自社の強みがあっていない場合は、思い切ってターゲットを変更することも選択肢です。
他社との差別化ができていない
また、ターゲットの選定に問題がなくても、商品やサービスが他社と比較して魅力的に映らなければ、集客を伸ばすことは難しくなります。
たとえば、100品以上の豊富なメニュー数を強みとする個人経営の居酒屋のケースで考えてみましょう。この飲食店の近隣に、200種類以上のメニューを用意する大型チェーンのレストランができた場合、どう集客をするべきでしょうか。この場合、メニュー数の豊富さでは他店との差別化が難しくなります。代わりに、料理の味や、接客の品質、ゆっくりと食事を楽しめるという雰囲気を強みに押し出すなどが考えられます。ただし、いくら差別化ができていても、ユーザーにとって価値の低いポイントで差別化している場合は、集客で成果を上げるのは難しくなります。
ターゲットとする顧客はどんなことにメリットを感じる人なのかをしっかりと調査してから、集客の訴求を決定しましょう。
人を集めることだけにとらわれている
「集客=とにかく人を集める」と考えている経営者・企業の方も少なくないのではないでしょうか。そもそも買う見込みの少ない人を集めても根本的な売上アップには繋がりません。
そのような問題を防ぐためには「自社の商品やサービスを利用してくれる見込みが高い人」に対象を絞って人を集めることが不可欠です。集客数だけでなく、そのあとの購入率やリピート率もチェックし、安定的に売上を伸ばしていけるようにしましょう。
すぐに顧客化できると考えている
自社の商品・サービスの存在を認知しており、興味を持ってくれている人を見込み顧客と呼びます。見込み顧客は本格的にその商品を欲しいとはまだ思っていない場合が多く、購入までには時間がかかります。
たとえば、コンサルタントなどノウハウを販売するビジネスの場合は、一度無料セミナーを行った後で、後日テレアポするなどの手法をとっています。飲食店などのチラシも、配布後しばらく経ってから効果が表れることも珍しくありません。
集客施策を一度実施しただけですぐに顧客化できるとは考えずに、集客施策は根気よく続けていくことが大切です。
リピーターになってもらう戦略を立てていない
集客すべき対象は新規顧客だけでなく、既存顧客も該当します。一般的には新規顧客を集客するほうがコストがかかるため、一度購入した顧客にリピーターになってもらうことでコストを抑えながらも売上を最大化することができます。
また、一般的に既存顧客の方が購買単価が上がる傾向があるという点も既存客を集客するメリットでしょう。理由は一度購入しているので、安心感があるため購入ハードルが下がるからです。
たとえば前回購入した商品の関連商品をおすすめしたり、飲食店などであれば次回使えるクーポンなどを配布するのもよいでしょう。
集客の戦略を立てる際は、「商品・サービスの認知」→「商品購入」のステップだけではなく、その先の「継続購入」まで検討してみてください。そのために、集客にかかる予算を新規顧客向けとリピーター向けとに配分しておくのもよいでしょう。見込み客を集めるのにお金をかけすぎて、既存顧客がおろそかにならないように注意しましょう。
情報発信が顧客目線になっていない
情報発信をする際は、ターゲットとする顧客が「求めている情報」を発信することが重要です。ターゲットになる顧客が何を求めているのか、どうしたら商品・サービスを知ってもらえるのか考え、その顧客層にあった訴求を的確に行う必要があります。
また、中長期的な集客を目的としてSNSやメルマガなどで情報発信を行う場合には、顧客のニーズを明確に把握し、「顧客目線」に立った発信を心がけましょう。
実店舗の集客力を高めるポイント
実店舗の集客力を高めるポイントは主に以下の3つです。
- 外観や入り口を入りやすくする
- 店内の清潔感を保つ
- 旗や看板などの集客グッズを活用する
それぞれ詳しく解説します。
外観や入り口を入りやすくする
まず大切なのは店舗の入り口が入りやすいかどうかです。初めて来店する際に、清潔感のない外観や営業中かわからない状態では、お店に入りづらくなってしまいます。初めて来店する方でも入りやすいように、照明を明るくし、外から店内の様子が見えるように心がけましょう。
小売店の場合は目玉の商品を入り口近くに置くと顧客が入りやすくなります。
店内の清潔感を保つ
外観だけでなく、店内の清潔さも重要なポイントです。来ていただいたお客様が安心してお店に入れるよう、スペースをしっかり取り、換気をこまめに行うなどの感染対策は必須です。
しかし素人が清掃するには限界があります。定期的にプロの清掃業者に入ってもらい、清掃してもらった方がよい場合もあるので検討してみましょう。
旗や看板などの集客グッズを活用する
飲食店などの場合、たまたま通りがかった人がお店に入ることも少なくありません。そのため、お店の存在をいかにアピールするか、気づいてもらえるかがポイントとなります。店舗前を通行する人に商品やサービスを分かりやすくするために、旗や看板を設置することはおすすめの手段のひとつです。
オンライン店舗の集客力を高めるポイント
次に、自店のWEBサイトやECサイトなどのオンライン店舗の集客力を高める際に見るべきポイントについて紹介します。
- 自社サービスの強みが一目でわかるようにする
- アクセス解析ツールで分析をする
- SNSの特性を理解する
自社サービスの強みが一目でわかるようにする
オンライン集客で大切なのは、WEBサイトを訪れた人に、商品やサービスを購入することで得られるメリットが、一目で伝わるかどうかです。インターネットのユーザーは自分にとって有益なサイトかどうかを一瞬で判断するため、サイトの冒頭でメリットが伝わらなければWEBサイトから離れてしまいます。
また、あれもこれもと強みをサイト上に詰め込みすぎるのも効果的ではありません。要素が多すぎると、強みが何か分かりづらくなるからです。自社の強みのうち、もっとも伝えるべき情報は何かを考え、端的にアピールしましょう。
アクセス解析ツールで分析をする
集客施策を実施するなら、自社サイトへのアクセス数を分析をすることをおすすめします。集客した結果、アクセス数や購入数が増えたか分かる点がオンライン集客のよさでもあるので、ぜひ実施しましょう。
まずはGoogleが提供する無料のアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」をホームページに導入します。導入後は日々アクセス数を把握し、集客施策を実施して数値がどうなるかをチェックするようにしましょう。
もちろん、最初のうちはどうすればいいか分からないかもしれませんが、だんだんと数値の動きが分かってくるはずです。重要なのはアクセス数を増やすことと、購入までに離脱する人を減らすことです。これらを踏まえ、ホームページを定期的に修正、改善していけば、集客数アップとともに売上アップにも期待ができるでしょう。
SNSの特性を理解する
SNSで集客をする場合、使用しているユーザー層や使用用途などの特徴を理解することが大切です。
たとえば、Instagramでは女性ユーザーの比率が高く、Facebookの場合はビジネス用途で使われることが多いという特徴があります。また、X(旧Twitter)は若年層のユーザーが多く、文字が中心のSNSです。リアルタイムの情報拡散で多く利用されています。自社の商品やサービスを誰に販売したいのか、ターゲット層によってどのSNSを選択するかが重要です。
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