自社の商品・サービスに対する集客方法のひとつに「オンライン集客」というものがあります。インターネット媒体を用いた手法であることはイメージがつきますが、具体的にどのような方法で行われ、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。今回はオンライン集客について19の方法を紹介し、それを用いるにあたってのメリットや成功のためのコツを解説していきます。
オンライン集客とは?集客とマーケティングの違いも解説
「オンライン集客」とは、自社の商品・サービスに対する見込み客を、SNSや検索エンジンなど、インターネットの媒体を通じて獲得しようという集客方法のひとつです。紙を用いたチラシや場所を必要とする展示会と比較して低コストに抑えられる傾向にあります。
集客のことをマーケティングと捉えられることがありますが、マーケティングとは「誰に」「何を、どんな価値を」「どのように提供するか」という一連の活動のことであり、集客とは「どのように提供するか」ということに含まれています。さらに一度獲得した見込み顧客であっても、すべての見込み顧客が本顧客になるわけではないため、見込み顧客を獲得し続けて本顧客に転換させる必要があります。
集客とマーケティングとの違いについて詳しくは下記の記事もあわせてお読みください。
オンラインの集客方法19選
オンラインで集客を図るにはさまざまな方法があります。ここでは、19選としてオンラインの集客方法を紹介します。
リスティング広告の掲載
「リスティング広告」とは、Googleなどの検索エンジンの検索結果に応じて、検索結果の上部や下部に表示される広告のことです。「検索連動型広告」とも呼ばれ、すでに特定のニーズを持っているユーザーに対してのアプローチができます。商品やサービスの紹介だけでなく、認知を広める効果にも期待ができます。
リスティング広告について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
アフィリエイトの実施
「アフィリエイト」とは「成果報酬型広告」とも呼ばれ、自身のSNSなどで情報発信を行うアフィリエイターに自社の商品・サービスを紹介してもらう集客方法です。アフィリエイターの紹介によって自社サイトにアクセスされた場合や実際に商品・サービスを購入されたら報酬が発生するなどの流れとなっています。紹介内容はアフィリエイターによるため、ブランドイメージを重視したい場合は他の方法を検討するとよいでしょう。
ディスプレイ広告の掲載
「ディスプレイ広告」とは、ウェブサイトやアプリなどに、画像や動画などの広告を表示する手法です。ユーザーの興味関心や行動をもとにターゲティングを事前に行うため、見込み客へのアプローチが可能です。広告をクリックされるごとに料金が発生するため、事前に広告にかける予算を決めておくようにしましょう。
SEOの活用
「SEO」とは、Search Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化という意味になります。自社サイトやブログなどの自社メディアにおいてユーザーに有益な情報を発信し、検索結果の上位を狙う手法です。無料で行える施策ではあるものの、集客のためのキーワードは競合が多いため、希望する結果になるまでに時間を要することがあります。そのため、キーワードの選定やコンテンツ制作、継続的な情報更新などが必要です。
MEOの活用
「MEO」とは、Map Engine Optimizationの略で、マップエンジン最適化を指します。スマートフォンなどでユーザーが現在地周辺の施設を検索した際にGoogleマップやYahoo!地図に店舗情報が表示されるようにする手法です。上位に表示されるほど目に留まりやすく、複数候補として表示されるため、SEOと比較して上位対策に労力を要することはないでしょう。GoogleビジネスプロフィールもYahoo!プレイスも無料で集客対策を行いたい場合に有効です。
MEO対策について詳しくは下記の記事もあわせてお読みください。
参考:Google ビジネス プロフィール – Google にビジネスを掲載(2024年8月時点)
参考:Yahoo!プレイス 新規利用のご案内 – お店や施設の公式情報を入稿できる(2024年8月時点)
LINE公式アカウントの運用
「LINE公式アカウント」は、無料で開設でき、友だち追加してくれたユーザーへメッセージや画像、クーポンなどの一斉配信ができます。
LINE公式アカウントについて詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
参考:【公式】LINE公式アカウント – アカウント作成はこちら(2024年8月時点)
X(旧Twitter)の運用
「X(旧Twitter)」は、140文字以内でメッセージを発信するSNSです。リポストやリプライをすることでフォロワー以外にも情報拡散でき、企業アカウントでイベントなどの情報発信や企業ブランディングも可能です。
X(旧Twitter)について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
参考:「いま」を見つけよう / X(2024年8月時点)
Instagramの運用
「Instagram」は写真やビデオを共有するためのSNSです。企業アカウントでは自社の商品・サービスを紹介でき、ハッシュタグを経由してユーザーの目に留まることが見込めます。プロフィールや投稿でカラーやテイストの統一を行うことで、企業のブランディングにもつながります。
Instagramについて詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
参考:Instagram(2024年8月時点)
Facebookの運用
「Facebook」はメッセージや動画などを共有できるSNSで、企業アカウントでは、自社商品・サービスを紹介できるほか、シェア機能を活用することでイベント情報や商品情報の拡散も可能です。
Facebookでの集客について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
参考:Facebookページ: オンラインプレゼンスを高めるためのビジネスプロフィール | Meta for Business(2024年8月時点)
TikTokの運用
「TikTok」は15秒から1分での動画を投稿するSNSです。BGMをつけたり、エフェクトを追加したりすることができます。そのため、ユーザーにとって魅力的な動画を作成することができれば、商品・サービスの特性の周知につながります。
参考:TikTok動画と写真の編集 | TikTok ヘルプセンター(2024年8月時点)
YouTubeの運用
「YouTube」とは、動画を自由に投稿・閲覧できるサービスです。動画で商品・サービスをアピールし、概要欄に自社URLを紹介することで、自社サイトへの誘導が期待できます。動画制作や編集作業が必要となるため、スキルは必要ですが、チャンネル登録者を増やすことで継続的なファンを獲得することができます。
プレスリリースの配信
「プレスリリース」とは、企業が新商品・新サービスやイベントの情報を発表するためのものです。プレスリリースを扱うメディアメディアサイトに掲載されることもあります。
プレスリリースについて詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
コーポレートサイトの活用
「コーポレートサイト」とは、企業のウェブサイトのことであり、企業概要や企業理念、商品・サービスの紹介、リクルート情報、問い合わせフォームなどを掲載します。コーポレートサイトは自社の存在や信頼性をアピールするのにも適しています。
オウンドメディアの運営
「オウンドメディア」は、自社運営のメディアを指し、ウェブサイト以外にもブログやSNSも含まれます。オウンドメディアではユーザーに有益な情報を継続的に提供することで、ユーザーの長期的なファン化を期待できます。
ランディングページの作成
「ランディングページ」とは、商品・サービスの購入や問い合わせを目的とした1ページのウェブページです。ユーザーが検索をしたり、広告を経由したりして最初につながるページを指します。簡潔に情報を伝えるために、ページ内を回遊させない作りになっています。
サービスサイトの作成
「サービスサイト」とは、自社商品・サービスの魅力を伝え、購入・利用を促すことが目的です。サービスサイトでは見込み客がターゲットとなるため、いかに有益な情報を的確にアピールできるかが重要です。
ポータルサイトへの掲載
「ポータルサイト」とは、同業種の情報を集約したサイトを指します。ユーザーはすでに自社の商品・サービスについての購入・利用を検討している段階であることが多く、有益な情報が多いとユーザーが魅力を感じれば、そのまま顧客獲得につながる期待もあります。無料で掲載できるサイトもあり、エリアを絞って検索できる機能もあるため、近隣の顧客のみを集客したい場合に向いています。
メールマガジンの配信
「メールマガジン」は、商品・サービスを購入するなどの行動を起こした顧客はそのまま優良顧客になる見込みもあり、リピーター獲得に有効な集客方法です。メールを開封してもらうためには件名などを工夫し、タイミングに気をつけながら定期的な配信を続けましょう。専用ツールを使っても月額数千円など安価に利用できます。
メルマガについて詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
オンラインセミナーの開催
「オンラインセミナー」とは、ウェブ上で実施するセミナーで、特定の事柄に対して興味・関心を持つユーザーを集めて交流を行ったり、商品・サービスのアピールをしたりします。参加料金は有料・無料どちらにも設定でき、会場を用意する必要がないため低コストに抑えられるほか、開催場所にこだわらず広範囲のターゲットへアプローチできます。オンラインセミナー実施後にアンケートを実施して次のセミナーにつなげるのもよいでしょう。
オンライン集客のメリット
オンライン集客は時間や場所を問わずに広範囲にアピールすることができます。また、広告表示についてはユーザーの検索履歴や興味などにあわせて発信することも可能です。さらに、どの方法でどこから流入したユーザーなのかも分析できるため、費用対効果を細かく把握することもできます。多くの企業が取り入れている手法であるため、競合の多い内容の場合は効果的な集客に結びつくような知識が必要となります。
オンライン集客のデメリット
オンライン集客のデメリットは、上記で紹介したように集客方法が多いため、どの施策が自社に向いているのか判断しにくいところです。さらにサイト運用やマーケティングについては専門知識が必要となり、最新の情報や技術を仕入れ続けなければなりません。また、オンライン集客にのみ偏りすぎると、オフラインで得られている顧客との関係性が希薄になってしまいます。オフラインでしか得られない顧客の情報もあることを忘れずに、直接顧客と対面する機会を持ちましょう。
オンライン集客を成功につなげるコツ
さまざまな集客方法から選択したオンライン集客を成功させるにはどのようなことをポイントとすればよいでしょうか。ここではオンライン集客を成功につなげるコツを紹介します。
- 目的とターゲットを明確に設定する
- 明確な目標を設定する
- ターゲットに合った集客方法を選ぶ
- PDCAサイクルで改善を繰り返す
- 集客した顧客をファンにする
目的とターゲットを明確に設定する
オンライン集客を何のために、誰のために行うのか、目的とターゲットを明確にしましょう。ターゲットが明確であると、必要な手法が何かも明確になるため、ターゲットは幅広く設定しないことが重要です。認知拡大のための潜在顧客にはウェブ広告やDM、競合他社との優位性を示す顕在顧客についてはセミナーやリスティング広告、リピートや再購買を促す既存顧客にはDMやオウンドメディアなど、顧客によって集客種類を分けてみましょう。
明確な目標を設定する
オンライン集客のメリットは効果が明確に測定できることにあります。数値的目標を設定し、細かく進捗を確認して進めるとよいでしょう。潜在顧客層や顕在顧客層への集客では、DMの開封率や返答率、既存顧客層への集客では、再購買金額や購買期間など明確に目標を定めましょう。
ターゲットに合った集客方法を選ぶ
自社の商品・サービスについての集客を行う際、目的が新規顧客獲得なのか、リピーター獲得なのかによっても集客方法が異なります。新規顧客なら広告を、リピーターならメルマガなど、目的にあわせて集客方法を選びましょう。
また、商品・サービスの自社独自のセールスポイント(Unique Sales Proposition)の策定も強みやメリットを明確にするには重要です。
PDCAサイクルで改善を繰り返す
集客の成功にはPDCAサイクルで施策の成果を測定・評価し、継続的な改善を行うことが重要です。目的とするユーザーに対して適した集客方法かどうかは、何度もPDCAサイクルを繰り返し、最適な集客方法や集客のタイミングを見極めることがポイントとなります。
集客について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
集客した顧客をファンにする
集客は、一度集まったから終了というものではなく、ユーザーが必要としている情報を継続的に提供し、商品・サービスのファン化を続けることが重要です。安定した集客を続けるためには長いスパンでの集客計画が必要となります。
顧客ロイヤルティについて詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
まとめ
今回はオンライン集客について、19の方法と、オンライン集客のメリット・デメリットなどを解説しました。数多い集客方法を全て把握するのは難しいですが、自社の商品・サービスに向いている集客方法は何かをよく吟味しながら、適切な方法で集客を目指してみてはいかがでしょうか。
オフライン集客について詳しくは、下記の記事もあわせてお読みください。
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